第10話 レモンティーというモノについて

 さて、前回のコラムでは『レモンティー』について詳しく書いておりませなんだ。そんな訳ですので、日本人には馴染みの『レモンティー』について語って行こうと思います。こちらも、ミルクティーに劣らず奥が深いですよ。







 日本にレモンティーが入るキッカケになったのは、アメリカ南部・カリフォルニアのレモン農家が、アイスティーにレモンスライスを浮かべて飲んでいたのを雑誌で紹介したのが、大々的に流行る始まりのようです。それ以前から、イギリスやオランダなどで、レモンフレーバーを付けた紅茶が飲まれていたようですが。

 それが日本に取り入れられた時に、本来はアイスティーだったものが、なぜかホットの紅茶にレモンスライスを入れる形になってしまったのは、私も不思議です。





 レモンティーに適している茶葉ですが、ニルギリが筆頭に上がります。ニルギリ自体の香りに柑橘系のニュアンスがあるので、レモンとの相性も良いです。それ以外にも、キャンディやディンブラなどの渋みの抑え目な紅茶が良いようです。レモンのクエン酸と紅茶の渋みがケンカしてしまって美味しくないので。

 また、クエン酸が反応し紅茶の水色すいしょくが薄くなってしまうようなので、紅茶の琥珀色がハッキリしている品物が良いようです。






 それからこれはちょっとしたコツなのですが、ホットの紅茶の場合はレモンはスライスして黄色の皮は剥き、淹れた紅茶にサッと一瞬くぐらせる程度で良いです。

 まず皮は、含まれているオイルの成分が苦味を持っていて熱で溶け出すため、余計な味を足さないために取り除きます。そして風味付け・香り付けが目的ですので、一瞬紅茶の中で泳がせるくらいで大丈夫な訳です。ペットボトルのレモンティーの成分表を見ても、「果汁1%未満」と書いてあるくらいですから。

 ホットの紅茶の場合は皮は除きますが、アイスの場合は香りを移すためにも、皮ごとアイスティーに入れる方が良いとの事。

 取り除いた皮については、香り付けのためにカップの縁に擦り付けたり上で絞ったり、という方法もあります。バーテンダーさんがカクテルを作る時に行う、『ピール』という手法ですね。






 甘さについては、必要に応じて加えて下さい。オススメは普通のグラニュー糖が良いかと。スッキリとした甘さがちょうど良いので。もちろん入れる必要はありません。それとアレンジとして、コアントローやグランマルニエなどのオレンジ系の香りのお酒を少量加えるのも美味しいです。ただし、お酒は20歳になってから。





 そんなレモンティーも色々と奥が深いものです。是非こだわって淹れてみて下さい。ちょっと世界が変わりますよ。

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