第4話「火神迦具土神とイザナミ命の死」

「火神迦具土神とイザナミ命の死」

●奇想天外の発想、火の神を産んで陰部に火傷を負ってしまう。その為に病床の中で七神を産んで死んでしまう。火の神の子こそ火神迦具土神(カグツチ)である。イザナミの夫でカグツチの父親は怒り狂って十拳で切り捨て、飛び散った血液から多くの神が生まれる。●


「愛しき我がなに妹の命を子の一木に易へむと謂ふや」(愛しい我が妻よ、お前の子一匹など引き換えにできようか)イザナミ神が横たわる遺体の枕もとを腹這いに大声で泣いて悲しみ、その涙で奈良香久山畝傍の木本に鎮座する神、泣沢女神である。

イザナミ命は火神迦具土神を生んだ時に陰部に火傷を負い、病床のなか七神を生みやがて死んでしまう。

イザナキ命は嘆き悲しみ、イザナミ命の遺体を出雲の国と伯耆国の境界にある、比婆の山に葬った。

火神カグツチ神の出産で死んだ怒りは、カグツチ神に向けられ、イザナキ命は十拳の剣でその子カグツチ神の頸を切り捨てた。

◎すると剣先に着いた血が飛び散り、岩のなどに神聖な血がかかり、

その血液から◇石折神(いわさくかみ)・◇根草神(ねくさかみ)・◇石筒之男神(はしはつつみのおとこかみ)の三神が生まれた。

◎次に剣の本に着いた血液から◇甕速日神(みかやはやひのかみ)・◇樋速日神・◇建御雷之男神(たけみかづちのおとこかみ)

の三神が生まれた。

◎剣の手上に付着した血液から◇闇淤加美神(くちおかふかみかみ)・◇闇淤津羽神(くちおかつみかみ)が生まれた。

血液から生まれた神々は八神生まれた。

◎次に体の部分から生まれた神は、頭より生まれた神は◇正鹿山津見神次に胸から生まれた神は◇

淤勝山津見神(おどかつやまつみかみ)次に腹か生まれた神は◇奥山津見神(おくやまつかみ)・次に陰(ほと)から生まれた神は闇山津見神(やみやまつかみ)・次に左手から生まれた神は◇志芸山津見神(しぎやまつみかみ)・次に右手から生まれた神は◇羽山津美神(はやまつみかみ)・次に左足から生まれた神は◇原山津美神(ハラヤマツミ)・次に右足から生まれた神は◇戸山津美神まで八神が生まれた。

◎カグツチ神の遺体から生まれた神々は血液から八神、体の部分から生まれた神々は八神で一六神が生まれた。またカグツチ神が切られた剣の名は天之尾羽張という。

※イザナキ命とイザナミ命の神生みで、火神カグツチ神の出産は深読みすれば、古代創世記に氏族、部族の内部紛争、国内の反乱があった挿入話かもしれない。



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