おもいやり
妻の実家では
そんなわけで義父ちゃんの手間と、義母ちゃんの栄養のことを考え、僕が作る昭和チックなお惣菜をいつもより多めに作って、妻に持って行ってもらったりしています。
妻の実家のマンションは、ウチのマンションの3年前に建ったもので、ウチが築20年だから実家は築23年、今年のマンション管理組合の総会では2度目の大規模修繕の予定や、排水管の入れ替えの議題があがるなど、いろんなところに経年劣化が見られます。
ウチもリフォームの見積もりなどをしてみて、終の棲家にするならば何かしら手を掛けていかねばならないと思っているところですが、ボイラーもガスコンロも壊れないんですよねぇ(汗)。
対して実家のマンションは、ウチより先に給水管交換を終え、ボイラーも寿命を迎えて入れ替えなど、たった3年の差ですが結構修繕費が掛かっている
ようです。
家電系は一通り入れ替えたのですが、今実家で問題になっているのが、ガスコンロのグリル(魚などを焼くところ)が使えなくなっているということ。どうやら火が点かないようでう。
妻が中を見て清掃したりしたらしいのですが復旧することはなく、さすがに入れ替えを考えてるそうですが、妻は
『もう歳だしそんなに長くないだろうから、今更お金かけるのもどうかなって思ってるんだよね』
『でも、魚を焼こうと思っても、グリルが使えないと出来ないよね?』
『そうなんだけどさ、使う回数考えたらグリルなしの安いのでも良いのかなって(笑)』
『確かに値段は安いかもしれないけど、グリルが付いたってそれほど価格差無いんじゃない?』
『そうかも知れないけど、五徳の方は火が見えるから良いけど、グリル使ってることを忘れてとか考えるとさ・・・』
『まぁそれも無いとは言えないけど・・・それなら電気で魚焼けるのあるから、そういうのはどうかな?』
『電気の?』
『もし使わなくなったら小屋で使えばいいんだし、さすがに何とかしてあげないと』
『うん、今度父ちゃんの相談してみる』
そんな状況のまま数か月が経過し、たまたま買い出しに行ったときに魚を食べたいという妻がホッケの購入を求めてきました。
ふとその横をみるとサバフィレーが売っていたので
『明日実家行くんだよね?このサバ焼いて持って行ってあげたら?』
『いいねえ、焼くだけなら私でもできるし(笑)』
『この2枚入りを半分に切って4切れにしておけば食べやすいしね』
妻が実家に行く朝、実家に持ってくサバを焼こうとしていました。
『これ、焼いてから切った方が良いのかな?焼く前に切った方が良いのかな?』
『断然切ってから焼いた方が良いよ、身崩れもしないから見栄えも良いしね』
『そっか!その方が楽だよね』
焼きサバはそれほど時間は掛かりませんが、良い感じに身に焼き目が付いてきたころ
『このくらい焼けば火が通ってるかな?』
『うん、十分大丈夫だよ』
『ねぇ?サバって皮の方も焼くの?』
『いや、焼くから(笑)ってホッケもサバもいつも皮の方も焼いてるだけど気づいてなかった?』
『うん、皮は食べないから気にしたことない(笑)』
『食べる食べないじゃなくて、両面から火を入れることで中身までちゃんと火を通すって意味もあるからね』
『そうなんだ』
サバが切れ焼き上がり、粗熱を取るためにお皿にあげておいた妻が
『今日の朝はサバにする?』
『えっ?!』
『4つあるし』
『いや、全部実家に持っていけば良いんじゃないの?いっぺんに食べなくても良いんだからさ』
『そ、そうだよね(汗)』
『きっと最近焼き魚なって食べてないんだろうから、たくさん食べさせてあげて(笑)』
『すいません、食い意地はってました・・・』
『ウチ用にホッケ別に買ったと思うんだけど?』
『いや、焼いたサバ見たら美味しそうでさ、へへ(笑)』
僕は義理の息子だけど妻は実の娘なんだからさ・・・もしこれお笑い芸人の霜降り明星のツッコミの人だったら
『いや、おもいやりっ!』
ってツッコんでたと思います(笑)。
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