第4話 カフェイン

 今回は、紅茶を語る上で本来は避けられない『カフェイン』というものについて、お話して行きます。化学的なお話になりますので、難しくなるかと思います。ご質問はお受けしておりますので。





 まずカフェインとは何か。それは紅茶を紅茶たらしめている物質であり、これを目的として飲んでいる方々もおられるものですね。


 化学的にはアルカロイドの一種です。様々な生物の中に存在し、窒素を含む塩基化合物の総称になります。同じグループ内に、ニコチンやコカイン・モルヒネなどがあり、薬理作用を持つものが多いです。


 カフェインそのものは精神刺激薬であり、覚醒作用・解熱鎮痛作用・利尿作用・強心作用などがあります。皮下脂肪燃焼効果もあるようで、ダイエットには向いているようです。この覚醒作用を必要として、紅茶を飲む方々も多いかと。


 副作用としては、不眠・めまいがあります。そのため、多量のカフェインを摂取すると、めまいとそれに伴う気分の悪さを呈する『カフェイン酔い』になる事があります。もちろん個人差がありますが。ただ紅茶や緑茶の場合、カフェインにはアミノ酸やカテキンが結び付いているため、吸収は穏やかになります。「コーヒーは飲めないけど、紅茶なら大丈夫」という方々がおられるのは、このためかと。


 それとやはり体内に取り込む異物ですので、大量の摂取は危険です。一般成人で、10g~12g以上が危険と言われています。しかし紅茶でこれだけのカフェインを摂取するためには、カップ換算で200杯程度も飲まないといけない計算になるので、そこまでの心配をする必要はないでしょう。


 ですが、心配されるのは妊娠中の胎児についてです。

 カフェインは通常ならば、体内で尿酸に代謝されて排出されるのですが、胎児ではその代謝の力が強くなく、影響が長続きしてしまう所に難点があります。そのため、妊婦はあまりカフェインを摂取しない方が良いとされています。

 それでも1日紅茶1杯程度なら、あまり過敏にならなくても大丈夫なようです。






 なお、カフェインの効果には個人差がありますし、飲み続けていると耐性もできてしまいますから、上記の用量が当てはまらない方々もおられますので、ご注意を。


 それから、「紅茶は飲めるのにコーヒーはダメなの」という方。その場合はカフェインではなく、コーヒー独特の『クロロゲン酸』が影響しているのかも知れません。胃酸の分泌を促す成分です。胃酸の出過ぎで胸焼けが起こっているのかも。


 いずれにせよ、適度な量であれば有益な成分として働きますので、うまく付き合って行きましょう。

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