美代と千代と藤と

「ふう、これで良しっと」


 美代は井戸から水を汲んで台所の瓶に入れていく。

 これは一往復程度では終わらない。

 彼女は朝早くから何度も往復し台所の瓶を満たしていった。

 だが早朝に出勤してきた従者の女房がこれに気付き、美代を制止した。


「美代様、お止め下さいまし!その様な事、私共がやる事でございます!」


「で、でも私、出来る事少ないですから」


「美代様は池田家御正室、水汲みなど為さってはなりません」


「は、はい。すみません」


 美代は叱られた子供の様に俯いて、小走りでその場を立ち去る。

 女房も言い過ぎたと思い止めようとするも、掛ける言葉が見付からずそのまま見送ってしまった。


「どないしたん?」


「あ、お藤様。実は・・・」


 表の喧騒を聞きつけて藤が顔を出し、従者の女房に事情を尋ねる。

 池田家は名家ではない、殆ど池田恒興一人で立身したと言える家だ。

 なので昔は池田庄という小さな領地で一緒に頑張っていたこともあり、従者の家族は池田家にとって近しい存在だと言える。

 藤も1年前、池田家がまだ小さい頃から来て馴染んでいたので、自然と台所や女中を仕切る様になっていた。

 そこには藤の天性の才能というべき『人使いの上手さ』がある。

 大商家の娘として生まれた彼女は他人の能力を見て上手く無理なく仕事を分配する能力が高い。

 結果として藤は女中達の頼れる上司としての地位を確立していた。

 そして女房は藤に事の仔細を報告する。


「少し言い過ぎてしまったでしょうか」


「うーん、美代様は今、自分の居場所を探しとる感じやろなぁ。分かったわ、うちから旦那様に伝えとくで。気にせんでええよ」


「あ、はい、お任せします」


 これは少し自分にも責任があるなと藤は思った。

 それは自分がやっている事は本来美代がやることなのだ。

 だが来たばかりの美代で女中の管理は難しいし、女中達も何かあれば直ぐに藤を頼ってしまう。

 そのため正室としての居場所が確立出来ず、出来る事は何でもやって空回りしている様だった。


(マズイなぁ、時間が解決するかと思うてたんやけど)


 藤は思惑を外れて追い詰められている感じの美代を心配していた。

 なので恒興に手を打って貰おうと報告に行った。


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「美代、ちょっといいかニャー?」


「あ、はい、どうぞ」


 返事を貰って恒興は美代の部屋に入る。

 すると部屋に飾られている色彩豊かな物に恒興は目を奪われた。

 それは大衣桁おおいこうに架けられた絹製の着物だった。

 赤い花弁はなびらと緑の松を背景に無数の白い鶴が舞うという見事な染付けであった。

 絵柄も見事な上に染め物の色艶も素晴らしく高級品だと一目で判る逸品である。


「おお、これは見事だニャー」


「はい、これは『西陣』の着物なんですよ。父が私に遺してくれた物なんです」


 西陣織とは応仁の乱で西軍の総大将『山名宗全』が本陣を置いた事に因んで名付けられた絹織物である。

 その応仁の乱の後に職人が京の都に戻り、足利将軍家の後援を受け京都での絹織物の生産を独占。

 結果として『西陣』のブランドが確立されたという。

 これに対して隣に飾られている恒興が祝言に際し美代に贈った着物は少し大味な柄物だった。

 そもそも恒興は着物はあまり詳しくなく、加藤図書助に任せた結果、関東産の絹織物となった。

 まあ、絹織物自体が高級品なので悪いという訳ではないが。

 詳しくは聞いていないが上総国か下野国の産物だろう、あの辺は古来から絹の産地として有名だ。

 特に下野国足利の絹織物は有名だ、何しろ足利将軍家の躍進の源となっていたのだから。

 だがこの足利の絹織物こそが今日の足利将軍家の弱さに直結する。

 絹織物が儲かりすぎて他の領地を必要とせず、御連枝と呼ばれるようになる一族に殆どを分配してしまったからだ。

 この流れは足利家2代目義兼(足利尊氏の6代前)から始まっている。

 そのため足利尊氏の頃には既に御連枝の同意無くして戦など出来ない状態になっていた。

 それでも彼らには北条得宗家という巨大な敵がいたので団結出来た訳だ。

 だが北条得宗家を倒し南朝という敵もいなくなって御連枝は増長、足利4代目将軍義持の頃には制御不能になっていた。

 義持は次期将軍を指名せず「どうせお前らが勝手に決めるでしょ、好きにしたらいいじゃん」と吐き捨て亡くなった。

 困った御連枝達はしょうがなく後継者をくじ引きで決めたのである。

 結果就任したのが足利6代目将軍義教、通称『くじ引き将軍』と呼ばれ頑張りすぎたが故に暗殺された可哀想な人である。(5代目義量は父・義持より早世)

 そしてその息子・足利8代目将軍義政は父の様に暗殺されるのを恐れ、御連枝や有力大名の前に発言を二転三転させ応仁の乱を招いた。

 恒興はこの京の都産と関東産の絹織物に奇妙な縁を感じてしまった。


「それで何かご用でしょうか?」


「うん、あー、その、ニャんだ、お前が最近頑張りすぎている様に見えてニャ」


「い、いいえ、私なんかお藤さんと比べればまだまだ働きが足りませんから」


 美代は首を大仰に振って否定する。

 彼女は藤より働けていない自分に不満がある様だった。


(ヤ、ヤバイニャー。お藤の事が完璧に劣等感コンプレックスになってるじゃニャいか。別にお藤に勝つ必要なんか何処にも無いのに。こりゃ一度ゆっくり休ませるべきだニャー)


 美代は豪族の娘なので姫様然とした生活はしていない。

 なので家庭菜園をやって漬物などの保存食を作ったり、布を縫ったり、弟妹の世話を焼いたりが殆どだろう。

 対して藤は大商家の娘ではあるが幼い頃から丁稚達と共にビラ配り、宣伝、呼び込み、対面販売などで稼業を手伝っており色々な経験を積んでいる。

 特に彼女は一回見た顔は忘れない、お客の顔を忘れないという商人の重要スキルである。

 このため女中達の顔と名前をあっという間に覚えてしまい信頼を得るのに大した時間は掛からなかった。

 顔と名前を覚えていれば「この人は自分の事を見てくれている」と女中達も感じるからだ。

 上司が部下の名前と顔を覚えてない事程失礼な事は無い。

 更に藤は実家で丁稚や使用人を使いこなしていた程に指揮能力が高い。

 実務能力が高いのはどちらだと尋ねるまでもない。


「とにかくニャ、一度ゆっくり休め」


「で、ですが・・・」


「これは当主命令だ。護衛連れて城下町でも見てくるといいニャ。多少の買い物ならしてきてもいいから」


「は、はあ」


(・・・大丈夫かニャー、これ)


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 美代は暫くしてから池田邸を出た。

 誰にも告げず護衛も付けずに一人で出たのである。

 美代は少し一人になりたかった。


(どうしたらいいのかな、私)


 人知れず木曽川の側にまで歩いてきた事に気付いて、川の流れをじっと見つめる。

 恒興は強引ではなく気遣ってくれる方なので良いと思う。

 義母となった養徳院も色々と教えてくれる頼れる存在でもあり優しい人だ。

 栄は姫様然としていて物事をハッキリ口に出すが、気配りには長けており美代の事も心配している様だ。

 藤はおおよそ何でも出来る人、気さくで人付き合いが上手く何でもテキパキとこなす。

 美代は藤こそ池田家正室に相応しい能力があると思った。

 それに比べて自分には正室としての肩書き以外は何も無いように感じた。

 だから出来る事は何でもやって認めて欲しかったのだ。

 だが美代自身が自分の働きは藤に全く及ばないと自覚していた。

 最近は養徳院や栄から心配される様になり、更には恒興からも心配される様になった。

 この時、美代が抱いた感情は『惨め』だった。

 だから一人になりたかったのである。


「お姉ちゃん!」


「え?千代!?」


 聞き慣れた声に振り向いた美代が見たのは、襤褸ボロを身に纏った千代であった。

 最後に会った一月前と違い、肌はカサカサで痩せ細っていた。

 そして長かったはずの髪まで短くなっていて、髪型は『おかっぱ』になっていた。

 本当に千代なのかと疑う程の豹変振りだった。


「会いたかったよー!」


「千代、どうしてここに!?郡上八幡に帰ったはずじゃなかったの、それにその格好・・・」


「実は・・・」


 美代は千代から犬山に来た経緯を聞く。

 それによれば美代の祝言の後、山内一豊が現れたため千代が嫁になったとの事。

 一豊は犬山の近くの川並衆で働いているので、千代も犬山に来たのである。


「何て事、慶隆は一体何を考えているのですか!千代、大丈夫なの?ちゃんと食べているの?」


「お姉ちゃん、それがね・・・」


 犬山に来てからも一豊は山内家の家臣達と共に川並衆で働き、千代は家の掃除や洗濯をして生活していた。

 貧乏ではあったが最低限生活は出来たという。

 たがここで予想外の事態が起きる。

 犬山の急速な発展の恩恵を得たい犬山周辺の川並衆が、織田家の歓心を得るために元織田伊勢守家の人間を追い出したのである。

 勿論、山内一豊と家臣達も対象である。

 一豊は川並衆の親方から「もう十分匿った、これ以上は勘弁してくれ」と言われてしまったのだ。

 いきなり稼ぎを失った一豊と家臣達を支えるため、千代は家から持ってきた着物を売り小物類も売りお金に換えた。

 だがそれでも足りず髪の毛を切って売り払った。

 長い髪の毛はカツラを作るのに必要なので売れるのだ。

 小説の『羅生門』でも老婆が死体から髪を抜いて売ろうとする一幕があるくらいで、平安期の頃には既にカツラがある。

 余談だが明智光秀の妻・妻木煕子つまきひろこも光秀がお金に困ると自分の髪を売ってお金に換えたという。

 因みに戦国時代は夫婦別姓なので明智煕子とはならない。

 結局千代は父親の形見の品以外は全て売り払ったが一月も保たなかった。

 一豊と千代だけならそれなりに保っただろうが、一豊の家臣も一緒に失業しているので彼等も支える必要に迫られたからだ。

 そして一豊達は未だに仕事を見付ける事ができず追い詰められていた。

 彼等は織田伊勢守家の家臣であるため、織田家で働く事が出来ず傭兵にもなれないのだ。

 そしてこの濃尾勢で織田家の息が掛からない仕事は殆ど無いといえる。

 千代はもう自分ではどうにも出来なくなって、犬山の城下町に来た。

 あの祝言の時に行った犬山城の脇にある池田邸を目指して。


「どうしよう、お姉ちゃん」


「慶隆に連絡は?」


「まだ。奥美濃は遠いし」


 犬山から奥美濃は流石に遠いし、6歳の千代で行ける道程ではない。

 となると山内家臣に行ってもらうことになるが、千代が行かないと効果は薄い。

 慶隆が騙りだと思う可能性もあるからだ。

 なのでまず犬山にいる美代の所に来たのは自然と言えるだろう。

 美代は千代がお金に困っているのは理解した。

 だが現在美代の自由になるお金など存在しないのだ。

 美代は考えた、どうにかしてお金を作る方法を。

 彼女は千代を見捨てるなど絶対に出来なかった。


「千代、少しここで待ってなさい」


「うん・・・」


 美代は急いで池田邸の自室へ戻った。

 そして部屋の大衣桁に架けられた2枚の着物を見て、父親の遺した『西陣』の着物を風呂敷に仕舞う。

 美代はこれを売ってお金に換えようと思ったのだ。

 そもそも婚礼時に着物を持っていく、親が着物を持たせるというのは困ったらお金にするためである。

 この風習は貴人を中心に遥か昔から存在していて、布というものは通貨の代わりに出来たからだ。

 戦国時代となると布で取引をするところは稀だが、商人に売ればキッチリお金に換わる。

 ただ現代においては布というだけでお金になる事はないので、この風習が廃れていくのは仕方が無いと言える。

 なので美代はこの『西陣』を売る事に決めたのだ、流石に恒興から贈られた着物を売る気にはなれなかったからだ。

 着物を仕舞った美代は一路城下町へと向かった。

 行き先はこの着物を買い取ってくれるであろう加藤図書助の店だった。

 その時、加藤図書助は犬山の商業開発の指揮を取っており犬山の店にいた。

 流石に池田家の正室が来たという事で、図書助が直接応対する事になった。


「図書助殿、お願いします」


「まあ、その、買取りは確かに出来ますが」


 加藤図書助は珍しく顔を歪めて、言葉を詰まらせる。


「お願い出来ませんか?」


「こう言っては何ですが、その、こういう事はご当主に相談なさった方がよろしいですぞ」


「・・・」


 図書助に諭されると美代は俯いて黙り込む。

 美代にもそれは判ってはいたが、恒興には知られたくないと思っていた。

 そこには遠藤家の内情だからという考えと、これ以上迷惑を掛けて役立たずと思われたくなかったのだ。

 そんな美代の様子を見て図書助は何か言えない事情があるなと察した。


「分かりました、買取りさせて頂きます。金額についても色を付けさせて貰いますので」


「あ、ありがとうございます」


 美代は換金を引き受けてくれた図書助に頭を下げ礼を言う。


「頭を下げるなどお止め下され。そんなにお気になさらず」


 図書助は慌てて頭を下げる美代を止める。

 一介の商人が大名クラスの武家の正室に頭を下げさせたなどと風聞されては困るからだ。

 特に織田家内で最も商人と関係の深く、図書助にとってもかなり関係の深い池田恒興の正室なら尚更だ。


(さて、どうしたものか)


 換金を終え礼を言う美代を見送った図書助は少し悩む。

 買い取った着物は『西陣』の高級品なので、問題無く買手も着くであろう。

 要は売ってしまってもいいのかという事だ。

 あの様子では確実に恒興は知らないだろう。

 ここは取っておくべきという予感はするが、商売である以上約束も無しに取り置く訳にもいかない。

 店先で美代を見送ったまま悩んでいた図書助にある人物が声を掛けた。


「加藤はん、ちょいとええやろか?」


「ん?これはこれはお藤殿、いらっしゃい」


 図書助に声を掛けたのは藤であった。


「さっきの美代様の着物の件なんやけどな」


「ああ、ワシもどうしたらいいものかと悩んでおりましてな」


「取り置いてもらえへんやろか?きっと旦那様が知れば買い戻すって言う思うし。最低でもうちが実家から借りて何とかしますんで」


「成る程、やはり池田殿は知らない訳ですな。ならば取り置きましょう、あの方の性格なら確実に買い戻しに来るはず。池田殿にはこの図書助が預かっているとお伝えくだされ」


 図書助は理由は聞かず、恒興が事情を知らない事だけを確認した。

 そこには恒興との付き合いの深さを物語る信頼感があったからだ。

 特にこの犬山商業開発の商人側代表で犬山の座長を任せられているのは恒興の信頼が大きいのだ。

 そして図書助も恒興のためなら多少の赤字は被る覚悟は有る、多分そうはならないと確信しているが。


「ありがとうございます、加藤はん」


「いえいえ、今後ともご贔屓に」


 図書助が取り置いてくれると約束してくれたので藤はホッと胸を撫で下ろす。

 実は今朝の従者の女房との一件で気落ちしていないか気になった藤は、一人出掛けた美代を追ったのだ。

 護衛も付けずに出掛けた事から気落ちしていると藤は見たのだ。

 だが追い付いた先で美代が妹と会っているのを見て咄嗟に隠れてしまった。

 祝言の時にチラリと見ただけで変わり果てた姿にも関わらず、藤は美代の妹だと判別出来た。

 何故隠れたと言われても説明が出来ないが、とにかくそれ以降は全く出るタイミングを失い跡を付ける破目になった。

 藤は別に美代の跡を付けるつもりは無く、成り行きで全てを目撃した訳だ。

 加藤図書助の困った顔が印象的であった。

 そこから美代が自分の着物を売ったお金を全て妹に渡したところまで目撃したのだ。


(しかし要領の悪いやなぁ。あの着物はうちも見せてもろたけどかなりの逸品や。あんなもん売ってバレへん訳ないやろ)


 ここまで見て藤は美代の妹がかなりお金に困っている事だけは解った。

 だが細かい事情までは判らないが、妹も遠藤家の娘であるはずだ。

 それが何故お金に困る事態になるのか解らないのだ。

 本来冨貴というべき豪族の娘が襤褸ボロを着るほどに追い詰められる、こうなると解決出来るのは恒興だけではないだろうかと藤は思う。

 何にしても詳しい事情は聞かねばならない、恒興を説得するためにも。

 いざとなれば自分と美代の二人で助けを求めれば、きっと恒興も動くはずだと。

 藤は美代を説得しようと決めた。


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 その夜、美代は自室で荷物を纏めていた。

 自分の私物でお金に換わりそうな物を集めていたのだ。

 今日千代に渡したお金で足りるか分からないし、明日も会う約束をしているので用意してしておこうと思ったからだ。

 内容としてはくしかんざしが数本、鏡台や髪箱、化粧箱等である。

 あと実家から持ってきた琴もあるが、こちらは重いのでやめておいた。

 これらを風呂敷に包む時、美代は涙した。

 これらは全て奥美濃の思い出の品で、母親から譲られた品が大半である。

 だがそれでも千代のためなら仕方ないと美代は思った。


「泣くくらい嫌なら止めとき」


「ヒッ!?・・・お、お藤さん」


 美代が振り返った時、後ろには藤が腕を組んで仁王立ちしていた。


「な、何でここに・・・」


「声は掛けたんやけど。スマンけどな、一部始終見せてもらいましたわ。原因は妹ちゃんなんやろ」


「っ!?」


 藤は美代の前に座って説明をする。

 跡を付けるつもりは藤にはなかったが、成り行きで見てしまった事。

 図書助に着物の取り置きを依頼した事などである。

 美代はそれらを黙って聞いていた。


「困っとるなら、うちも力を貸すで。それなりなら実家から借りる事も出来るし。て言うか、何で妹ちゃんはそんなにお金に困っとるんや?」


「それは、その、実は・・・」


 美代は観念したように喋り出す。

 祝言の後、妹の千代が自分の代わりに山内一豊に嫁いだ事。

 その山内一豊が失業して生活費に困窮した事。

 一ヶ月ぶりに会った千代が変わり果てていた事。

 姉として何とかしなければと思った事を順番に話していった。

 その様子を見て藤は、美代が本当は誰かに相談したかった、心境を吐露したかったんだなと感じた。


「けどその一豊はんと千代ちゃんだけでそこまで追い詰められるか?それこそ着物一枚売ればそこそこ暮らせるんと・・・。まさか二人だけやないんか?」


「はい、一豊さんには50人程家臣の方がいて、まとめて失業したそうです」


「・・・てんご言うたらアカンで。そんなもん千代ちゃん一人で支えきれる訳無いやん。うちが実家からお金借りて来たかて焼け石に水や」


『てんご』とはいたずら、悪ふざけ、余計なことという意味の関西弁で、この場合は『冗談』という感じになる。


「でも、どうしたら・・・」


「旦那様に相談するんや。うちも一緒に頼んだるさかい」


「・・・はい」


 美代は気落ちしたままであったが、藤は自分も付き添う事で何とか連れ出した。

 おそらく美代は自分の家の都合で重荷になるのがイヤなのだろう。

 だが藤の見立てが正しければあまり悠長にしていられる時間は無い。

 特に時間が無いのは千代だ、あの歳で痩せていくのは危険過ぎる。

 藤は多少強引でも恒興の力を使ってもらうべきだと感じた。


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 そのまま二人は恒興の部屋へ行き、事の次第を報告した。

 恒興は静かに話を聞き、二人の言いたい事が出し切られるまで待った。


「事情は分かった、ニャーに任せろ」


「い、いいんですか?その、わ、私・・・」


 美代は不安であった。

 また自分の事で迷惑を掛けて、負担に思われたくはなかった。


「いや、お前。冷静に考えろよ。ここで動かずに妹がもっと辛い目に合ってたらどうする気だニャー」


「それは・・・嫌です。・・・はい」


「だろう。お前の妹はニャーにとっても義理の妹に当たる訳だニャ。その十にも満たない妹が辛い目に合ってるなんて放置出来ん」


 そんな気落ちしている美代に対し恒興はハッキリと断言する。

 千代は妹であると、家族の問題なのだから自分は動くのだと。

 それは恒興が美代の事を家族だと認識している事に他ならなかった。


「流石や、それでこそ旦那様やで!良かったな、美代様」


「はい!お藤さんもありがとうございます」


 喜ぶ二人の様子を見て恒興は、事態が良い方へ転がっている事に安堵した。

 この分なら美代と藤は仲良くやっていけるだろうし、劣等感の事も解消されていくだろう。

 あとは千代の件をどう解決するかだ。


「さてどう動くべきか、まずは千代と会って話したいニャー。どの程度支援が必要かも知りたいしニャ」


「それなら明日また川原で会う約束をしてます」


「そうか、なら明日会って決めるとするニャー」


 恒興は念のため飯尾敏宗に護衛を命じると共に、明日は池田邸に50名程親衛隊員を待機させるよう指示を出す。

 おそらくないと思われるが、いざとなったら強硬手段に出るためである。


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 翌日、恒興は美代と藤、護衛に飯尾敏宗を連れて川原にやってきた。

 程なく50代くらいの白髪の老人と一緒にいる千代を発見した。

 そこで恒興が見た千代はかなり痩せていて、祝言の時に見た健康的な感じがなくなっていた。


「あ、お姉ちゃん、こっちだよ」


「千代!・・・そちらの方は?」


「お初にお目に掛かります、美代様。儂は祖父江勘左衛門と申します。我が主、山内伊右衛門に代わりお礼申し上げますのじゃ」


 千代と一緒にいた50代くらいの白髪の老人は祖父江勘左衛門。

 山内一豊の家老で今日は千代の付き添いと美代に礼を言うために来たのだという。


「はぁ。初めまして」


「そちらは従者の方々ですかな?」


「い、いえ、違いますよ」


「・・・誰が従者だ、犬山池田家当主・池田勝三郎恒興だニャー。犬山城主だと言った方が話が早いか?」


 恒興は美代の前に出て名乗る、凄みを効かせて。

 既に恒興は怒っていた、従者に間違われたからとかではない。

 1ヶ月前の祝言の時に見た元気さが全く無い千代の姿を見たからだ。


「え?えええーっ!?これは失礼をば!」


「土下座までせんでいいニャ。それより何でこうなったのか詳しい話を聞かせろ」


「ははっ!」


 祖父江は恒興の祝言後あたりから事の経緯を説明する。

 そして現在も一豊と家臣達は定職が得られず、日雇いや漁師の手伝いで何とか凌いでいる事も。


「成る程ニャー、川並衆がな。だがそれについて川並衆を責めるのは筋違いか」


 川並衆が旧織田伊勢守家臣を追い出しているという動きについては恒興は掴んでいなかった。

 何故なら追い出されたのはほぼ山内一豊とその家臣くらいだからだ。

 では他の旧織田伊勢守家臣はどうなったのか?

 実は各所の川並衆から推薦され『木下秀吉』の家臣になっていたりする。

 秀吉はその出自から侍の部下が極度に少ないため、彼等を丸抱えしていた。

 更に川並衆統括という仕事の特性上、旧織田伊勢守家臣は手馴れているので都合が良かったのだ。

 これに対して織田信長は・・・何も言わなかった。


「どないするん?」


「まず千代はニャーが引き取る」


「い、池田様、お待ちを!」


「待たねーギャ。て言うかお前ら、ニャーの妹に何してくれてんだよ。遺言で遠藤家には戻れなくても、池田家には関係の無い話だニャー」


(あれ?いきなり怒ってません?)


(これはあれやなぁ、千代ちゃんの変わってしもうた姿を見て静かにキレたんや)


 恒興は今直ぐにでも千代を連れて帰るという感じで怒っていた。

 だが恒興は千代から衝撃の一言を聞くことになる。


「待って、お兄ちゃん。私・・・」


「千代、遠慮することはないニャ。お前はニャーの妹なんだから、ウチで暮らせばいい。美代も喜ぶニャ」


「でも私がいなくなったら、一豊様ダメになっちゃうから」


(ろ、6歳の女の子に自分がいないとダメとか言われる山内一豊って一体どんなヤツだニャー!?)


(あれー?この子、こんなダメ男好きでしたっけ?もっと玉の輿を狙う子だと思っていたんですけど。あれー?)


(うわーやなぁ、ウチは一豊はん知らんから何とも言えんけど。その一豊はんが超絶ダメ男なんか、千代ちゃんが重たいんかどっちやろな)


 恒興のみならず美代と藤にとっても衝撃の一言であった。

 因みに美代の中では義弟たる山内一豊は『ダメ男』認定されてしまっている。


「と、とにかくニャ、どうするかも含めてその山内と話をするとしよう。祖父江、だったニャ」


「ははっ」


「お前の主を池田邸まで連れてこいニャ。敏宗、一緒に行ってやれ」


「はっ、お任せあれ!」


 二人はすぐさま山内一豊を連れて来るべく駆けていった。


「さて、ニャー達は戻るとしようかニャ」


 恒興は美代、藤と共に千代を連れて池田邸に戻っていった。

 その途上で恒興は『おはぎ』があったことを思い出し、千代に振舞おうと思った。


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 歳の頃は15、6の若い青年が祖父江勘左衛門ともう一人の部下を連れて、恒興に座礼で挨拶する。

 この場合の座礼というのはあぐら座りで、握り拳を膝の横辺りに着き頭を下げる礼の仕方である。


「お初にお目に掛かります。山内家当主・山内伊右衛門一豊であります。妻を預かって頂き感謝しております」


 そんな言葉とは裏腹に一豊は不服そうな表情であった。

 何しろいきなり山内家の内情に池田家が首を突っ込んできたのだから不快なのだろう。

 妻の実家なら関わりを持つのは自然だが、妻の姉の嫁ぎ先まで出てくるのは予想外だった様だ。


「ニャんで呼ばれたのかは解っているよな」


「はっ、まあ、何となく」


 とは言え流石に何で呼ばれたかくらいは一豊にも解っていた。

 彼は未だに定職に着けず、日雇いで糊口ここうを凌ぐのが精一杯であった。

 彼の元にいる家臣達も似た状況であり、誰も余裕など無かった。

 更に現在の濃尾勢は信長の織田弾正忠家が全盛期であり、それに逆らった旧織田伊勢守家臣は各地で冷遇された。

 ここ1年程で織田家が急速に拡大と地盤固めに成功しているのでこうなったのだ。

 それでも反信長勢力が健在なら、まだ働く場所もあっただろう。

 それが川並衆だった訳だが。

 だが気付けば周りは織田家一色で斎藤家は風前の灯火、川並衆も織田家の不興を買いたくないが故一豊達を追い出した。

 これも滅亡大名家の悲哀と言うべきか。

 思えば『墨俣城』築城の時に木下秀吉から家臣にならないかとの誘いに乗っておけば良かったと後悔する時もある。

 そこには織田伊勢守家家老・山内家当主としての意地があり受ける訳にはいかなかったのだ。

 ただそのせいで千代に多大な負担を掛けてしまい、それを知った千代の義兄・池田恒興に呼出しをくらったという事だ。


「それで、今後どうする気だニャ?」


「何とか仕事を見付けようかと」


「あるのかニャ?この濃尾勢に」


「・・・・・・」(汗)


(アカン、これダメ男や。将来の展望を持ってへん)


(私、この人に嫁がされる予定だったんですけど)


 答えに詰まる一豊を見て千代を膝に抱えた美代とその横に座る藤が、お互いにしか聞こえない様な小声で会話する。

 そして藤の中でも既に一豊ダメ男論が大勢を占め、千代が重たい性格というのは消えていた。

 美代に至っては非情に冷めた目で一豊を見ていた。

 だが恒興はそんな一豊を見て意外な提案をする。


「それなら一豊、ニャーに仕えないか?ニャーも頑張って信長様を説得してみせるニャー」


 恒興は一豊が千代に負担を掛けた事は怒ったが、それは周りの情勢や若さ故の手際の悪さが原因だと言える。

 怒って引き離しても千代が泣くだけだし、同情の余地くらいはある。

 なので恒興は一豊が来るまで考えていたのだ。

 恒興、美代、一豊、千代、池田家、山内家、遠藤家全てが納得出来る方策を。

 その方策が一豊を恒興の部下にする事だった。

 それに一豊には家臣が未だに付いて来ているのだから直ぐに働ける。

 家臣が50人もいるのだから一豊を部下にすれば即戦力の侍が50人手に入ると恒興は思ったのだ。

 唯一の問題点は信長の説得ではあるが、秀吉が雇っている先例があるのだから多分大丈夫だろうと予測する。


「申し訳ありませんが、織田伊勢守家家老の山内家当主としては織田弾正忠家に仕える訳には参りません」


 だが一豊は頑なに織田家への仕官を断る。

 そこには秀吉の時に断った理由と同じ物が存在していて、まだ吹っ切れていなかった。


「そうか、ではこれからどうするんだニャ?」


「仕事を探しながら皆で京の都へ行こうと思います」


「ふむ、そうか。では旅の無事を祈るとするニャー」


(そんな!?犬山を離れたら千代と会えなくなる、千代は生活していけるの?)


 美代は何とか恒興に都行きを反対してもらおうと意見を言おうとする。

 だがその前に恒興は一豊に向かって宣言した。


「ただし、千代は置いてけ。絶対だニャー」


「え?何で?」


「何で?じゃねーギャ。お前みたいな甲斐性無しにニャーの妹を預けておけるか。大体6歳の女の子にそんな辛い旅をさせる気か」


(都に行くと聞いて絶望感たっぷりな目していた美代がニャーの言葉で満面の笑みに変わったニャー。判りやすいヤツだニャー。あとはニャーんか隣の部屋から母上と栄の引き取れオーラがひしひしと伝わってくるんだよね。これで引き取らない選択肢を選んだらニャーが後でどんな目に遇わされるか)


 恒興達が戻ってから千代は養徳院と栄に会っている。

 千代の姿を見て二人共かなり心配してしまい、あれこれと世話を焼いていた。

 その様子はさながら餌付けだなと恒興は思った。

 千代の引き取りに関して彼女達からは何も言われなかったが、視線だけの無言の圧力があったことだけは特筆しておこう。


「で、でも妻な訳で・・・」


「6歳のニャーの妹に何させる気だ、テメエ。重労働とかさせて泣かしたら池田家全軍でお前を討伐しに行くぞ」


 一豊はどうにも別れたくない様だった。

 だが邪心有っての事では無いようだ、もし有るならば千代より金を無心してくるだろう。

 たった1ヶ月でここまで仲良くなっている事に恒興は少し嫉妬した。

 かたやこちらは仲良くなる糸口さえ掴めなかったというのに。


「でもお兄ちゃん、一豊様は私がいないと・・・」


「千代、お前が一豊の役に立つのはまだ先の話だニャー。今はここに居て美代や藤、そして母上から色々教わるがいいニャ。それに全てにお前が手を貸してちゃ、男の立つ瀬がないニャー」


 離れたくないのは千代も同じで、反論する彼女を恒興はやんわり説得する。

 千代も自分がそんなに役に立てない事は自覚しているのかそれ以上は何も言わなかった。


「え?別に俺は・・・」


(空気読めニャー!!)


(空気読んでください!!)


(空気読まんかい!!)


 一豊の空気読まない発言に恒興と正室と側室の物を言わんばかりの視線攻撃が炸裂する。


「千代、俺は立身して迎えにくるからな!」(スイマセンっしたー!!)


「うん、わかった。待ってるからね」


 千代は残念そうではあったが一豊の言葉を受け入れた。

 これで千代は池田家で引き取り、一豊は仕官先を探して旅に出る訳だがまだ懸念材料がある。


「しかし一豊、仕事を探して他国に行くのはいいが、50人近い家臣を全員連れて行くのかニャー?」


「あ、いや、50人じゃなくて」


「ん?」


「家臣の家族も含めると250人くらいになるかなぁーと」


「多いわ!!そんな人数で流浪する気か!?食わしていける訳ねーギャ!!」


 家臣も人である。

 当然家族もいる訳で総数は250人くらいになるとの事。

 こんな人数を千代一人で支えるのは不可能である。


「でも付いて来てくれたみんなを見捨てるのは・・・」


「あーもう!祖父江、未婚の若い家臣は何人くらいだニャ?」


「そ、そうですなぁ。15人くらいかと」


「よし、そいつら連れて旅に出るニャ。若い男なら多少は我慢できるだろ」


 なので恒興が代案を出す。

 未婚の若い男なら多少辛い旅路でも頑張れるだろうと踏んだ。


「え?他は?」


「千代の護衛兼世話役で置いていけ。ニャーが給料を払う」


「うう・・・」


「別に離縁させようって話じゃないニャー。あくまでお前に養う能力が備わるまで預かるって言ってるんだ。ここらが落としどころだと思うが?」


 残りは全て千代の護衛兼世話役で恒興が雇うことにした。

 名義上は山内家正室の千代に仕える訳でおかしい事は無いだろう。


「・・・分かりました。祖父江、残って千代や皆の事を頼む」


「ははっ!」


 一豊は残念ではあったが、恒興の言う通り人数が多すぎなのは解っていた。

 情勢が急激に変わったのと誰も見捨てられなかったが故に彼は追い詰められた。

 そしてこの人数の多さが足枷となって、他の土地に移動出来なかったとも言える。

 だから一豊は恒興の案を受け入れることにした。


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 一豊の出発が差し迫った頃、恒興は祖父江勘左衛門を呼び出した。


「勘左衛門、お前は残るんだったニャ?」


「はっ、こちらに残る山内家臣の統括をさせて頂きます」


「じゃあ、一豊に付いて行く家臣で纏め役は誰だニャ?」


「五藤吉兵衛ですな。若いですが家老ですので」


 五藤吉兵衛為浄。

 父親で家老の五藤浄基が病を患っており犬山に残るため急遽家督を継承した。

 年齢的には一豊の少し下で兄弟の如く仲が良いらしい。


「じゃあ、そいつにこれを渡しといてくれ。当座の資金だニャー」


「よ、よろしいので?」


「少しくらい金が無いと何も出来んだろ。あと一つ伝言しといてくれ、『京の都に入る前に南近江で仕官先を入念に探せ』って。南近江は豊かだからきっとあるニャー」


「は、はぁ、承りました」


 勘左衛門は何故恒興がここまでしてくれるのか理解出来なかったが、妹婿である一豊を気遣ってくれていると思い有り難く受け取った。

 そして資金を受け取った勘左衛門は一礼して元の主の家に届けに行った。


(これで良しと。想定通りなら一豊は『あの場所』に行くはずだニャ。南近江最大の難所に)


 既に恒興は上洛のグランドラインを描き出そうとしており、一豊の放浪も利用できる一因となる。

 先ほど渡した資金もそのための準備金に過ぎない。

 基本的に仕官というのはかなり難しい、普通は縁故で埋められてしまい一豊の様な他所者は真っ先に排除されるだけだ。

 だから分かるのだ、一豊が『あの場所』に行くという事が。

 一豊がそこの当主とウマが合ったか何かで縁故を超えた採用をしてもらったという事なのだと、恒興は前世での記憶で判断していた。

 そんな考え事をしている恒興の元へ数人の女性がやってくる。

 美代、藤、千代、栄、そしてその付き人の女中達である。


「はよ行くで、美代」


「あっ、待ってください、お藤」


 今回の一件で美代と藤は大分仲が良くなった様でお互い敬称を省いて呼び合う様になったようだ。

 一応公式の場では弁えるとの事。

 あとは藤がやっていた仕事も一緒にやるようになった。


「でもいいのかな、お兄ちゃんにお金を出してもらって」


「構わん、兄はもっと金を使うべきだ。という訳で兄、私も漆塗りの綺麗な鏡台が欲しい」


 実は今から加藤図書助の所に行って美代の着物及び千代の所持品を買い戻しに行くのである。

 図書助には一豊との会談の後、直ぐに知らせを入れて千代の所持品も集めてもらった。

 そのついでに今回の功労者とも言える藤にも何か買ってやろうくらいに思っていたのだが、何故か恒興が予想してなかったオマケまで付いて来た。


「何でニャーがお前の分まで買ってやらねば・・・」


「千代の分は買って私の分は買わない、何という妹差別か。母上と小牧山の兄上、両方に言いつけてやる」


「スンマセンっしたーっ!ご存分にお選びくださいませニャー!」


 恒興は信長の妹でもある栄に勝つ事は(ry。

 とりあえず一行は加藤図書助の店へ向かった。


 そして一豊を見送って数週間後、美代と藤は台所で仲良く吐いた。

 どちらも悪阻つわりである事が分かり、嫡子誕生の期待に池田家はお祭り騒ぎになるのだった。


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【あとがき】

嫡子問題が片付きましたのでようやく本筋に戻れますニャー。

一豊君の扱いに関しては後で活躍しますと言い放ち、べくのすけは雲隠れしました。(過去形)

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