6. 突然の出来事

たった一瞬のことだった。

そのたった一瞬でその場にいた数十名が吹き飛んだ。

幸い僕は、目の前にいた男性がとても大きかったためその被害に合わなくて済んだのだけれども、、。

それにしても市街地でのむやみな戦闘は法律で禁じられているはずである。

それなのに目の前でこの男たちは剣を抜き戦闘をしていた。

まぁ時期に警官隊が来るだろう。

そして取り締まられて彼らは終わりだ。

そう思っていたからこそ、その光景に目を疑う。

夜に溶けるような藍色の制服。真紅の刀の模様の入った紋章。殺意のこもった瞳で目の前の人間を冷淡に殺害しようとしている人間こそ、警官隊の人間だったからだ。

正義と秩序を守るための人間である警官隊が一般市民の命を大量に奪い、なおかつ市街地でのむやみな戦闘を行ったというのか?

法律を守らぬ行動をとったというのか?到底許されない行動だというのに?



「なんだ、一人生きてたんだ」



思考の渦に囚われていた時だ。

そんな言葉が耳に飛び込む。目に入った真紅の紋章。

目の前でニヤニヤと笑っていたのは先ほど大量殺戮を行った殺人警官だった。











「まぁいいや死ね」










鋭利なナイフが自身を切り裂く。

目の前に広がっていく鮮血。

傷口は焼けるように熱く、熱を持つ。

なんでこんなこと、、、なんてバカみたいな思考回路で気を散らすもののやはり自分が死ぬんだなということがわかるとバカみたいに震えが止まらなくなる。



(、嫌だ、やだ、痛い、熱い、あついっ、熱い、いたい、やだ、やだ。いや、なにこれ、くるしい、怖い、いや、やだい、いたいいたい、あつい、くる、しい、たすけて、やだ。やだ、やだっ、嫌だ、嫌だ、嫌だいやだっ、たすけ、て、、、!!!!)




身体中に走る痛みに、涙が

血が止まらない。必死で傷口を抑えるものの手に力など入らず、血を失えば失うほど手に入る力は薄れていく。




熱い、


苦しい、


痛い、


怖い、


いたい、


あつい、


嫌だ、


いやだ、


いやだ、


怖い、


たすけて、


こわい、


だれか、


痛い


















「___ ・・っt ____ けた_」












男が何かを言ったのを最後に僕の意識はなくなった。






































「見つけたよ、例の____」

「ありがとね、、でもさぁ何もあそこまでやることなかったんじゃない?

おかげで厄介な人に目をつけられちゃったしさ。

それに俺は傷つけろとは言ってない!」

「別にいいじゃねーかよ、、こうして結果的には連れて帰ってきただろ。

それに治療だって___さんがしてくれたんだしさぁ」

「何もよくない!、、この子は__にとってすごい大事な人なんだよ!?」

「そーだけどさぁ、、あの目、ぶっ壊したくなっちゃうんだよね、俺」

「全く、、、___に任せた俺が馬鹿だった」





茶髪でヘラヘラと笑っている少年を叱り付けていた男が一人ベットで眠る少年に歩み寄る。そしてその頬を撫でながら優しく笑いかける。

























「やっと手に入れた、、、もう直ぐだよ__」














久しぶりだね、黒猫

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