国籍不明

 三連休のなか日、天気も良かったんで皆さん出かけているのか、お店の中はとても空いていて、のびのび買い物をしていました。


 どうしてもピーマンの在庫が頭から離れなかったので、また鮭のちゃんちゃん焼きで話は進んでいて魚売り場へ。

 ここでちょっと考えることになったのが、同じ生鮭ですがブロック状になっているパックと同じような大きさですが4つの切り身(どちらも切り身ですが・・・)で売られているパック。

 これは経験からですが、同じ素材のものが塊ではなくスライスとか切り身とかで売られてる場合、その手間賃として塊より少しだけ割高になっているのが殆どだと思います。ですからこの生鮭も、ブロックのものより切り身のなっている方が100gあたりの単価が少し高いだろうと思ったわけです。

 ブロックの方はグラム単価が書かれているのに、切り身の方には無かったためスマホを取り出し電卓アプリ起動です(笑)。

 計算すると、ブロックも切り身も同じ値段なことが分かり、晴れて切り身を2パック買ったわけですが、どうせ自宅で切り身にするながら、生ものをまな板で切る ブロックよりは、切り身の方が洗い物も少なく済みますし手間も掛からないですからね。でも、グラム10円でも高ければ、勿論自分で切りますが。


 そんなわけでちゃんちゃん焼きの材料を買っていったのですが、生鮭のすぐ近くに生食用のムール貝が4割引きで売られていました。

 最近樹脂製のボトルとスクリューキャップのワインがあることを知り、料理酒として赤白両方をストックしていましたので、ムール貝と白ワインがあれば、ワイン蒸し的な物でも作れるなーと思い2パック(これで全部だった)をカゴに入れ精算。


 ところでムール貝ってみなさん食べてますか?

 小樽育ちの僕としては殻が付いた状態だと、清掃・補修の為に陸に揚げられたブイにビッシリ付いている、カラス貝(正式名称はムラサキイガイというそうです)にそっくりで、子供のころは拾った釣り針やら糸やら錘と木の枝を使って釣竿を作って、エサにはこのカラス貝をむしって石で割ってエサにした思い出が強烈に残っています。これがまた、サバやらソイやらよく釣れたものです(笑)。

 実際にはこのムラサキイガイ、ムール貝の一種だそうで、そりゃ魚も良く食べる訳ですね。


 そんなイメージから、最初のうちは敬遠してたのですが、良い出汁が出ると言うことでカレーに入れてみたら、これが妻も好きになるくらい美味しい貝で、シーフードカレーにはエビに次いでよく使う食材となっています。

 割引シールが貼られていると言うことは、あまり日持ちがしない訳でして、早めに調理をしてしまわなければならないので、さっそく作ってみます。


 まずニンニクをタップリ4カケほど粗みじんにします。フライパンにオリーブオイルを入れ、火をつける前からニンニクを投入、これはイタリア料理などでも同じことをする、オイルに香りを移すためです。

 弱火でフツフツさせてニンニクの良い香りがして来たら、ムール貝を入れて火を強めます。

 塩コショウを振りますが、あとからバターを入れるので、バターの塩味を考慮して塩は少し少な目で良いかもです。

 ムール貝に火が通ってきたら、1カップほどの白ワインを投入しアルコール分を飛ばします。


 さて、こうやってレシピを書いていると、何を作ろうとしているのか明確なイメージを持って作ってるのだろうとお思いでしょうが、この時点でまだ何を作るか決まってません(笑)。いや、正確にはワイン蒸し風の何かにしようとだけは決めてます。

 ここでニンニクを取り出したときに、シシトウ・ナス・ピーマン・ニンジン・長ネギ・玉ねぎ・もやしにキャベツ・それにブナシメジがあることは認識していますが、玉ねぎとニンジン・ブナシメジ・もやし・キャベツ・ピーマンはちゃんちゃん焼きに使うので、必然的に残りはシシトウと長ネギということになります。

 取りあえずシシトウを洗ってプライパンに放り込んでおいて、ナスを洗ったら輪切りにしてそれもフライパンへ。

 何となく鷹の爪も少しだけ入れて、赤いのがもう少し欲しくて、ミニトマトがあることに気付きました。

 でもなぁ~、あんまり料理にダイレクトトマトを入れると妻が敬遠しがちなんで、どうしようかと一瞬だけ思ったんですが、調理は既に進行してるので大きめのを5~6個半分に切って入れ、混ぜながら長ネギの白い部分を1本分、斜めに切っておきます。

 ムール貝の出汁が出た白ワインの汁が食材に滲みたところで、バターを一切れ入れここで長ネギを投入。あとは味を見ながら塩やお醤油で味を調えます。


 最後に味見したら鷹の爪がちょっと主張が強くて、器に移したあと食べる分の方に粉チーズをササっと。

 もう国籍不明のムール貝の炒め物が完成しました(笑)。

 味も洋風なのか和風なのか良く分からない感じですが、ムール貝の出汁と滅多に使わない白ワインのお陰で、パンでもご飯でも合いそうな物が出来ました。

 妻も試食前から匂いだけ嗅いで美味しそうとは言ってましたが、恐る恐る試食させると


『うん、全然美味しいよ』

『これだとご飯よりパンかな?』

『いや、これはパンよりご飯だね!』

『え?パンじゃ無いの?』


 この辺の基準が結婚して25年経っても、未だに分かりません(笑)。


 さて、妻は予想以上にこの変な料理を気に入ったみたいで


『明日これをおかずにして、お弁当持って行く』


 と言い出したので、少しニンニクは避けて持ってった方が良いよとアドバイスし、さらに自分で卵焼き焼いてました。


 それにしても、いつも中華スープや卵の中華炒めにトマト入れると、余り嬉しそうな顔をしない塚が、今回のこのごちゃ混ぜ料理に入れたトマトには文句も言わず、なんならもう少しトマト入れても良かったのにと言い出す始末。

 ん~基準が分かりません(笑)。

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