男と調理器具

 僕の両親と妻の両親、偶然だけどそれぞれ同い年で、まぁそれなりにご高齢です。

 そして僕の母もそうですが妻の母も認知症が発症(僕の母より全然軽度ですが)して、最近では料理をしなくなったというか出来なくなったというが正直なところです。

 そうなると、父は食べ物を買ってくるか、それとも完成したものを届けてもらうか、もしくは自分で作るしか選択肢が無くなるわけです。

 これ今さらですが、核家族化が進んだ日本では別に珍しくはない光景ですが、こんな時料理が作れる男かどうかで、選択肢も変わってくるんだろうなと・・・


 僕の母親も妻の母親も、ガチの昭和世代、いわゆる団塊の世代ですから、良いか悪いかは別として、妻は専業主婦として家庭を切り盛りするのが当たり前だった時代の人。

 当然、炊事は奥さんがするものとされてた時代の人ですから、この時代の人でお夫が炊事を担当する比率は、かなり低いものと想像できます、まぁ例にもれずウチもそうでしたしね。


 とはいえ、妻の父は野菜作りや漬物作りはお手の物で、今でも義父が作った漬物を良く頂きます。料理では負けませんが、漬物は義父にかないません。

 そんな義父が、今では炊事全般をしていることはを聞いてましたので、僕が大量に作る惣菜なんかを持って行ってもらってました。

 そんな義父が最近妻に


『ガスコンロが使いにくいから、買い替えたい』


と言い出したそうです。


 憶測ですが、きっと電池が少なくてガスの着きが悪いのと、グリルを掃除して無くて、煙が出たりしてるんだと思うと妻がいうのも理解は出来ます。

 でも、もともと料理なんてあまりしてない義父が今や炊事担当ですから、ほんの少しでも楽になることはとても重要なことだと思います。

 まぁ、換気扇と水道の蛇口まで変える必要はあるか、と言われると微妙ですが(笑)

 それでも、そんな些細なことでも使いにくいと感じるのは、非常にストレスになってるに違いないので、ガスコンロは替えてあげた方が良いよ!とは妻に言ってあります。

 妻の両親のマンションはウチより3年ほど古いだけですが、妻は掃除の観点からウチのガスコンロを替えようとしてるわけで、他所のこと、いや自分の両親のことですから、ここは理解してもらいましょう。


 考えるに、今年で僕たちは結婚25年と言うことですから、妻の両親との付き合いも同じ25年+αと言うことで、多少は妻の両親がどのような性格かは理解してるつもりです。

 まぁ義父は僕と似ていて、”カタチから入る人”ということは間違いないと思うので、このガスコンロが新しくなるだけで、俄然やる気が変わってくると思います(笑)

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