やってきた未来

 ちょっと炊事する旦那のエッセイからは、外れてしまう内容かもしれないですが・・・

 先日、大事に使ってきたプラズマテレビが壊れてしまいました。

 僕はガジェットとか大好き人間なんで、テレビも液晶ではなく拘りがあってプラズマテレビにしていました。まぁ当時はモータースポーツとかよく見たりしてたんで。


 去年の震度5弱の地震にも、テレビ台から落ちることもなく、想定寿命より長持ちしてくれました。そんなプラズマ君の最後はあっけなく、朝起きて情報番組見ようと電源ボタンを押したら、カチッ!って音がしてLEDが緑色になったあと、またカチッ!って音がして、LEDが赤色点滅、はい、もう制御回路とかの故障ということでした。確かにパネルも上下の境目の発色とかおかしいなとは思ってたんですが。


 暫定的に寝室の液晶テレビを居間に持ってきて、取りあえずテレビが見れる環境にしました。

 これが金曜日夜勤の日の朝で、翌土曜日は徹夜の余波で1日調子が出ず、翌日曜日に電気屋さんに行って新しいテレビを注文、なんと今話題の4K有機ELテレビとなりました。予算的に普通の液晶テレビになると思ってただけに、嬉しい誤算。

 配達は1週間後の日曜日と言うことで、それまで小さな液晶に頑張ってもらいました。


 僕は最新ガジェットが久しぶりに家に来るので、説明書をネットで詳しく読んだりしてましたが、流石最新家電だけあって

(本テレビはAmazon EchoやGoogle Homeなどのスマートスピーカーに対応しています)などと書かれてます。

 そもそもスマートスピーカーなるものはウチにはありません。だってスマートスピーカーに制御されるものが無かったですから(笑)。


(こりゃスマートスピーカーを買って、その便利さを知らしめて、あわよくばリフォームのときにもっとスマート家電を選ぶようにしよう!)などと、悪だくみ?をしながら物色し、Amazon EchoShow5 という5インチの液晶ディスプレイの付いた、可愛らしいスマートスピーカーを仕事中にポチって、テレビより先に到着。

 妻といえば毎度のことですが、お小遣いの無駄遣いで旦那がまた怪しいものを買って、やれやれと言う表情で、夕食後の開封を生暖かい目で見ていました。


 良い感じの電源の延長ケーブルが無かったので、まだ炊飯器にタイマーが付いていなかったころ(どんだけ昔?妻の嫁入り道具の1つ)使っていた、延長ケーブルの先に大きな手動のタイマーが付いたものを、納戸の奥から引きずり出し暫定で設置、電源を入れると設定の音声案内が始まりました。

 一通りの設定を行い


『アレクサ、今日の天気は?』

『〇〇付近の今日の天気です。現在の気温は・・・・』

『おー!すごい!ちゃんと答えるんだね』

『まぁそれがスマートスピーカーだからね』

『でも天気予報言ってくれるだけなら、うちらのiPhoneのSiriでも同じじゃない?』


 今まで興味無さそうな妻が食いついてきました(ヨシ!)。


『ほら、日曜日に新しいテレビが来るじゃない?そのテレビがスマートスピーカーに対応してると言うんで、試しにスマートスピーカーを買ってみようと思ってさ。それにSiriではテレビまでは操作出来ないからね』

『また新しいものにすぐ手を出して』

『仕事がら最新技術には触れておかないとね(笑)』←超言い訳(笑)

『でもテレビが無いんじゃ、あまり役に立たないんじゃない?』

『そんなことないよ、僕はプライム会員だから無料の音楽だったら再生してくれるよ』

『ほんとに?』

『うん、ほら、アレクサ君にお願いして(笑)』

『アレクサ、ポールモーリアのオリーブの首飾りかけて』

(ちなみに妻は小さいころからエレクトーンを習っていて、習うきっかけになった曲がポールモーリアだそうで、結婚してからも何度かコンサート行ってます)

『【はい、ポールモーリアのオリーブの首飾りを再生します】』


【♪~~♬~♩~】

 

『お~~~~っ!結構音良いね!』

『ね、便利でしょ?テレビが来たら、アレクサ君にお願いするだけでテレビの電源入れたり、音量やチャンネルまで変えてくれるそうだよ』

『へぇ~~~~便利な世の中だね』

『そうそう、こういうのも出来るらしいよ。アレクサ、麻婆豆腐の作り方教えて!』

『【はい、クックパッドから麻婆豆腐のレシピを表示します】』

『ほら、便利でしょ(僕的に)?』

『でも、これ以外使い道無いんじゃない?』

『そ、そ、そんなこと無いよ!』

『本当~?』

『ほら、この前リフォームの見積もりで選ばれてたエアコンもスマートスピーカー対応だし、シーリングライトも対応してるのがあるから、そのうち色んなものがスマートスピーカーで操作できるようになるんだよ』

『ふ~ん・・・』


(ちょっとの沈黙・・・)


『そうだ!』

『どうした?』

『アレクサ、御飯作って!』

『えっ・・・・』

『【料理をするのは、今はできないことの一つです。好きの食べ物のことや、レシピを探すのは得意ですよ。】』

『・・・』


 まさかこの命令を投げつけるとは・・・妻の残念そうな顔がとても印象的でしたが、アレクサ君の【今は・・・】ってことは、そのうち・・・そういう未来が来るかも知れませんね(笑)。

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