第15話 魅惑の『ラプサンスーチョン』
先日私の友人の間にて、この紅茶についてのお話が持ち上がりましたので、ちょっと触れておこうと思います。紅茶好きなら一度は通る紅茶、『ラプサンスーチョン』についてです。
まず『ラプサンスーチョン』とは? ですが、中国の紅茶でして、普通に製茶を行って茶葉を乾燥させる段階で、枯れた松の葉っぱを燃やしてその煙で燻し、乾燥と同時に香り付けも行うという紅茶です。
なんと言ってもその特徴は香り。薬の『正露丸』に使われている『クレオソート』という薬品と同じ香りがするので、淹れた紅茶も正露丸と同じような香りがします。
そのため、紅茶愛好家の間でも好き嫌いが別れ、好きな人はトコトン好き・嫌いな人はトコトン嫌い、というハッキリ別れる紅茶になります。
イギリスなどのヨーロッパの水は硬水ですので、そのミネラル分が香りの成分と結び付いて穏やかになりますが、日本の水道水である軟水ではミネラル分が少ないため、よりハッキリと香りが立ち上ります。そのため淹れ手によっては、使う水を変える人もおります。
また香りを抑える意味で、ミルクを注いでも良いでしょう。ここは飲む人の好みになります。
それからペアリングする食べ物ですが、『スモークサーモン』と合わせるのが最適とされています。スモークサーモンを挟んだサンドイッチとラプサンスーチョンを一緒に注文すると、淹れるお店側の人も「お。この人『わかってる人』だな」と思ってくれます。そのくらい鉄板のペアリングになります。
また私の経験からですが、タバコとの相性も良い方です。香料や燃焼促進剤が入っていないタバコにラプサンスーチョンを合わせるのは、なかなかオツであります。もちろんコーヒーの方が相性は最適なんですが。
それと中国産という事で残留農薬を心配される方々もおられるでしょう。大半のラプサンスーチョンはヨーロッパを経由して日本に輸入されます。ヨーロッパの検査はちゃんとしていますので、そこの所の心配は大丈夫かと。
ティーバッグではなかなかお目にかかれない紅茶ですので、お試しで茶葉を購入してみてはいかがでしょう。専門店でしたら香りを聞く事も出来ますし、名前がわからなくても「あの
またお店では『正山小種』とかかれて置かれている場合もありますので、ご注意下さい。
かなりトリッキーな紅茶です。そんな紅茶もあるという事を、知識の片隅に置いておいて下さい。そしてご興味がありましたら、専門店で香りだけでも確かめてみて下さい。好みに合うかどうかは、貴方次第です。
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