おからの煮物

 前回のエッセイで書いてた通り、土曜日に妻が実家に持って行くお惣菜を作るため木曜日に色々食材を買って来ました。


 といっても、作る物は書いた通り”ザ・昭和”的な惣菜ばかりですし、材料もすべて安いもので済むので、負担になるようなものではありません。しかも、作ったものの半分は自分ちで食べるので、ついでに量を作るだけであって、特別手を掛けて作るというようなものでは無いのが良いところです(笑)。


 レジ待ちの列で妻が


『いや~カゴの中の食材だけ見てると、出来る奥さんの内容だよね』

『まぁそう見えるかもね』

『実際は、(料理が)良く出来る旦那の奥さんなんだけど、レジの子にはそう見られないところが良い(笑)』


その日買ったものはレシピ別に、ひじき煮用の乾燥ひじきと水煮大豆、切り干し大根用の北海道産皮つき切り干し大根、キンピラレンコン用のレンコンスライス、おから煮用の尾かおからとスライスされた干しシイタケ、そしてすべてに人参が入るので、人参を一袋(3本入り)。


 そういえば以前、”おからパウダー”というものが売られていたことを書きましたが、今回も普通のおから(卯の花)の隣に、K社のパウダー売ってましたよ。

 まず確認するのは内容量、パウダーのものは120gで普通のおからは240gですが、価格はパウダーの方が高いのすが、パウダーなので戻したらどのくらいのおからになるのかという問題があったので、裏面の説明書きを熟読。想像してみてください、スーツを着た初老のサラリーマンが、納豆とか豆腐を売っている売り場で、おからパウダーの説明書きをメッチャ熟読してる様を(笑)。

 そしてありました、本品20g+80ccの水で普通のおから100gになるそうです!これを1袋換算にすると、なんと600gのおからになると言うことなので、結果的にはパウダーの方がコスパが良いことになります。

 コスパが分かったところでレシピを確認するため、袋裏面のQRコードをスマホで読み込み、K社のサイトに飛んでレシピ集を確認っと・・・あれ?和風のレシピに尾から煮のレシピがありませんよ?

 どうやらこの会社の商品は、色んな料理に混ぜて手軽に大豆の栄養を摂取できるような商品らしく、恐らくですが粒子が細かくておから(卯の花)に戻れないんだと思います。ちなみに別のメーカーのパウダーは、水でおからに戻るため、おから煮のレシピがありました。

 そんな訳でパウダーは無くなり、いつもの普通の大豆の搾りかすの方(言い方!)を2つ買ったわけです。


 おから煮を調理するのは決して難しく無いのですが、準備が非常に面倒というか時間が掛かる料理になると思います。

 人参や戻したスライスしいたけは細かく切らなければなりませんし、何といってもおからの乾煎りが一番時間も掛かり手間が掛かります。

 でもちゃんと乾煎りしないと味が入らないので、ここは手が抜けないのでパウダーに魅かれてたわけです。


 調理は全て翌日の金曜日の食後に行うことになりました。出来れば土日は追われて何かをしたく無い日なのでね。いつもはフライパンで少しづつ水分を飛ばして乾煎りしていたのですが、今回はレンジで乾煎りを試してみましたぁ!みましたぁ!と言っても、妻に指示してやらせただけなんですが(笑)、流石におからをレンチンするくらい誰でも出来ますし、何といっても自分の親に持って行く料理ですから、参加することで多少は


『 私 も 手 伝 っ た 』


という既成事実にもなるので、喜んでやってくれました。


 他の料理を作りながらの最後におから煮だったので、料理しながらレンチン乾煎りの様子を見てましたが、まぁフライパンで火を使うより楽かなぁ。妻は固まっているおからをフォークで崩すのが大変だと言ってましたが、レンチン中は目も離せますし、固まりを崩すのもテレビ見ながら出来ますしね。

 レンチン乾煎りにしたことでフライパンが空いていることにより、乾煎りをしながら出し汁の用意も出来て、かなりの時短にもなるのが分かったので、これからはレンチン乾煎り一択になりそうです。

 

 翌日、昭和チック惣菜を4種類を実家に持って行った妻が帰ってきたので、味について何か注文は無かったか聞いてみました。


『父ちゃんたち食べてた?』

『うん、朝に「私はご飯食べて行くから、(私の分は)用意しなくて良いからね」って電話してたしょ?』

『あぁ、してたね』

『行ったらさ、なぜか自分たちの分(お昼)も用意してなかったから、お兄さんの総菜でお昼食べたんだよ』

『まぁおかず有って良かったね(笑)。で、味はなんか言ってた?』

『母ちゃんがね、おからが甘いって言うんだけど、私はちょうど良いと思うだよね』

『そりゃいつも僕が作る物を食べてるから、お姉さんは気にならないかもね』

『それと、良かれと思って皮付きの切り干し使ったでしょ?』

『北海道産だし、味も良いからね』

『母ちゃん入れ歯のせいか、皮出してた(笑)』

『マジか!(笑)次からは普通の使おう』

『いや、そのくらい固いと思うもの食べないと、咀嚼力落ちるから良いよ』

『そうか・・・おから甘かったか、まぁそれは僕んちの味付けだからねぇ』

『そういえばお父さん、甘いの好きだったよね』

『うん、だから全体的に少し甘みが強いかも知れないね』

『父ちゃんは普通に食べてたから、そんなに気にしなくて良いからね』

『そういえば、キンピラの白ごま、入れ歯でも大丈夫そうだった?(笑)』

『うん、ゴマは何も言わなかったから、問題ないよ』


 この4種類、準備さえ出来ていれば、1時間ちょっとで調理出来てしまうので、毎週作っておこうか聞いてみたら、多くても2週に1回、今は月一くらいで、あとは買い物行かせて歩かせなきゃと言うことでした。


 僕が炊事を始めて20余年、妻はすっかり僕んちに味に染まっているのは確認できました(笑)。

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