舞台裏2

「さて、可変盾の実験を始めよう」

 オレンジネクサスの操縦席に座ったノイベルトは、脳裏に映像を浮かべる。

「我ながら、ちょっとイタいな……。けど、言わなきゃ始まらない! さあ、『盾よ、剣と成りて我が敵を刻めシルト・シュヴェーアト』!」

 ノイベルトが叫び終えると同時に、盾が変形を始める。

 3秒と経たず、二股の大剣(音叉に近い形状)へと変化した。

「ふう、私のかつての言葉とはいえ……。まあ、もう変更出来ないし、そんな長くしても意味ないからな、“起動キー”は。それじゃ次にいってみるか。『剣よ、盾と成りて我が身を護れシュヴェーアト・シルト』!」

 別の言葉を唱えると、今度は元通りの大盾に戻った。

「よし、実験成功!」

 ノイベルトは満足げに、コクピットシートに背を預けたのであった。

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