謎に満ちた遺跡と隠された伝説

猫執事

グラストンベリーに眠る伝説の英雄

イギリスのグラストンベリー修道院には、

伝説的な英雄と、英雄が愛した王妃が眠ると言われています。

魔法の剣エクスカリバー

円卓の騎士

魔法使いマーリン

妖精の女王モルガン

等の個性豊かな登場人物でしられるRPGの見本のようなアーサー王と麗しき王妃ギネヴィアです。


歴史的には実在を示す証拠がなく、全くの創作物だとか、複数の王達の話をまとめて騎士道の手本書として創られた等と伝説の域を出ていません。

ところが12世紀の終わりにグラストンベリー修道院が火事になり、その復旧作業中、上流階級の墓と思われる遺跡が発見されました。

樫の木の棺の上には鉛の十字架が置かれ、ある文言が刻まれていました。

「高名なるアーサー王、麗しきギネヴィアと共にアヴァロンの島に眠る」

アーサー王と思われる遺骨の側に、ギネヴィアと思われる細い女性の遺骨もあり金色の長い遺髪も見つかったんです。


アーサー王の伝説にあるアヴァロン島とは、この世の彼方の地と呼ばれており正確な位置も特定されていません。

リンゴが実り気候は穏やかで、雨や風や嵐もなく妖精達が暮らし、傷を負った戦士達が永遠の休息を得る場所と伝えられています。

魔法の剣エクスカリバーも、この島の主でアーサー王の姉、妖精達の女王と呼ばれるモルガン・ル・フェイの指示の元で妖精によって鍛えられ造られたそうです。

若きアーサー王は、魔法使いマーリンの導きでアヴァロンを訪れ、湖の妖精ヴィヴィアンから剣を受け取った。と伝説にあります。

その時の条件として

「アーサー王が死んだら、エクスカリバーを湖に返ように」

と言われました。

そのエクスカリバーを片手に、円卓の騎士と聖杯を巡る冒険をして王としての道を歩み、王妃とランスロットの秘密の関係に、人として悩み苦しみます。


(当時の騎士道と横恋慕、浮気に不倫その違いがよく分かりません)


その晩年アーサー王は、クーデターを起こしたモードレッド(甥、または結婚前の子と言われています)との壮絶な戦いの末に相討ちになります。

そしてモルガン・ル・フェイによって、アヴァロン島に運ばれます。

エクスカリバーもその時に湖の妖精ヴィヴィアンに返されますが、その際の従者とのコメディのようなやり取り、アーサー王に先立たれた王妃ギネヴィアと、その王妃に愛を誓うランスロットとの少し物足りない結末。


(この辺りは、ランスロットどうなのよ?と突っ込みたくなるのであしからず)


魔術師として一世を風靡したはずなのに、恋人によって永遠に空中廊に閉じ込められてしまったマーリン。

マーリンが閉じ込められたせいで、地下世界で同じく永遠に金属加工することになってしまった小人達。


(この辺りは、ブルフィンチ作のアーサー王物語の中に詳しく書かれていますので参考になればと思います。)


そんなアーサー王と王妃ギネヴィアの眠るアヴァロン島ですが、イエス・キリストも

アリマタヤのヨセフと共に訪れた事がある。と言われています。

その場所には、イエスの来訪を記念してキリスト教の教会が建ちました。

その場所こそが、「グラストンベリー修道院」と言われています。

今では陸続きの土地ですが、かつては深い森に囲まれた沼地と、抜け出せない深い泥に囲まれた湿地帯で、簡単には辿り着けない広い島が真ん中にありました。


(霧に浮かぶように見えるその島を、昔の人は伝説の島アヴァロン島と呼んだのかもしれません。)


アーサー王と王妃ギネヴィアの遺骨の行方はどうなったのかと言うと~。

空気に触れると消えたとか、柩を閉められ戻されたとか、宗教戦争の最中に誰かに持ち去られた等と言われています。

結局どこに行ったのか?

再び戻されたのか?

そのあたりは正確に分かっていません。

現在のグラストンベリー修道院の敷地には、祭壇があったと伝えられている場所に

長方形の芝生が植えられて、

「 アーサーの墓の跡」

と書かれた立て札のみがあるそうです。


伝説に語られるアーサー王

麗しき王妃ギネヴィア

それを見守る騎士ランスロット


(ランスロットのイメージ的には柱の影からチラリと見守る感じ?)


妖精の女王モルガンや魔法使いマーリン


(恋人に騙されて、空中牢に囚われたままというもの少しカッコ悪いかも)


再び伝説が甦るその日まで、伝説にあるような冒険をしたり嫉妬したり、妖精の膝枕で眠ったりと今でもアヴァロンで笑って暮らしているのかもしれません。


歩かなくても動く床

勝手に動く機械の数々

人のように喋り考えるAI

空を飛ぶ機械、ネット環境。

数え上げればキリのない現代社会の魔法のような文明を、彼らはどうみるのでしょうか。

進化した人類と見るのか、妖精や魔法使いの世界と見るのか、スマホが通じるのならぜひ聞いてみたいと思いませんか?

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