第4話
側室になったからって何もかわらない。
毎日、殿と帰蝶様と3人でお茶のお稽古するか、帰蝶様とたわいもない話した。
ある日、帰蝶様と殿に呼ばれて大広間に行った。そこには外国の人がいた。
商人?でも教科書でみたような?
キリスト教布教した人?が話してる。
「Are you the president in company ?」
最初は母国語なのか、さっぱわからないかったけど伝わらないのがわかったみたい。この人英語すこししゃべれるみたいだ。
「こまったわ。今日急に来られたから異国の言葉がわかる人がいないの。
まさかリコわかるとか言わないよね?」
『さすがに全部はわからないけど少しわかります。』
帰蝶様は、目を丸くしてビックリしている。
『No,but He is a man of important in county.
Sorry, We can't speak English.』
『oh!I will come agin,』
『Bey』
ほっとした。英会話はすごく苦手。片言でわかってくれてよかった。
殿が近づいてきて
『リコ異国の人と何をはなしたんだ、みんなに話しろ。』
なんかすごく機嫌が悪そう。
『えーとですねー。殿は会社の社長ですか?みたいな事言われたから、いいえ、この国の有力者です。今日は英語をしゃべれる人がいないって言ったら、また来ますって相手が言ってた。』
『ふ〜ん。本当にそれだけか?』
『はい。』
『今後異国の人と話すことを禁ずる。』
その夜もう寝ようかな。とか、思いながら空を見上げていた。今日は満月、月は今も昔も一緒なんだなって思って縁側でみていたら、ヅカヅカと殿が入ってきて、どかっと横に座る。
『リコ、満月をみているとまるでかぐや姫だな?帰ることはゆるさない。
異国の人とも話すこともだ。異国に帰る相談なんかさせない。』
『えっ、心配しなくても私英会話できないから難しい会話とかできないわ。』
(それに相談したって平成には帰れないし。)
と思っていると、そっと抱きしめられた。
『これ以上何でもできなくてよい。ここでお茶なんか教えて俺の側室でいればいい。
月みてるおまえは月に帰るかぐや姫にみえたぞ。』
とのぞきこむ顔はいつもの俺様ではなく、おいてかれそうな子犬みたい。ドキドキする。
そんな顔反則だよ。
そっと顔が近づいてきてかるいキスをした。
『今すぐには帰れないわ。』
と言って目をそらすのが精一杯だった。
何日かたって殿がやってきた
『町に出かけてよう。』
私は笠を被って、殿は市井の人々と同じ格好で歩いた。
(デートみたいでドキッとする。)
『何かほしいものがあれば買ってやろう。』
『そうねー。あまりないんだけどお花が欲しいわ。お茶室に飾りたいし。』
安土の城下町は沢山の人達がいて賑やかだった。美味しいそうな食べ物も沢山あって迷ったけど、平成で昔食べたおやきににていたものがあったのでそれを殿にお願いした。殿はふたつ買ってくれ、一緒に食べた。とってもおいしかった。
『リコ、そろそろ帰ろうか?』
道端で、女の子が家で育てたか摘んできたのか桔梗の花並べて売っていた。これにしようと近づいていくと、ガラの悪いおじさんが女の子に近づいていって並べていた花を蹴飛ばした。
『何勝手なことしてるんだ。座に話もなくこんなことしたらどうなるか、わかっているのか?』
女の子は泣いて
『おかあが寝たきりになってご飯もありません。ゆるしてもらえませんか?』
『ひどい!どうしてあんなこと。』って駆けよろうとすると殿が腕を掴んだ。
『リコしょうがないんだ。ここで商売するには座にはいらなければならない。座は皆んなをまとめたり、売上のなかから城にお金をまとめて納めるんだ。』
(座って組合?みたいなもの?)
『座に入らないと商売できないってことなののね。』
柄の悪いおじさんが去った後女の子に駆け寄った。
『働かなきゃいけないなら、私のとこで下働きさせたいの。殿お願いします。』
『わかった。好きにしろ。』
明日から城にくるように話しして、蹴飛ばされた桔梗の花をもらいかえった。
お茶室に飾っていると、殿がきて。
『じゃリコの国とちがうのだな?』
『そうよ。誰でも商売ができるし、座みたいなものもあるわ。例えば、このリンゴ。
リンゴを作った人は座にもお金を納めるからリンゴ1つに自分のお取り分と座に納める分と殿に納める分を足して売らないといけないじゃない?でも座がなければリンゴ1つに自分の取り分と殿に納める分だけだったら安くできるよね。そしたら買う人も安いリンゴがいいし、商売する人も自分のお金を増やして売ることができるし、みんな競争するから質のよいリンゴや安いリンゴ、買うほうも選んで買えるのよ。』
『なるほどな。』
それがヒントになったかはわからない。
後日、安土の町は楽市楽座となり他の町より繁栄した。
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