第12話 テイスティングとその方法
続いては、紅茶を淹れるにあたって必要な事前準備、『テイスティング』について語ろうと思います。こちらはそこまで難しくはありませんので、ゆっくりご覧下さい。
まず肝心要なのは、「決められた分量と時間で淹れる」という事です。具体的には、『熱湯150cc・茶葉3g・蒸らし時間3分』を、キッチリ計って淹れるという事です。ここから味見をして、渋みが強い場合は湯温を下げたり蒸らし時間を短くしたり、味も香りもボヤけている場合は茶葉を多くしたり蒸らし時間を長くしたり、微調整をする訳です。
そしてこれらを正確に計るために、『テイスティングカップ』という物が存在しています。ふたつ一組の器で、片方が取っ手付き蓋付きのマグカップ風な器、もう片方が取っ手も蓋も無いボウル風な器、これを使います。
まず正確に茶葉を3g計ります。0.1g単位で計れる計量器があると確実です。その茶葉をマグカップ風の器の方に入れ、しっかり泡立った熱湯を注ぎます。やはり正確に計った方が良いので、計量器の上で注ぐか耐熱性の計量カップで計ってから注ぎます。そこからタイマーを使って3分、蓋をして蒸らします。蒸らし終わったら、マグカップ風の器には注ぎ口が切ってありますので、そこからもう片方のボウル風の器に注ぎ、最後の1滴までしっかり湯切りします。後は蓋を裏返して茶殻をそこに乗せ、味見の準備は完了です。
茶殻の色や形状を見つつ品質を確かめ、淹れた紅茶をスプーンですくって口に入れます。この時、「ズズズーッ」と音を立てて口の中に紅茶を霧状にして漂わせ、味と香りを引き出しつつテイスティングをする訳です。味見で口の中に入れた紅茶は、飲まずに吐き出すのが通常です。
それで、ご家庭ではテイスティングカップが無い事が通常と思います。そこで使う物として、マグカップふたつに蓋にする皿・茶漉しの4アイテムでやってみるのも良いかと。片方のマグカップに茶葉と熱湯を入れて蓋をして蒸らし、時間になったらもう片方のマグカップに茶漉しを通して注ぐ、という方法です。これならご家庭でも大丈夫かと思います。
味見の仕方は、上記と同じ。スプーンですくってすすれば良い訳です。
ご家庭で使う2~3種類の紅茶なら、テイスティングも短時間で行う事が可能で余計なものは必要ないですが、店舗で使う10種類もの紅茶をテイスティングをする場合、味覚・嗅覚も疲れてしまって正確に感じる事が出来なくなってしまいます。
そこで、舌をリセットするために食パンやお新香を食べたり、手の匂いを嗅いで鼻をリセットしたり、ちょっとしたコツが必要になってきます。こういう事も出来ると、正確な紅茶の味わいが感じられるかと。
ティーバッグが美味しく淹れられ茶葉で淹れたくなってきた方々、ひとつの目安として『テイスティング』をやってみるのも面白いと思います。買ってきた茶葉がどういう性質のものなのか、それをキチンと知る事は大切な事です。
美味しく淹れて、穏やかなひとときを演出してみて下さい。その一助になれば幸いです。
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