第4話 ファンタジーが発散!

 ふかふか!思わず抱きしめたモンスターには黒い羽が生えていた。なんで?ふわふわとした頭で地面を見ると、はるか地獄の景色は小さくなっていた。火事も起きている。不安もジリジリしたが、それを眺めているのがおかしくて仕方なかった。こんなアニメあったなあと思った。


 空の果ての島へ向かう。小さな黒いものがたくさん飛んできた。コウモリ!モンスターがバサッと羽をはためかせて一気に島へ、風圧で何匹か解散していった。モンスターは私を地面に下ろす。



「あれー?なんかいる!」


「ニンゲンだよ」


「生で見たの初めて!」



 小さい子の頭にはツノが、とんがり帽子のおばあちゃんはニヒヒと笑って私を指差す。



「しかしまあ、随分地味な子が来たねえ」


「うるさいわ!」


「わ!うるさいわ!あはははっ」



 真似された。周りにも仮装をした人がいる。パーティーのようでどこか薄気味悪い。よく見るとぼんやり明るいのはランプじゃない、ふよふよしてる。結構ここに来たよ、と。



「ウスノロが踏んだやつら。本当は縮めてから下ろすんだけどあいつ間抜けだから。魔法が間に合わなくて、下は大変なことになったねえ。今年ハロウィンやるかな」


「やると思いますよ?多分」


「ほんとう?」


「その小鬼、今年がデビューなのさ」


「やったー!お姉ちゃん、歌お!!」




 ファンタジーが発散!



 歌を歌おう

 今日は幻想的な世界に迷い込んだみたい

 モンスターが連れてきてくれた

 彼らと約束した

 ハロウィンでまた

 再会しよう

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