記録3
今我が家のPCの前に座っている。正確に言えば、私の個人用端末の前である。家の中のあらゆるモノはマザーコンピュータから制御が可能で、私の個人用端末もマザーの制御下にある。
といってもその制御は、各々使用者のルールに準じている。我が家の使用者であるところの両親は理解のあるほうで、 マザーからのこれといった制御は受けていない。各端末の行動も全てトレースできるようになっているが、私の端末に至ってはそのトレースもできないようになっている。らしい。
真実はわからないが、そうゆうことになっている。 正直、健康な高校生の端末をトレースしても誰も得をしない。親族であろうとプライベートには不可侵であるべきだ。とはいえ帰宅早々、性欲を持て余すつもりはない。
私が端末前に座っているのは、調べ物をするためである。 今日、放課後にクラスメイトからとある噂を聞いた。 正体不明のネットワーク世界があるという噂である。そんな使い古されたゲームだかアニメだかのネタのような話を、鵜呑みにするのかと思われるかもしれない。
しかし私の興味を引くには、それだけで十分だった。結局私は退屈していたのだ。日常に。
食事の用意ができたようだ。調べ物はその後だ。
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