第2話 紅茶に最適なカップの材質

 今度は、紅茶を飲む時に必要なカップの材質、特に『ボーンチャイナ』について語って行こうかと思います。


 まずは『陶器』と『磁器』の違いからご説明しましょう。

 陶器は、粘土に水を含ませて練って成形して、焼き上げたもの。釉薬などをかけて表面にガラス質をまとわせるものもあります。

 磁器は、『陶石とうせき』と呼ばれる石の粉末に水を合わせて練って成形し、焼き上げたもの。薄く硬いのが特徴です。







 紅茶を飲むのにオススメなのが、『ボーンチャイナ』と言われる材質のものです。その製法とは?


 ボーンチャイナは、骨灰こつばい(ボーンアッシュとも)と呼ばれる、油脂分とニカワを取り除いた骨を、焼いて砕いて粉末にして、それを粘土に混ぜて水と合わせて練って成形し、焼き上げたものです。

 特徴としては、陶器よりも滑らかで白く、磁器よりも軽い、両方の良い所取りな焼き物になります。分類的には、磁器に含まれるでしょうか。





 ボーンチャイナは紅茶に適している器です。

 薄く作る事が出来るため、口に当たるふちの部分が薄くなり、口当たりが良くなります。それから、白磁の器と同じような白さの器になりますので、紅茶の水色すいしょくである綺麗な琥珀色が映えます。

 色柄も付けられ、華やかな装飾が施されますので、見た目にも鮮やかです。






 さてここからは、そのボーンチャイナで有名な陶磁器メーカーさんを簡単にご紹介。一度はこれらで紅茶を頂きたいものです。


●ウェッジウッド

 言わずと知れた英国王室御用達。

 ワイルドストロベリーが有名。


●ミントン

 ハドンホールという柄が有名なメーカー。意外とお値段はお手頃。


●ロイヤルコペンハーゲン

 デンマーク王室御用達のメーカー。

 白地に細い線の模様が特徴的。


●スポード

 『スポードブルー』と言われるほど、青の発色が美しいメーカー。


●ノリタケ

 日本の陶器メーカーとしてはかなり有名な所。『オールドノリタケ』という古い時代のものになると、価値もかなり高いです。


●大倉陶園

 こちらも日本のメーカー。繊細な模様が特徴で、なかなかに綺麗です。


 まだまだありますが、今回はここまでで。

 是非こういったカップで紅茶を召し上がって頂きたいですね。紅茶の美味しさが、また違ってきますので。


 蛇足になりますが、最近は『ニューボーンチャイナ』という、普通のものよりも安いカップ出回っています。こちらは、粘土に長石を混ぜて高温で焼き上げたもの。ボーンチャイナに似た乳白色の器で、使い勝手も良いです。こちらもオススメですね。

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