幻の秘められた空中都市
空中都市マチュピチュの伝説
1911年、若き考古学者ハイラム・ビンガム彼によって発見されたのが、
天空の遺跡マチュピチュです。
アンデスの山々に囲まれた広大な遺跡。
眼下を見下ろすと、遥か下に鳥が飛び、雲と霧が下から昇ってくる。
そんな幻想的な遺跡です。
その発見は、偶然から始まりました。
「この山の天辺に遺跡がある」
土地の少年がたまたま口にしたその一言からマチュピチュは発見されました。
発見された当初マチュピチュは、幻のビルカバンバと呼ばれていました。
しかし、1976年にアマゾンの密林で発見された遺跡「エスピリトゥ・バンバ」と呼ばれる遺跡が、後にビルカバンバだったと確認されています。
マチュピチュは、ビルカバンバではなかったのです。
しかし、このエスピリトゥ・バンバ遺跡からは、文化的価値や財宝類は一切発見されていません。
(ここも、ビルカバンバではなかったのかも。今もどこかに眠ってる可能性は大?)
マチュピチュを作り出したインカ帝国は、大航海時代の歴史の中でピサロをリーダーとする数十人の侵略者によって滅ぼされました。
滅ぼしたのはピサロ一行ですが、インカ滅亡のきっかけになったのは、偶然とも言える伝説のせいと言われています。
その伝説とは、
「我々が最も苦しいときに、天から白い顔の神が訪れる。神は我々を救ってくれるだろう。」
というものです。
(偶然とは言っても、神様の使いが突然襲って来たら疑いそうなもの。1つの民族を滅ぼす伝承や信仰心、思い込みって怖いですよね。)
それに加えて、初めて目にする火薬や大砲。
ピストルに馬を見てインカの人々は、一目散に逃げ出しました。
この時のインカ側のピサロ一行のイメージが残されています。
「体が白くて、毛むくじゃら。金属の服を着て、大きな野獣に跨がり、雷と稲妻を投げつける男」
と言うものだったそうです。
(確かに初めて白い肌の人を見て、鎧に馬にピストルを見たら、そう思い込んでも仕方ないかも。)
皇帝アタワルパは捕まりますが、1つの提案をピサロ一行に持ちかけます。
「部屋一杯の金と銀を与えるから、帰ってくれないか?」
約束通り小屋一杯の金と銀。
それに目がくらんだピサロ一行によって、アタワルパは処刑されました。
皇帝が居なくなれば、もっと金銀財宝が手に入ると思ったのでしょう。
その時の金と銀の量は、ヨーロッパの半世紀分の生産量だったそうです。
その後、インカの人々は密林の奥地へと逃れていきます。それを追う侵略者達。
最終的に、インカ最後の皇帝も捕まります。その時には一粒の金も残っていなかったそうです。
それを不審に思った侵略者達は、勝手に黄金都市エルドラドを作り上げ、ビルカバンバの伝説を作り上げていったと考えられています
そんな侵略者達の目から隠すように、マチュピチュは山の頂上に作られています。
狭い山頂にいくつもの段差があり、高低差をつけて作られたマチュピチュは、インカロードと呼ばれる秘密の獣道で地上と繋がっていました。
自給自足が出来て上水設備があり、完璧な都市機能を持つマチュピチュが何の目的で山頂に作られたのか?
いくつもの仮説がたてられました。
インカの宗教や治療に使われる大麻栽培の為、財宝を隠す為と言われていましたが、可能性が高いのは神殿都市だったのではないかという仮説です。
それを裏付けるようにマチュピチュには
太陽の神殿、月の神殿、王女の神殿、3つ窓の神殿等があります
これらは、冬至や夏至、日時計等の機能を備えていると考えられています。
(当時の天文知識は、宗教と密接に繋がっていたんですね。)
そして、発見された遺骨のほとんどが女性。
彼女達は、太陽の乙女と呼ばれて神事や祭祀の時に、生け贄として神に捧げられたと思われる女性達です。
当時の感覚ではとても名誉ある役目とされていました。
彼女達は、太陽の花嫁として永遠の命を授かったと言われています。
そう考えると、空中都市での生活が何となく想像出来ます。
修道院のような、日本神話の高天ヶ原のような女性の園。
(天空の秘密の楽園的なものでしょうか。男の人は大喜びしそうですけど。)
地上から離れている間に、いつの間にか訪れる人も居なくなり、次第に寂れ滅んでいったのでしょうか?
マチュピチュの調査は、今も行われているので新発見に期待が持てます。
コンドルの神殿と呼ばれる遺跡の地下には、まだ発掘されていない遺跡もあるそうです。
もしかしたら、その遺跡から幻の金銀財宝が発見されるかもしれません。
アマゾンの密林には、まだ未調査の遺跡が多く眠っています。
密林に飲み込まれるのが早いか調査が早いか。
エルドラドやビルカバンバが発見される可能性も、わずかながら残されていると思いたいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます