Case2:助けてくれた人
ベンチで寝てしまっていた私は誰かが揺さぶられていて、目を覚ますと、知らない男がいた。
「君、こんな所で何してるの?」
「……両親を待ってます」
「こんな時間に? もう日付が変わるよ」
「それは……」
言葉に詰まって黙った。
「君、名前は? 何歳?」
「
「僕は
「……あなたに何が分かるんですか! 私の事なんて何も知らないくせに!!」
信じたくなかったのに。迎えに来ると信じていたかったのに。
「君の目は憎悪に満ちているね。放っておけば、それこそ人を殺しかねない。しかも身体中に虐待の跡がある。君は両親が憎いかい?」
吉良さんは私の目を覗き込んで、言った。
「まぁ……そうですけど」
「復讐したくはないかい?」
復讐、と言われると、怒りがこみ上げてきた。爆弾が爆発したように。
「僕の所に来たら、復讐の方法を教えてあげるよ。どうしたい?」
「出来たら殺したいですけど、バレたら捕まりますし……」
「君さえ良ければ、僕の所に来ないかい?
復讐の方法も教えてあげるよ」
「…………あなたに付いて行きます。吉良さん、よろしくお願いします」
──もう落ちる所まで落ちたんだ。何だってやってやる。
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