閑話 豪族達の挽歌(エレジー)

 秋の忙しさに追われる織田家。その忙しさは傘下豪族も例外ではなく、池田家与力の豪族は集って会合を開いた。主な目的は秋の収穫作業の進捗報告と遅れている領地の支援である。

 ……という名目で集まって談笑しているだけである。仲の良い、歳の若い当主のみが集まっていた。メンバーは岸家当主・岸勘解由信房27歳、佐藤家当主・佐藤紀伊守忠康21歳、肥田家当主・肥田玄蕃允忠政15歳、遠藤家当主・遠藤六郎左衛門慶隆15歳となっている。

 というのも、彼等にも恒興から回転式扱き箸が幾台か渡されているので例年よりも格段に早く終わりそうだった。そのため歳の近い豪族当主の談笑会でしかなかった。

 ただその中で一人、談笑もせず仏頂面で座っている者がいた。いつもなら誰よりも明るく話したがりのはずなのにと、佐藤紀伊は怪訝に思う。岸勘解由と遠藤慶隆も少し居辛いと感じてきてる様で口数が少なくなっている。

 ここは自分が切り出さないとダメだなと紀伊は思う。勘解由より歳が近く、慶隆より仲が良い自分が。おそらくだが玄蕃は何かを愚痴りたいのだ、紀伊はその様に推測している。あとは切っ掛けなんだろうと。


「どうしたんだよ、玄蕃ちゃん。今日はえらく不機嫌だな」


「別にー。そういえばさー、聞いたー?」


「何をだよ?」


 相変わらず不機嫌な玄蕃だが紀伊に促され喋り始めた。


「最近、小作人の逃亡が相次いでるって話よ」


「ええ、聞き及んでいますが」


 玄蕃が出してきた話題は最近頻繁に起こっている小作人の逃亡。正に恒興が推し進めている事ではあるが、公表まではされていない。なので何となく小作人の逃亡が多くなっている程度が知れてきたところだ。

 その話題を玄蕃が出してきたという事は、彼女の不機嫌の元は小作人の逃亡だろうか?だがそれは変な話だなと紀伊は思いつつ彼女の話を聞いていく。


「どうもねー、逃げた小作人は犬山に匿われてるみたいなの」


「ふむ、義兄上の所にか。それで?それの何が気になるのだ?」


 慶隆も何がそんなに気になるのか分からないようだ。もちろん紀伊も勘解由も分からない。小作人が犬山に逃げて何がマズイのかが理解出来ないのだ。

 自分の領地に逃げてきたというなら、厄介な問題が出てくる。国人の追っ手が来て暴れる可能性や引き渡しを要求してきて面倒事になる時があるからだ。

 ただ恒興はそんな要求を受ける事はない。それくらい大きな勢力を持っているし、もし領地で暴れようものなら、それを口実に潰しに行くつもりである。今のところ、恒興の軍事力を恐れてか、抗議してくる者は皆無である。

 だからこそ分からない、犬山に騒乱の気配は無い。その上、玄蕃にとっては他領の事だ。

 という事は思い当たるのは一つしかないと思って紀伊は聞いてみる。


「あれか?玄蕃ちゃんの所の小作人が逃げたのか?」


「私じゃないわよ。ウチに小作人なんていないわ。たしか……お爺ちゃんの代で止めたはずよ」


 紀伊の予想はハズレだった。となれば何がそんなに気になるのか、何でそんなに不機嫌なのか本当に分からなくなってきた。


「そっか。そういえば俺の所も爺さんが止めたんだっけか。勘解由の所は?」


「私の家は初代が父なので最初からいません。隠田村なんて無意味でしょう」


「だよねー」


 そう、彼等にとって隠田村は無意味な代物なのである。昔であれば彼等の家でも隠田村を経営していたが、意味を無くし祖父の代あたりで経営を止めた。現在は普通の村となっており、その当時居た小作人はただの農民となっている。

 なので彼等自身、小作人を所有してないので気にする必要はないはずである。


「そうなのか?私は遠藤家当主になって日が浅いからよく分からんのだが」


 そういえば遠藤家も小作人を所有してないなと慶隆は思い出す。彼の父親である遠藤盛数の代で止めていた。ただ理由は知らないので聞いてみる事にした。


「もう、しょうがないなー、慶隆くんは。じゃあ、お姉さんが優しく教えてあげるね」


「?……同い年のはずだが?というか、生まれ月は私の方が早……」


「教わる立場がそういう事気にしないの!」


「大人振りたいのですよ」


「ガキだな」


「そこの二人、うるさーい!」


 話している内に機嫌が治ったのか、玄蕃がいつの間にか明るくなっていた。そして歳上振って説明しようとするが、周りから総ツッコミを受ける破目になる。


「コホン、私達が隠田村を持っていても無意味なのは豪族だからよ」


「それが答えなのか?解答になっていないような」


「それじゃ説明不足だぜ、玄蕃ちゃん。まあ簡単さ、俺達は誰にも税金を払ってないからだ」


「そういう事。私達の領地の年貢はぜーんぶ私達のものだもん」


 そう、彼等は『独立豪族』なのである。規模さえ大きくなれば大名とも呼ばれる存在なのだ。つまり領地は完全に自分の物であり、別に織田家に対して税金を納めている訳ではない。

 だから斎藤龍興は中央集権化を進めていたのだ。美濃の大半は独立豪族の領地になっているため、斎藤家の領地は僅かで税収が少なかった。なので財政が厳しく立て直しも兼ねての事だった。この独立豪族を家臣化して、税収を増やそうとしていたのだ。


「なるほどな。読めたぞ、それで止めた時期まで一緒なのか」


「鋭いですね。そう、止めたのは我々の祖父の代、即ち土岐家の失脚です。この時に佐藤家と肥田家は土岐家臣から独立豪族になり、その後に岸家が分家として独立したという事です。だから岸家には最初から隠田村が無いんです。独立してますからね」


 隠田村とは上司に対して税金を誤魔化し自分の懐に入れるために作られる。だが独立豪族は税金を払う上司が存在しないため、隠田村自体が無意味となる。独立豪族にとっては農村も隠田村も変わらないからだ。

 ならば小作人を買ってくるのも面倒。彼等を農民に戻して過剰な搾取を止め、長期的に年貢を納めさせる方が得だと肥田家と佐藤家の先々代は考えたのだ。

 そしてそのタイミングが斎藤道三の下剋上及び土岐家の失脚に重なっているのだ。ここで彼等が土岐家臣から独立豪族になったからで、斎藤家は彼等を支配出来ていた訳ではない。

 そう、戦国梟雄の一人である斎藤道三とは実は美濃豪族連合の盟主なのである。この形は北近江浅井家と大して違わないのだ。

 こう言ってしまうと大半の大名が豪族連合ではないかと思われるかも知れない。

 だが織田家は明確に違う。織田信長は尾張においてはこの独立豪族を使わなかった。しかしそれだと兵数が揃わないので、恒興の様な家臣の与力に付けて支配するという軍政を敷いた。なので信長を支えているのはあくまで家臣であり、独立豪族は家臣の下にいるのである。大名としての強固な支配体制が出来ていると言える。例外としては木下秀吉が取り込みに失敗した西濃豪族くらいか。

 この他に大名としての強固な支配体制と言えるのは、豪族に養子や嫁を出して一門化していく事になるだろう。


「羨ましい話だ。遠藤家も隠田村は既に無いが、家臣の中には持っている者がまだ多い。困ったものだ」


「それよ、それ。ウチの家臣の一人がさ、隠田村を持っていたのよ。それで『犬山に小作人が逃げ込んでいる。厳重に注意してほしい』なんて宣ってきたのよ!」


「ああ、それで来たときから機嫌悪かったのか」


「当然じゃない!それって肥田家に対して脱税してるって事でしょ。バカにしてんのって話よ」


 玄蕃の不機嫌の元は肥田家臣が隠田村を持っていた事なのだ。隠田とは支配者に対して隠れた田畑を作って脱税する事、即ち肥田玄蕃に対して脱税を行っていたのだ。

 更には小作人に逃げられた事を堂々と報告し、それを匿う恒興に玄蕃から物申せと言ってきたのだ。おそらく自分では言えないので、玄蕃に言って貰おうという事なのだろう。

 それを聞いた玄蕃は怒ると共に呆れ果てた。で、その怒りがここまで続いていたのだ。


「それくらい常態化しているという事ですね。それでその家臣はどうしました?」


「追放した。もう頭に来て」


「ま、妥当だろ」


 この隠田村が常態化してしまった原因は幾つかある。

 その最初の一つこそ、かの有名な『墾田永年私財法』。これは新規に開墾した土地は自分の物にしても良いというもの。開墾した土地を100%自分の物に出来るため、人々は気合いを入れて取り組み、新田開発は恐ろしいスピードで進んでいった。

 これは満を持して出された法ではない。財政難に苦しむ朝廷が進まぬ新田開発に業を煮やし、半ばヤケクソ気味に出したモノであった。

 たしかにこの法で日の本の新田開発は一気に進んだが、それと同時に土地の私物化による貧富の格差と慢性的な人手不足を生み出した。農地は有るのに管理出来る人がいないという現象が起こってしまったのだ。

 では管理しきれない田畑をどうするのか?戦争捕虜をもってくるのだ。戦争捕虜なら朝廷に逆らった罪人なので遠慮なく使える訳だ。

 このため大量の蝦夷えみし(現在の東北地方)の人々が捕らえられ、新田開発が進む関東へと送られた。特に房総半島には沢山の蝦夷が送られたので、かの地は流刑地と認識されたのだ。

 蝦夷と呼ばれる人々には国は無い。彼等は集落単位で生活しているので纏まりは無かった。あくまで蝦夷というのは朝廷が東北に住む人々をザックリ呼称していただけで自分達で名乗っていた訳ではない。蝦夷は近隣で殺し合いもやっていたため、お互いの同胞意識が低く奴隷としてはうってつけであった。

 だが奴隷にされた蝦夷も2世3世となると状況が変わってくる。使われる立場である彼等は何故、自分達の国が無いのか考える様になる。そして以前はあったお互いの仲の悪さも薄くなり、奴隷という同じ境遇の中で団結し始める。つまりナショナリズムが産まれたのである。

 この蝦夷の人々が独立を望んで『平将門の乱』に繋がったとも言われている。故に現地民(蝦夷の子孫)が平将門と伯父の平国香の対立を煽った説もある。

 だが、東北も平定されるとまた人手不足の問題が出てくる。平安期ではそこまで大した戦争もなく、戦争捕虜を大量に獲得する事は出来なかったからだ。

 そこに鎌倉幕府が出した人身売買法が絡み、『小作人』という暗黙の制度が出来上がる。その後、人身売買法は撤廃されるも、一度味をしめてしまった豪族や大富農、人買い商人が止める事はなかった。更に税金を払う者にとっては都合の良い脱税方法なので、需要は高まり続けていった。それが今まで延々と続き、勝手に常識化していったのである。

 余談ではあるが、この墾田永年私財法は武士の発生の元でもある。まず新田開発と言っても京の都からは離れた未開拓地域である。当然、治安など有る訳がない。そのため開拓者は武装し、奪いに来る者を力で排除しなければならなかった。これが地域に根付いて豪族となっていったのである。

 そして墾田永年私財法の盲点がある。これで朝廷の財政難がどうにかなる訳がないという事だ。……いや、何故それが予想出来ないのか不思議だが。収入は開拓者の物なのだから、朝廷には一銭も入らないのだ。なので朝廷は後付けで税金を取り立て始める。謂わば、後出しジャンケンをしてしまったのである。

 しかも年月を経る毎に朝廷は金食い虫と化していったので、何かと税を課しては京の都に持って行く。平安後期には搾取の域に達していった。そして現地豪族はこう考える様になる、「俺達が血と汗を流して作り上げた物を、なんで何もしてない中央の連中に奪われなきゃならんのだ」と。この様に地方では不満が蓄積し源頼朝による武家政権の誕生を導いてしまうのである。

 この墾田永年私財法から始まる諸問題は現在に至っても尾を引いている。


「独立豪族だから隠田村が要らなくなったという事か」


「まあねー。でも領地からだって絞り取ってる訳じゃないけどね。信長様から六公四民をなるべく守るようにって言われてるし」


「我々、独立豪族は信長様の言う事を聞かなければならない訳ではなかろう?領地経営の裁量権は我々にある」


 いくら織田信長と言えども傘下の大名や豪族に命令を徹底出来る訳ではない。家臣であれば幾らか無茶な命令も出来る。恒興は特に。

 だが傘下の大名や豪族はあくまで傘下なのだ。戦の命令が出たところで拒否すら出来る。一応、戦は功名の場であり、稼ぎ所でもあるので二心が無い限りは来るだろう。

 そして領地の経営権も完全に彼等が持っているため、信長と言えど理由の無い口出しは難しいのだ。

 慶隆はこの事を言っている。


「そうだが、無視するとバカに出来ない被害が出ると思うぞ」


「ん?」


「我々は信長様のお達しを守る事で優遇措置を貰ってますからね。守らずに好き勝手やってると、最悪の場合、商人の撤退とかされるかも知れませんよ」


「それよね、あの金銭収入はもう手放せない」


 商人の撤退を想像した玄蕃は青ざめて首を振る。関銭などよりずっと高額な場所代を受け取っている彼等はもうそれが無い生活は考えられなかった。

 商人の撤退の影響はそれだけには止まらない。物流の停止、物資不足による物価高騰など領民の生活もかなり厳しくなる。こうなると必ず強訴一揆が起きる。

 つまり信長に睨まれて良い事など何もない。寧ろ、今の生活に慣れてしまったので、昔の暮らしに後退する事が何よりも恐いのだ。


「そうか、私も気を付けねばな。今、津島会合衆に手を引かれるのは困る」


「何か気になる事でも?」


「いや、遠藤家の領地は奥美濃、つまり山間部なのでな。昔から家臣の中に隠田村を作っている者が多いのだ。今更、摘発しても反感しか買わないだろうな」


 隠田村は隠している田畑なのだから、なるべく人目に付かない場所に作る。そのため山間部が主な領地となる遠藤家には家臣が経営している隠田村が多数存在している。

 これはかなり昔からの話なので今更摘発したところで反抗されるだろう。それこそ「先代は何も言わなかったのに慶隆の代になって手を出してきた。ヤツは当主に相応しくない」と言って団結する恐れもある。それに慶隆には遠藤胤俊という対抗馬がいるので尚更だ。


「そりゃ、困った事だな。だが信長様に睨まれる前に何とかしといた方がいいんじゃないか」


「池田殿に相談してみては?義兄なのですし」


「……それだ」


「何がそれなの?」


 悩む慶隆に勘解由が恒興に相談するようにと助言する。それを聞いた慶隆ははっと気が付いた。


「隠田村の小作人をわざと犬山に逃がすのだ。秘密裏にな。これなら家臣も文句は言えないだろう、有るなら義兄上に言えで済む。それに場所くらいは既に把握している」


「うわー、えげつなー」


「ですが良い手ですね」


「似た者兄弟ここにあり、だな」


 慶隆が考えたのは、恒興の元に小作人を逃がすという事だった。恒興は無制限で小作人を受け入れているので、そこに奥美濃の小作人が増えても問題はない。隠田村の存在箇所くらいは先代の頃から把握している、ただ見て見ぬ振りをしていただけだ。

 この小作人達を秘密裏に逃がせばいい。案内役を潜入させて犬山に連れて行けばいい。途中にある砦などはサボタージュさせたり、別の任務を与えて忙しくしてしまえばいいのだ。慶隆にはその権限がある。

 小作人は勝手に犬山に逃げたのだから、慶隆に責任は無い。そして隠田村と小作人の存在は秘密であるため、家臣も慶隆に連れ戻しの交渉をしてこいなどとは言えないはずだ。……玄蕃に言ってきた愚か者はいたようだが。


「商人の撤退など冗談ではない。特に今は天王寺屋助五郎殿と新しい特産品開発をしているのだからな」


「特産品?何の!?」


 特産品と聞いて玄蕃が食い付く。

 特産品とは名の通り地域で特別に作られる品。基本的に独占販売になるため、収益力がある。つまり特産品が新たに開発出来ればかなり儲かるのだ。


「ふふふ、我が奥美濃では養蜂が盛んなのは知っているか?」


「昔からそうだろ」


 養蜂の歴史は古く、日本書紀で既に登場している。故に生産地は数多く大体山に近い場所なら養蜂をやっている。甲斐、信濃、伊勢、飛騨などでも盛んで養蜂自体珍しい訳ではない。


「実は助五郎殿が南蛮人から『蜂蜜酒』なるものの作り方を聞いてきたそうでな。我が領で開発に取り組んでいるのだよ」


 慶隆が天王寺屋助五郎と開発に取り組んでいるのは『蜂蜜酒』(ミード)である。この作り方を助五郎が南蛮人から聞いて遠藤家に製作を依頼したのだ。

 この蜂蜜酒の歴史は……なんと旧石器時代である。いやそんな時代の記録があるのかなど、ツッコミどころは満載ではあるだが。

 蜂蜜は水と合わさると勝手に発酵して酒になるため、落ちた蜂の巣に雨水が溜まれば勝手に出来る。だから旧石器時代には有るんじゃないの?という事らしい。故に蜂蜜酒は世界最古の酒とも言われている。かなりアバウトだと言わざるを得ない。


「蜂蜜酒……、美味しいの?聞くからに美味しそうだけど」


「まだ試作段階ではあるが良い味だ。あれは売れるに違いない。その販売も天王寺屋でやって貰うのだ。信長様に睨まれて商人の撤退などもっての他という訳だ」


「さりとて、家臣の隠田村を暴いて家中に不隠の種を撒きたくないと」


「で、ちょうどいいから池田殿を利用すると。いい性格してるぜ」


「何とでも言うがいい。せっかく掴んだ儲け話を手放せるものか」


 慶隆にとってこの蜂蜜酒の開発は一大事業であった。そのためには義兄である恒興を利用する事も厭わない。

 3人とも好き放題に言ってくるが慶隆は気にもしなかった。まあ、彼等も茶化しているだけで反対はしていない。

 どちらにせよ小作人は犬山に逃げ、恒興は受け入れるのだから。


「いいなー。ウチも儲かる特産品が欲しいなー」


「有るじゃないか。『玄蕃ちゃん』が」


「私を出荷しないでよ!」


「肥田家だけでなく、他の地域でもファンを獲得するという事では?」


「あ、それはいい考えね。計画してみよ」


 紀伊と勘解由の意見を聞いた玄蕃は、帰ったら家老の肥田兵内に相談しようと思った。


 彼等は豪族、げに欲深き者達である。


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【あとがき】

小作人と隠田村についての説明閑話となりますニャー。


べ「墾田永年私財法の不備に気付いて最初に止めようとしたのは悪人として有名な『道鏡』さんだよ」

恒「天皇位を簒奪しようとした、あの?とんでもない奴だと認識してたけどニャー」

べ「そのへんは分からないけどね。でも墾田永年私財法を止めるのに大反対したのが藤原氏だ。何故なら墾田永年私財法があれば領地(荘園)増やし放題だからね。だから道鏡失脚後、墾田永年私財法は元に戻された」

恒「おい、藤原」

べ「一側面ではあるけど、道鏡さんは太政大臣として朝廷の財政健全化に取り組んでいたという事だね」

恒「単純に悪人とされてる人もよくよく調べると意外な事が分かるニャー」

べ「それも歴史の醍醐味だよ」

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