第3話

「相変わらずよくそんなプレイスタイルをするわね」

「これでも俺が勝つんだよ?これじゃないとLv制限もできないんだし」

「なら転生アイテムで何か別の種族にすれば?そうすればLv.1になるよ!」

「そんな高いアイテム買えるわけないだろ!?」


 俺たちはスポンサーを受けているわけではない。

 趣味だからこそ、このように自由にやっていけているんだ。

 だから現状、課金要素が増えると本当につらくなる。

 武器・アイテムコンプ勢を殺しに来るのは本当にやめてほしい……。


「じゃあ戻りましょうか」

「ん?なんかメッセージが来てる」

「とりあえず戻ろうよ。あと数秒したら強制送還されるし」


 ゲーム終了後、自動で元いた場所へと戻される。

 それと同時に報酬も手に入るが、俺たちはボックスに行くように設定してある。


 なぜゲーム終了後に移動されるかというと、ここは一戦ごとに作られているわけではなく、使いまわされているステージだからだ。

次に使うプレイヤーもいるから戦闘終了後、最大でも3分しかいられない。


「ところで何のメッセージ?またギルド戦?」

「いや、ちがうみたい。なんかのクエストみたいだよ」

「クエスト?まだクリアしていないクエストなんてあったかしら?」

「そんなはずはないよ。この前の新規クエストはしっかり全部クリアしたし。予告もなしに来るものかなあ」


 でも確かにクエストが来ていた。

 メルだけではなくファラと俺にまで。

 内容は『新しい世界』と書かれている。

 新ステージなのか?


「掲示板やSNSには載っていないね。書きこんでみる?」

「いや、俺たちだけ先に行こう。もしかしたら何かの特別クエストかもしれない」


 今までそんなことはなかったが、新しく導入されたシステムかもしれない。

 俺たち神の代理人ゴッズ・エージェントは運営から公式認定にならないかと言われるほど有名だ。

 そう考えれば新ステージのテストプレイヤーという可能性もある。

 でもそれならしっかりそう書いてほしいもんだな。


「じゃあさっそくやってみましょう。あら?条件が書いてあるわ」

「『クエストはLv.1から始まります。また、装備アイテムは自動で外されます』だってさ」

「まあしょうがない。このネックレスは外しておくか」


 俺のLvはカンスト済み。

 もちろんファラもメルも。

 久しぶりに自分のちゃんとしたLvを見たな。

 いつも輝かしい1だったのに9999になっている。


「それじゃあ押すよー!せーの!」


 押した瞬間、俺たちはどこか遠くの村へとワープされた。

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