外伝 関東戦国 其の一
【まえがき】
恒興くんが登場しない外伝となりますニャー。話がぶっ飛んでしまいますので読みたくない方は『菅谷政貞と風魔小次郎は海に流され岡本随縁斎に助けられて熱田に行った。二人は記憶喪失になっていた』とだけ認識して下さいニャー。
全体的に巻き気味に書いていきますニャー。
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これは池田恒興が近江国で戦っていた頃の話だ。
国府台の戦いの後、上杉景虎は越後国へ帰還した。その後は関東に奇妙な膠着状態が生まれていた。上杉家が越後に帰ったというのに、北条家が一切動かなくなったからだ。また、里見家は国府台の戦いの被害が大きく立て直し中。太田資正、太田康資両名も次に備えて戦力構築中。結局、国府台の戦いの後の戦争といえば小山秀綱と結城晴朝がまた兄弟喧嘩をした程度だった。
この冬の貴重な平和を小田氏治は満喫していた。
「政が政務を見てくれる様になってから領地経営も良くなったね」
「まあね、無駄を省くだけでも収益が上がるものさ」
「これなら私のおやつも増えるよね」
「ごめんね、ちょっと減るかも」
「えー!?何でなのーっ!?」
小田家の財政状況は確実に良くなっている。それは収支報告書に目を通さない氏治にすら分かる程だった。これなら自分のおやつも増えるはずと思ったら、減ると言われ彼女は抗議の声を挙げる。
「ちょっと高い買い物しちゃってね。将来的には必要になるからさ、今のうちに買っとかないと」
「そんな〜、私のおやつが〜」
「まあ、また頑張れば大丈夫だからさ」
「うう〜」
政貞は将来的に必要になるモノを購入した。かなりの出費であり小田家は少々、緊縮財政を迫られる。だが氏治は納得がいかないと唸る。そこに慌てた様子の若者が走り込んでくる。菅谷政貞の養子で土浦城主の菅谷政頼であった。
「親父!氏治様!
「何だ、頼。何があった?」
「府中城の
大掾貞国。
常陸国府中城主で霞ヶ浦の豪族『南方三十三館』の一つ。その中でも大掾貞国は最大の勢力を持っている。大掾家の府中城は小田家の土浦城の東隣に位置しているので、昔から諍いが絶えない。
『南方三十三館』とは霞ヶ浦周辺で水運を営む豪族の総称である。『三十三』とあるがこれは『たくさん』という意味で数字は適当である。
「大掾が?……変だな」
「そっか、大掾貞国が動くんだね。……それなら出陣だよ!私の力を見せる時!」
「え?ちょっとちょっと、氏治ちゃん?」
「大掾家を打ち破り、稼ぎを増やして、『私のおやつ』を増やしてみせるんだから!!!!!!」
大掾貞国が来ると聞いて氏治は思い切り気合を入れる。この上なく慌てる政貞を余所に、氏治はおやつを増やしてみせると燃え上がる。
「あの、氏治様?それは止めといた方が。戦は俺達に任せて貰えりゃあ……」
「ほら、頼、早く準備して!うおおー、燃えてきたんだからー!!」
菅谷政頼も止めに入るが氏治は聞く耳を持たない。勢いそのままに、氏治は他の家臣にも指示を出して兵士を集めに行ってしまった。
「お、親父……」
「はぁ、何とかするわ。頼、お前は氏治ちゃんを守れ。離れるなよ」
「へい、分かりやした!」
政貞は溜め息をついて、政頼に氏治から離れるなと命令する。そして政貞はそのまま出掛けてしまった。
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常陸国海老ヶ島城。
真壁家当主の真壁久幹は海老ヶ島城の収支報告書を興奮気味に見ていた。
「やっぱり海老ヶ島城は儲かるな。いい感じだ」
「親父、俺の城に来て、いきなり金の計算とか止めろよ」
父親の薄気味悪い笑顔に息子で海老ヶ島城主の真壁氏幹は苦言を呈する。とはいえ、気持ちが解らない訳ではない。
真壁久幹が城主を務める真壁城は真壁家本拠地。この真壁にも海老ヶ島同様に桜川が流れているのだが、真壁は山間部になるため川舟の使用が制限される。川が浅く物流に向かないのだ。
それに比べて海老ヶ島辺りで桜川に何本か支流が合流するため水量が増えて川舟が運用出来る様になる。このため桜川水運の始点は海老ヶ島であると言えた。真壁の民はいつも海老ヶ島を羨望の眼差しで見ていた。同じ桜川流域なのに何故こんなにも違うのかと。だから海老ヶ島城は小田家と真壁家の間で取り合いになってきた。そして小田氏治が小田家当主になるまでは両者の戦いは殆ど小田家の勝利だった。そのため真壁家は戦に負けて小田家臣化していた事もある。
「そうは言うがな。儲かる事は良い事だぞ」
「それは否定しねぇよ。ウチの家臣の給料も上げてやれたしな。でもよ、変じゃねぇか?」
「何がだ?」
「何でこんなに儲かる海老ヶ島城を、菅谷政貞は真壁に渡したんだ?」
先の戦いで真壁久幹は小田氏治には勝った。だが菅谷政貞に敗北して小田家傘下となる事で決着した。まあ、元の鞘に収まっただけではあるが。その際に菅谷政貞が真壁氏幹を城主に指名したので、海老ヶ島城が真壁家所有となった。一応、建前上は海老ヶ島城は小田家所有で真壁氏幹が小田家臣となって城主就任した事になっている。建前上は。
真壁氏幹は納得がいっていないのだ。海老ヶ島城は真壁の宿願と言える程に欲しかった場所なので文句は無い。しかし、何故に菅谷政貞は海老ヶ島城をただで渡してきたのか、が理解出来ないのだ。『美味しい話には裏がある』。真壁氏幹の脳裏にはこの言葉がチラついていた。
「下館城の
「冗談言ってんじゃねぇ。迂闊なバカが手を出さない限り、水谷が動く訳ねぇよ。アイツは領地拡大の為に兵士鍛えてんじゃねぇ、北にもっと厄介なのが居るから備えてんだよ」
「ああ、宇都宮家とか那須家だな。……一応、主家の当主を迂闊なバカ呼ばわりするな」
菅谷政貞は久幹に水谷正村対策だと言っていたが、氏幹は納得しない。結城家臣下館城主の水谷正村は確かに強い。兵士もかなり鍛えている。だがその主目的は侵略のためではない。北側に居る宇都宮家が結城家の領地を狙っているので備えているのだ。そして一番不気味なのが那須家である。年がら年中お家騒動と内戦に明け暮れているのにクソ強いのである。侵攻した大名は全て撃退している。一般的に北条方と言われているが、北条家のために動いた事は無い。あくまで反北条家の佐竹家や宇都宮家と争う事が多かっただけで、旗色がさっぱり判らないのだ。水谷正村はこの宇都宮家と那須家を警戒している。
水谷正村は迂闊なバカがケンカを売らない限り動かないと氏幹は断言する。久幹は主君を迂闊なバカ呼ばわりするなと息子を嗜めた。
そこに来客がやってくる。噂の人物である菅谷政貞だった。
「やあやあ、真壁の。コッチに居たのか、真壁城に行く手間が省けたよ」
「おう、政か。丁度いいから紹介しておく。息子の氏幹だ」
紹介された氏幹は立ち上がり、自分自身を政貞に見せ付ける。彼は試しているのだ、自分を見て目の前に居る男はどう反応するのか。
「おー、いい身体付きしてるねえ。背も高いし、何より力強そうだ」
「試してみるかい?」
「止めとくよ。最近は派手に暴れなくなったんでね」
「そうかい。お初にお目に掛かる、真壁左衛門佐氏幹だ。戦なら呼んでくれよ、アンタが海老ヶ島城主に見込んだ男の力を見せてやるよ」
菅谷政貞に怯む様子は見られない。闘気や殺気もぶつけてみたが、まるで柳の様に受け流していく。氏幹は流石は親父が認めた男かと納得した。
そして真壁氏幹は僅かに頭を下げ、正式に名乗りを挙げる。
「そりゃ、頼もしいねえ。早速、見せてもらっちゃおうかな」
「む、戦なのか?まさか、北条家が動いたのか?」
「いんや、相手は大掾貞国」
「何!?『南方三十三館』筆頭の大掾家か!?……って、そんなに驚く事もないか」
久幹は戦の相手が大掾貞国と聞いて驚く。だが直ぐに冷静になる。小田家先代の時でも大掾貞国とは何度かやりあっているので特別な事ではなかった。
「大掾貞国ってぇのはどんなヤツなんだ?」
「大掾貞国は常陸国府中城主さ。土浦城の隣なんでね。昔から諍いが絶えんのよ」
「兵数は約2000、楽勝だろう。ま、肩の力抜いて行ってこい、氏幹」
「ところがどっこい、常陸国水戸城主の江戸通政まで動き出した。大掾家と連合してるみたいでさ」
今回の攻勢は大掾貞国単独ではない。常陸国水戸城主の江戸通政も加わっている。この江戸家も南方三十三館の一つである。
「大掾家と江戸家が連合って。……アイツらは宿敵同士だろ?何でだ?」
「さあ?誰かから何かの取引を持ち掛けられたとか?」
「「……北条家か」」
「そうだろうね。さしあたっては大掾家には『霞ヶ浦』の利権、江戸家には対佐竹家の支援ってとこかな。……どっちも氏康くんには無理なんだけどねえ」
「すげぇ口約束じゃねぇか」
府中城大掾家と水戸城江戸家は共に霞ヶ浦で水運を営む者達だ。つまり大掾家と江戸家は霞ヶ浦で隣同士なので毎日の様に
だから政貞は両者が力を合わせる様な取引があったのではないかと推測した。久幹と氏幹は北条家だなと答えに辿り着く。
「それでも両者合わせて4000だ。小田家は8000人も動員出来るんだから負けんだろ」
「で、凶報がもう一つ」
「まだあんの!?」
そう、まだ凶報がある。しかもとびきりのヤツだ。相手よりも倍の兵数を揃えても、その有利が吹っ飛ぶ程の凶報。
「氏治ちゃんが出陣する気満々なんだよね」
「流石に止めろよ。3000率いて300に負けてくる娘だぞ」
「そうなんだけどさ、止めても無駄っぽいからさ」
「お前が諦めるなよ!」
「ま、頼付けとくから大丈夫でしょ」
頼というのは土浦城主・菅谷政頼の事で菅谷政貞の養子である。養父である菅谷政貞が小田城に務める為、菅谷政頼が土浦城主を継承した。勇猛な若者なので、何としても氏治を守ってくれるだろう。
「そんで?アンタは何しに来たんだ?俺達、真壁衆に百戦必敗の主に付いて行けってか?」
「いんや、オレと別の場所に来てもらうよ」
政貞は真壁衆を本隊に合流させる気はなかった。この戦いはいろいろと混み合った事情が絡む。小田家vs大掾家&江戸家だけでは済まない。政貞は難しい舵取りを行う為にも真壁衆を手駒として持ちたいのである。
「考えたんだけどさ。大掾貞国と江戸通政の両方を相手にするのはツライんだよね。やり過ぎると佐竹殿が出て来るかもだし」
「まあ、江戸家は佐竹家の従属傘下だしな。江戸通政は不満タラタラだが」
「なので合流前に大掾貞国を叩こうかとね。江戸通政には何もせずに帰ってもらおう」
最も問題となるのが常陸国北部を中心に広く領地を持つ佐竹家だ。当代は英主と名高い佐竹義昭。江戸家は佐竹家の従属傘下なので、江戸家と戦うと佐竹家まで出てきかねない。という訳で、大掾家を先に撃破して江戸家は合流前に帰ってもらう算段だ。
「府中城を攻略するのか?」
「いや、そんな時間は無いから誘き出す」
「どうやって誘き出すんだ?何か策でもあんのかよ?」
「無いよ。でも大掾貞国はきっと出て来るさ。何しろ、小田軍を率いるのは氏治ちゃんだからね」
大掾貞国が出てくると言い切る菅谷政貞の根拠は、氏治の戦歴の凄まじさである。
家督を継いだばかりの氏治に対し結城家が北条家と連合して侵攻。結果は結城・北条連合軍がビックリするくらいの圧勝。小田城は陥落した。
その翌年、佐竹義昭と戦争。結果は佐竹軍がビックリするくらいの圧勝。小田城は陥落した。
その翌年、真壁久幹と戦争。結果は真壁軍がビックリするくらいの圧勝。小田城は陥落した。
で、最近、水谷正村と戦争。結果は水谷軍がビックリするくらいの圧勝。小田城は陥落した。
因みに菅谷政貞が全部取り返した。
「……それ、主君を餌にしてるんじゃ」
「しょうがないじゃん、止めても行くって言うんだもん」
「んな、子供みてぇに拗ねられてもな」
主君を囮にしていると真壁氏幹から指摘されるも、政貞は拗ねた子供の様に反論する。既に軍勢は動き出しているので止められないのだ。
「しかし、とうとう北条家が動いたか。なら大掾貞国はさっさと片付けて備えないとな」
「う〜ん、何かおかしいんだよね」
「何がだ、政?」
「今、北条家が動く道理が無い」
「道理?」
「俺が氏康くんなら越後をどうにかしてから動くよ。今、迂闊に動くと景虎殿が走って来かねない」
「なるほど。まあ、そうだよな、普通」
真壁久幹は北条家が動き出した事に腕をポキポキ鳴らして意気込む。久し振りの大戦になりそうだ、と。しかし菅谷政貞は首を捻っておかしいと言う。彼が言うには北条氏康が動くには越後国の上杉家を封じなくてはならない。
(やはりそういう事なのかい、氏康くん。この冬に一切動かなかったのは)
だが菅谷政貞は北条氏康が動かない理由に心当たりがある。予想の様なものだが、外れてはいないと思っている。
「政さんよ、一つだけ教えてくんねぇか」
「ん、何だい?」
「何で俺を海老ヶ島城主にした?何で海老ヶ島を真壁の物にした?」
真壁氏幹は例の件を聞く事にした。自分を海老ヶ島城主に推薦した本人が目の前にいるのだ、直截に聞いた方が早い。あーだこーだと、自分達だけで悩むより100倍マシな筈だ。
「あれ?要らなかった?」
「いや、そんな事はないぞ、政。氏幹、変な事を言うなよ」
「いいや、俺は納得しないね。こんなに儲かる場所をただで明け渡すなんて有り得ねぇ」
菅谷政貞は惚けた返事をしてくるが、氏幹は逃さない。彼の直感が訴えてくるのだ、この機を逃すなと。何も知らずに利用されてたまるか!という、彼の誇り高さも出ている。
彼を見た政貞はニンマリと笑顔で語り出す。
「だよねえ。儲かるでしょ、海老ヶ島。でも何で儲かるんだい?」
「考えるまでもねぇよ。川だ、桜川の物流で儲かってんだ」
「正解。『桜川川並衆』の物流で儲かるのさ」
『桜川川並衆』は桜川で荷物の運搬を手掛ける者達の総称である。
川舟が使える場所なら必ず川並衆が居ると言ってよい。特に関東は東山道と東海道しか大きな道は存在しない。東山道は上野国と下野国しか通らないし、東海道は駿河国から鎌倉までしか延びてない。だから、それ以外の地域では川舟が物流を担っているのである。
「物流ってのは物が遠くに運ばれて利益を産む。そこに有るだけじゃ決して儲からない。海老ヶ島は桜川水運の始点と言ってもいい。下野国や北常陸の財が海老ヶ島に集まり桜川を通り霞ヶ浦へと抜ける訳だね」
この桜川の物流で北関東の1/4くらいを担っていると言っていい。北関東には他に利根川や小貝川などがあり、利根川が北関東物流の王者と言える。東山道などほぼ機能してないので、利根川川並衆の存在感は圧倒的である。
利根川の物流を巡っては遥か昔から諍いが絶えない。現在でも諍いが続いているくらいだ。それと同じ様に桜川の物流でもやはり諍いがある。
「ウチが大掾家と諍いを起こしているのも、この『桜川水運利権』の問題があるからだ。桜川から霞ヶ浦に流れる財を大掾貞国は仕切りたいのさ」
霞ヶ浦には『南方三十三館』という勢力が居る……訳ではない。ただ霞ヶ浦に居る水軍の総称が南方三十三館であまり連合はしていない。霞ヶ浦を中心として大きな勢力は西に大掾貞国、北に江戸通政、南に島崎安定、東に鹿島治時となっている。
「そりゃ分かったが、それと海老ヶ島城主と何の関係があるんだ?」
「要は海老ヶ島単体では儲からないって事かな。では海老ヶ島の儲けを維持する為に必要なのは?」
「そりゃあ、桜川……だろ?」
「それ、誰の領地?」
「……全部、小田家じゃねぇか」
「そりゃそうよ。小田家は桜川沿いに領地を持つ『桜川水運利権』を手中に収めている武家なんだから。じゃなきゃ、こんな守り難い三日月形の領地はしてないよ」
小田家の領地は茨城県南西部に三日月状に広がっている。細長い領地は防衛にまったく向いていないのだが、その形になっている理由が『桜川沿い』なのである。つまり小田家は桜川を管理する武家であり、桜川川並衆の利権を一手に握っているのだ。大掾貞国が戦争を仕掛けてくる理由でもある。
「そうか、そういう事か!」
「分かったのか、親父!」
「政、お前、真壁を小田家から離れられなくしやがったな!」
「大正解〜。離れたら海老ヶ島の収益は激減すると思ってくれ」
真壁久幹は気付いた。桜川から揚がる収益は『小田家が操作出来る』のだと。つまり真壁家が再び小田家と反目すれば、桜川からの収益が激減するという意味だ。菅谷政貞も正解に辿り着いた久幹を褒め称える。既に手遅れだが。
「お、おい親父!やべぇのに嵌ってねぇか?」
「か、勝てばいいんだ。それなら離れる必要もない」
「そういう事。役に立ってもらうよ、勝つ為にさ」
「お、応!こうなったら、やってやろうじゃねぇか!」
こうして真壁氏幹はこの上なく気合いを入れた。上げてしまった家臣達の給料を維持する為に。そう、真壁家は既に海老ヶ島の収益無しに家を保つ事が出来なくなっていた。
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【あとがき】
那須資胤さん「貴様ぁ、主君を囮に使うとは何事だ!?死にかけたぞ!!」
大関高増さん「勝ったんだからいいじゃねーか!生きてんだから文句言うなや!!」
こんな感じの争いを秀吉さんが関東に来るまで延々と続けていたのが那須家。那須家は『親北条家』らしいのですが、周りから侵略してくる大名家が『反北条家』なだけに見えますニャー。因みに秀吉さんが来るまで、侵略者は単独で撃退し続けた模様。
桜川川並衆というのはべくのすけが勝手に居ると仮定している集団ですニャー。しかし居ないと小田家の領地の形に説明がつかないのですニャー。そしてべくのすけは海老ヶ島が水運の始点であると仮定しました。これは地形から読んだ時に川舟を使うには海老ヶ島からでないと水量が足らないと見たからです。桜川は桜川市真壁町にも流れていますが使い物にならない、だから真壁家は海老ヶ島を欲しがっている。としました。
しかし『川の質』『水量』は地図からでは正確に分かりません。水量は多いのか少ないのか?川幅は広いのか狭いのか?流れは速いのか遅いのか?そこでべくのすけは自分の目で見に行きましたニャー。真壁町の桜川は川幅は狭く、流れは速く、ゴツゴツとした岩が水面から出ていました。これでは川舟は使えない。海老ヶ島の南まで行くと桜川には他の川が合流するので川幅は広く、流れもゆったり、水量も十分でした。という事で、桜川水運の始点は海老ヶ島であろうと予測しておりますニャー。
真壁町の桜川にはゴツゴツとした岩がたくさん有りましたので、真壁町は石材で有名な町ではないのだろうか、と思いましたニャー。そして桜川を支配していた小田家はかなりの富豪大名であったと見ますニャー。
有給休暇を使って12時間走行+仮眠2時間で走破しましたニャー。行った先でいろいろなお土産を買いながらゆっくり帰りました。土浦城址、関宿城址、唐沢山城址なども見て回り、かなり有意義で御座いました。関宿城の立地はかなりの堅城であると知りましたニャー。
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