エクオール追加で

 前にも、妻がエクオール(大豆イソフラボンが腸内細菌で変換された成分)不足から、腱鞘炎になった話しを書いたことがありましたが、この前朝起きてきて


『両方の手の人差し指が、バネ指っぽくなった・・・』


と訴えましたよ。


『前に買ったエクオールは?』

『もう、とっくに無いよ?』


 いや、”無いよ?”じゃ無いでしょ(笑)


 たしか楽天のポイントが結構貯まってたと思い、その場で一番安く売ってるエクオールを取りあえず2ヶ月分発注。

 ただ、サプリというのは薬じゃないんで、飲んですぐ効く!みたいなことは余りないので、こりゃまた大豆料理の再開かなと。


 味噌、納豆、豆腐は日常使っているので、例のひじきの煮物とも考えましたが、いい加減飽きてきてるんじゃないかと思い、何か別のものにした方が食べる方も飽きないだろうと考えました。


 とはいえ、大豆を使った料理といえば、なんていうか昭和的なレシピしか浮かんできませんが。

 納戸に入り使えそうな食材は無いかとひと回り、すると取りにくい(要はあまり使われない)場所に、昆布がたくさんあるのを発見。


 はい、大豆と昆布の煮物に決定です。(ド定番)


 ところで昆布の産地と言えば、東北の一部とあとは北海道全域だけなんですね、知りませんでした。

 でも、北海道でたくさん採れるのに、意外と北海道の人は食べてないみたいです。

 理由はたぶん、”結構お高いから”というのと、若者受けするレシピが無いからかな?と勝手に思っています。

 高級料亭などでは、この昆布で出汁をとったりするのは知っていますが、数ある北海道産の高級品も、ほとんどが出汁としての用途が多いんですよ。

 例えば、羅臼産、利尻産、道南の真昆布とかは良い出汁が出る昆布として有名です。

 他の昆布と言えば、長昆布と日高産ですが、こちらは柔らかくて食用がメインの様です。

 昔、長万部の親戚が春にキュウリという魚を捕ってきて、すぐに長昆布で昆布巻きを作ってたのを思い出します。


 さて、納戸で大量発掘された昆布ですが、すべて日高昆布でした。


 これには理由があって、5年ほど前になりますが、長年続けたフリーランスのエンジニアから、50歳になろうとしているおっさんの僕を、是非ウチにと会社員として迎えてくれた今の会社の社長の実家が、”えりも町”と言うことで、何かとお土産にこの日高昆布を買ってきてくれて(貰ってるのかな?)、料理をする社員は僕くらいですから、ありがたいことにいつもたくさん昆布を頂いているので、使おう使おうと思って大事にとってあったという訳です。

 これを使わない手はない訳で、味も栄養もばっちりなので、さっそく作ってみました。


 今回は分量は、昆布がたくさんあるので、昆布1パックの半分くらい使おうということで、ニンジン1本、水煮大豆3パック、昆布半袋(この分量っていいのか?)です。

 ニンジンは1cm各位のサイコロ状に切り、昆布も同じ1cmくらいに切るのですが、当然昆布は乾燥しているので包丁で切るより、キッチンバサミで切った方が良いかなと考えてたところ、滅多に家で昆布を使わないからか、珍しさから妻も参戦、昆布を切ってくれるというので頼みました。

 するといきなり乾燥してカチカチの昆布を挟みでチョチン・・・


『ハサミで切ったら、粉々になっちゃうよ?』


いや、そりゃそうでしょうとも(笑)

勉強は出来る人なのに、相変わらずボキャブラリーが天然ですいません。


『あのね、少しだけ水に浸けて、ふやかしてから切らないと砕けるよ』

『そうだよね』

『あまり水に浸けとくと旨味が出ちゃうから、ほんとに洗う程度で後は放っておけば、そのうち柔らかくなるから』


と、水浴びさせて放置してる間に夕食を済ませ、再びキッチンへ。


 すると良い感じに柔らかくなってハサミでも切りやすくなったようで、黙々と昆布を切り始めました。

 そういえば、妻はこのような作業が好きなようで、僕が3ヶ月1度病院からもらってくる高血圧のお薬を、全部ハサミで1つ1つバラしてくれて、缶に入れておいてくれます。もはや趣味の域に入っていると言っても過言じゃないです。


 その横で、ニンジンを水から煮て、煮立ったら水煮大豆を投入。

 更に煮立ったら切った昆布を入れ、砂糖、味醂、料理酒を投入。

 調味料は相変わらず匂いで入れますが、そうですね、分量も多かったので、砂糖も味醂も料理酒も大匙3くらいでしょうか。

 5分ほど煮たら、これまたお醤油も大匙3程度入れ、あとは煮汁が少なくなるまで煮るだけです。


 煮込んでいると、何とも昭和っぽい匂いが居間に広がってきます。

 完成し粗熱がまだ残っているくらいのとき、妻が容器に移し替えてくれたので、味見をしてもらいました。ってか、ほぼ毎回ですが匂いが決まってれば、あえて味見はしないことが多くて、今回も一切味見してません(笑)

 味見と言っても、妻の好みの濃さかどうかくらいですが


『ちょっと薄いかもしれないけど、粗熱採れたら味が入るから丁度良いかも』


 ちなみに煮物は冷えて行くときに味が入る(濃くなる)ことを教えたのは僕ですが、今では妻も当たり前のこととして認識してるようです。


『これ美味しかったら、まだ昆布がたくさんあるから、実家に持って行ったら?』

『うん、そうする』


 そんなわけで、妻のエクオール不足を補完する新しい料理を作りましたが、やっぱり昭和的なものになっちゃいました(笑)




 

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