第17話十三、天下り神話
十三、天下り神話
●タケミカズチ神の国譲りによって、アメノオシホミミ神「今、葦原中国の平定が終わったと報告が有り、委任をしたようにアメノオシホミミ神に葦原中国を統治をしなさい」と命じられた。
指示を受けたアメノオシホミミ神は「自分が天下りをしょうと用意をしている間に子が生まれました。
名はニニギ神と申します。この子に天下りをさせると良いと思います」アメノオシホミミ神は、すでにタカギ神の娘のヨロズトヨアキツシヒメ神と結婚をしていた。ニニギ神の兄アメノホアカリ神が生まれていたが、弟のニニギ神が選ばれた。
そこでニニギ神に「豊葦原の水穂国に降り統治をしなさい」と命じられた。
そこでニニギ神が降ろうとされた。
天上界から天の道の八つ辻の分岐点に立たれ降ろうとされたその時に、下から明かりを照らす神があった。
そこで不審に思ったアマテラス大神とタカギ神が、アメノウズメ神に「なよやかな女神(色気)である、『天孫が降ろうとする道で何をしょうとしているのか』と問うように」と命じられた。
アメノウズメ神に問われた不審な神が答えて「私は国つ神のサルタヒコ神です。ここでお待ちしている理由は、天つ神の天孫が天下れることを聞き、ならば先導しお仕え致したく、お迎えに参った次第です」と申し上げた。
用意が出来て、天降る時に、天の岩戸に使用した五種の首長分け加えて天下った。
“勾玉と鏡、草薙の剣”とまたお供に思金神・手力男神・天石門別神をお付けに成った。
それぞれの神々には、天下りにお祭りをする鎮座する神々に役割を与えた。地上で役割を与えられた神々はされぞれの地域の氏族の祖先になられた。
そこで天孫のニニギ神には高天原の玉座を離れ、天の八重にたなびく雲を押し分けて、荘厳な御幸の道を歩み、開き進んで行った。
そこで地上を望める天の浮橋に浮島があるので、そこで悠々しく立たれ、筑紫の日向の国の高千穂の聖なる峰に舞い降りられた。
天下りには、アメノオホシ神とアマツク神の二人が同行し、天上界の堅固な勒を背負い、柄頭が槌状の太刀を身に付けて、天のはじ弓を手に持ち、天の真鹿児矢を脇にはそんで、先頭に立って、お仕え申したのである。
天と地の境界線に立たれたニニギ神は「ここより韓の国に向き合い、探し求めて笠紗の岬を通り行き、日差しの射す国、夕日が照り輝く国こそ、吉の地である」と示され、大地の岩盤に柱を太く立て天高く宮殿に千木を立てられた。
天降れたニニギ神はアメノウズメ神に命じて、この天下りに際して先導役を務めたサルタヒコ神に労われ、アメノウズメ神は猿女君として志摩の地に送って行くように命じられた。●
☆天下りの説話場面は天上界ら地上に降る光景を描写したものである。
さしずめ天孫の御子ニニギ神が筑紫は日向の高千穂の峰に降った折は感動的光景である。二人の供を従えて、武具を持たせて悠然と神々しく荘厳に峰々の頂点に立つ光景はまさしく『古事記』最大の憧憬である。
タケミカヅチ神の国譲りが成立を受けてアマテラス大神とタカキ神は、今、葦津中国の平定の報告が有ったので、以前委任をしたアメノオシホミミ神に葦原中国に降るように指示が出された。
指示を出されたアメノオシホミミ神は「自分が天下りをしようとっ支度をしている間に子が生まれました。
名は迹々芸神、この子を降す良いかと思いますとアマテラス大神に進言をした。
この御子はアメノオシホミミ神とタカキ神の娘の万幡豊秋津師比売神と結婚をし、兄の天火明神がいる。その次に生まれた御子が迹々芸神(ににぎかみ)である。
そこで再び迹々芸神に葦原中国へ降ることに委任された。
言葉に従って迹々芸神が天下りをしようとする時に、天の八辻の分岐点に差しかかた時に、上は天上を照らし、下が下界を照らす神がいた。
アマテラス大神とタカキ神がアメノウズメ神に向かって、お前はふくよかな女神である。不審な神に出会ってもお前の眼力はにらみ勝つ神である。お前ひとり行き問うべきは『我が子孫が天降ろうとする道に居るのは誰か」と問え』と指示された。
アメノウズメ神は支持された通り問うと、相手は自分は国つ神で、名は猿田毗古神です。ここに来たわけは、天つ神の御子孫が天降るなされと聞き、先導してして、お仕えしたくて参りました。
先導するサルビコ神が案内役をかってきてくれて一同ここ強い思いで天降ることになった。
アメノコヤネ神・フトダマ神・イシコリドメ神・アメノウズメ神・タマノオヤ神の五神がそれぞれに五の職能を持つ首長を分けて加えて天下りをされた。(五つの職能は各氏族の祖先となった。アメノコヤネ神は中臣連・フトダマ神は忌部首の先祖・アメノウズメ神は猿女君の先祖・イシコリドメ神は鏡造り連の先祖・タマオヤ神は玉祖連の先祖)
そして三種の神器となる、勾玉・鏡・草薙の剣をトコヨオモイカネ神、テジカラオトコ神、アメノイワトワケ神に付けて下された。
アマテラス大神はこの鏡は唯一我が御霊として、我を祭ると同様に祝い祭りなさい。
次にオモイカネ神には今言った事を守り取り仕切り祭事執行しなさい。
ニニギ神とオモイカネ神の二神は伊勢の皇太神宮を拝み祭りなさい。
伊勢神宮の外宮として、渡会のに鎮座する神、登由宇気神(とゆうけかみ)を。宮廷の御門の神は天石戸別神(あまいしどわけかみ)を。
以上の神々をアマテラス大神は任務と指示命令された。
ニニギ神は高天原の玉座を離れ、天の八重にたなびく雲を押分けて、荘厳な御幸の道を開き進んで、天の浮橋の浮島に立って、そこから筑紫の日向に向かって高千穂の聖なる峰にお下りになった。この天降りに当たって、天忍日神と天津久米神の二人が同行し、天上界の堅固な勒を背負い、柄頭が槌状の太刀を身に付けて、天のはじ弓を手に持ち、天の真鹿児矢を脇にはそんで、先頭に立って、お仕え申したのである。
天と地の境界の地の山頂に天下ったニニギ神は「ここは韓の国に向き合い、探し求めて笠紗の岬に通り過ぎ、朝日の刺す国、夕日の照輝く国である。この土地も吉の場所である」と仰せになり、太地の岩盤に宮殿の柱を太くして、天空高く宮殿に千木を上げてお住まいになった。
☆「猿女君になった天宇受売命」
天降られた迹迹芸命は天宇受売命に「この度天降りの先導をつとめ仕えた猿田毗古神について、お前が送りなさい。またその神の御名はお前が受け継ぎお祭りしなさい」と仰せられた。
そこで猿田毗古之男神の名前を継いで、女は猿女君と呼ぶ縁起になった。
☆この猿田毗古神の海鼠(なまこ)についての謂れについて書かれている。仰せに従って猿田毗古神を送って戻って海の大小に生き物を集めて「お前たちは天つ神の御子孫に仕えいたすかと問われた」多くの魚達は申したが海鼠だけは言わないので、天宇受売命は「この口だな、返事をしない口は」と言って小刀で口を裂いた、だから今でも海鼠の口は避けていると言う説話である。
◎猿田毗古神を無事送り届けて、猿女君の天宇受売は天の岩屋戸の時にも踊り舞い天照大御神を気を引き連れ出す時に大活躍、その役割は行事の祭司のような役目、それが霊能者や祈祷師、大嘗祭、鎮魂祭に進化させていたのではと思われる。猿女の元々の居住地は稗田(奈良県は大和郡山市付近)『古事記』を誦習した稗田阿礼の出身地とされている。天宇受売は稗田阿礼の祖先と言われている。
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