第6話

2人が早く来たことにより僕ら3人はこの1時間で今日のショッピングを成功させるために建設的にプランを立てていた。しかし、沙耶と春音は双方向であったため、話し合いは難航を極めていた。


「沙耶ちゃんはどこへ行きたいの?」

「私のことはいいから、自分の行きたいところを教えてよ、春音。」

「今日は時間あるしみんなの行きたいところ行こう?」

「私達のことはいいから春音の行きた…ぐぅ。」


彼女らはこの会話を10分近く続けていた。僕はこの見飽きた争いに終止符を打つため沙耶の口をおさえ、話を切り出した。


「二人とも自分なりに今日のプランを考えてたようだけど、一応お互い何を買いたいか教えれくれない?」

「服。え?」

「服。え?」


「服」から、驚きの「え」までハモってた。


「決まりだね。」

「待って、まだ草汰の買いたいもの聞いてないよ。」

「僕?じゃあ、服…」

「本当なんだね?」

「ち、違います、すいません。僕、ファッションセンスなんて全くないから…」

「ほんとは何を買いたいの?」

「本かな?」

「なんでウソついてたのよ。」

「2人が服買いたいって言ってたし、本はいつでも買えると思ったから。」

「要するに、遠慮してたの?」


2人の言葉は僕の心は刺さってしまった。2人が遠慮し合ってから話を止めてたのを僕はすっかり忘れてしまっていた。


「時間あるのだし、本屋にも行きましょうよ。別に、草汰のためだけじゃないだから。」


僕は沙耶のことをツンデレ金髪美少女って言ってたけど、ツン100のデレ0のツンノミ金髪美少女じゃ…

これで裏とかでデレててもらいものなんだけどな。


「わかったよ。」

「沙耶ちゃん。」


この時、春音はこの間とは正反対の表情だった。満面の笑み。



僕はこのショッピングで2人のことを分析することを裏の目的としていた。今だとどんな服買うのかなど。



そして、予定していた9時になった。


「では、ショッピングモールへレッツラゴー!」

「沙耶、春音のためって言ってるのに、1番はしゃいでるな。」

「いいじゃない、こっちも楽しまないと春音も楽しくないだろうし。」


隣町まで電車に乗って移動した、僕は北海道に来る前から乗って学校に行ってたりしてたため、あまり問題もなかった。1つ問題を上げるとしたら乗車料金が高すぎる事だろうか。しかし、沙耶と春音の2人は電車に乗るのが初めてらしく感動していた。


「おぉーー。」

「おぉーー。」

「おぉーー。」


沙耶と春音の2人と僕とは別々の感情を抱いた『おぉーー。』だった。









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僕の家は君たちの家じゃない @daydream_0323

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