第34話三十、秋山之下氷壮夫

三十、秋山之下氷壮夫(あきやまのしたひょうおとこ)と春山之霞壮夫(はるやまのかすみおとこ)の神話

●さて、この天之日矛の娘に、伊豆志袁登売神(いずしおとめかみ)がおられて、多くの神がこの神が欲しいと思うけれど、誰も結婚が出来ない。

その時に二人の神がいて、兄の名を秋山之下氷壮夫、弟の名は春山之霞壮夫。そして兄は「自分は伊豆志袁登売に求婚したけれど結婚できなかった。弟に「お前はこの乙女を手に入れることができるか」すると弟は「たやすこと」と言った。

そこで兄が「もしお前がこの乙女を妻に出来たなら、自分はこの上下の衣を脱ぎ、身の丈ほどの甕(かめ)に酒を醸し、山河の産物をそろえて御馳走する、などと賭けてみょう」と言った。

すると弟は、兄の言った通りに母親に申した。

そこで母は藤の蔓を取って来て一夜のうちに、上下の衣と、

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