第4話 ミッションダイアナ1

 ミッション指令室ではジョーがミッションの詳細を事細かに説明している。タイムキーパーの配置、時間、場所が告げられていく。そして最後にミッション名が発表された。


「ミッションダイアナ」


 ミッションの詳細はこうだ。


 元王妃はパリのホテルから深夜0:20にホテル裏口から車にのって移動することになっている。遅めの夕食を終えたあと婚約者の所有するアパートへ戻るのだ。その移動で車を運転するのがポールだというのだ。なんとか、ポールの企みを阻止するためコンドル広場とアルマ広場を通り、移動先のアパートへ到着させることが任務となる。この日さえ乗り越えてしまえば、元王妃は大富豪と再婚し多くのボディーガードに守られることになるのだ。つまりポールにとっては、スキャンダルの混乱を利用しての最初で最後のチャンスということになるのだ。


 そして俺たちキーパーの配置だが、ハヤトはジョーンズと名乗り移動の車の中から元王妃を守る。俺はカメラマンとなってバイクを使って外から元王妃を守る。

 このミッションにはもう2名のキーパーが参加する。

 機械の知識が豊富で同期のミエコ。タイムディスク操縦。

 もしもの時に医療の知識を持った先輩のクルム。後方支援。


「元王妃を守ればいいだけの簡単なミッションだ。頼んだぞみんな」

 ジョーからの激に俺たちは一斉に立ち上がり、屋上にあるマシン発着場へ急いだ!


 マシンに乗り込むのは何回目だろうか、もう緊張はない。ただ、リーダーとしての初任務で元王妃が誘拐されることだけは避けたい。なぜなら謎の失踪というおかしな歴史を作ってしまうことになるからだ。


「1・9・9・7・0・8・3・0   OK! メインエンジンスタート!」

 ミエコの言葉にタイムディスクが反応しメインエンジンスタート。


「ユウマ! GOの合図をお願い!」

ミエコの声に緊張が感じられた。


「ハヤト! クルム! OK?」

 俺の声も少し震えていたかもしれない。


 二人の頷く顔を確認し、いよいよ出発だ!


「GO!」


 機体は静かに滑り出し、マッハ1.5で時空へ突入、光速に限りなく近づくと空間に歪みが生じ、窓の外は真っ白な世界になる。それは一瞬だ。気が付けば時空を飛び越えて過去の地球に到着する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る