第7話【lesson②ラルフレッド(身体強化)】
「ぬおぉおぉぉ!!!」
「ハル殿!強くなる為にはまず体力が必要です!それがなければ何も生み出せません。」
「貴方はマシだと思ってたけどやっぱり違ったぁ!!いくら体力作りとはいえ、コレは無いだろぉ~!!」
四方から次々と転がってくる俺よりも大きな丸い岩。
動力源は信じられない事にラルフレッドで、投げては回り込み、投げては回り込みを2つの玉で繰り返し行われている。
ラルフレッドは涼しげな顔をしているが信じられないスピードだ。人間技では無い。
グングン転がり来る玉をひたすら俺は避け続ける。
っつか下手したら死ぬくない!?
「これは反射神経と基礎体力を向上させる修行です。今は2つの玉ですが、1カ月後には5つに増やします。」
5つ!!?っつか5つの時もまさかアンタが動力源!!?
本当に人間ですか?っつか俺それまで生きてる?
それをひたすら繰り返し5分を5セット。合間に1分休憩を挟み、残った時間をひたすら筋トレに費やされた。
「いいですか?。【#身体強化__ブースト__#】は本来の筋力よりも数倍の力を得られる魔法です。ですので、基準値はあくまでもベースの段階からなのです。つまりベースの筋力が相手よりも上回っていれば相手がいくら【#身体強化__ブースト__#】を使ったとしても此方の方が断然有利になる訳ですよ!みよ!!この肉体美!!」
ラルフレッドは服を脱ぎ捨て自分の鍛えに鍛えまくられた凄い身体でポージングする。
え?な、何?何て言えばいいの?
「私の肉体美で、あっけに取られ声も出ないでしょう。ハフゥ!!!」
妙な唸り声を吐き出しマッスルポーズをする。
これ以上の沈黙はマズイ!話をそらさねば!
出ないと一生見せられそうな勢いだ!
「えーと、つい最近ヒルデガルデが【#身体強化__ブースト__#】を更に強化させる奴もいるっていたような‥。」
「いい疑問です。例外として本来の【#身体強化__ブースト__#】から更に魔力を加算させ、能力を上げる者も確かにいます。ですが戦闘後の身体への負荷が多くかかる為お勧めはしません。まぁそのまた例外もあるのですが、今はあくまでも最終手段と考えましょう。ですのでやはり基礎を積み重ねて基盤を予め作っていたほうがいいのですよ。」
何事も基礎って事だよね。けど‥。
これだけは聞いときたい。いや、聞かなきゃならない。
「最終的にラルフレッド見たいな筋肉になるということ‥なのかな?」
「勿論です!!」
ぬぅぁ!!た、確かに強そうには見えるけど、さすがにそこまではなりたくないんですけど!!
「ただし!私の様な一般人に映える筋肉にするつもりはございません。これは私のあくまでもの趣味です。ハル殿の筋肉は私が計算に計算つくした肉体美を作り上げたいと思っております。膨らますのでは無く、無駄なく柔軟で、そして持久力のある筋肉!!そう!見る者ぞ解る究極完全なる肉体美です!!!」
目の錯覚か、ラルフレッドの背後で火山が噴火したかの様な錯覚に陥る熱演だった。
思わず言葉を失ってしまったが、恐らくラルフレッドのようなゴリ‥いや、大きな筋肉にはならなさそうで安心した。
「ささ!!次はバーベル上げです!!」
「も、もう上がら!‥ない、‥~!!!」
「上がらなくなったという事は、この先に新しい美しき筋肉の輝きが待っています!!ほら頑張ってあの3回!!」
「ぬぅぉぉぉお~!!!グエッ!!」
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