第9話

「ギヒヒ。この世で最高に辛い『ババアネロネロ』じゃからな。当然、致死量超過の不健康ドリンクは効果テキメンじゃ。これはとてもおいしいんじゃ。とろけるような口当たりで、胃腸もとろけるぞ。」


横たわったまま、腕で頭を支える姿勢で、宣伝する幼女教師。


「胃腸がとろけるなんて、濃硫酸系の劇薬に決まってるぢゃん。なあパコ!」


「とろけるなんて、おいしそう。ごくり。」


「なんなんでちゅかその反応は!」

木憂華のアドバイスは、箱子の脆弱な判断力には遠かった。


「そうでちゅわ、おやめなちゃい!」

吝奈も木憂華に同調した。しかし、吝奈は少しだけ沈黙したあと。


「ツッコミは時間の無駄。ツッコミするなら飲んだ方が早いでちゅわ。ゆっくり飲むのも時間の無駄。ここはイッキ!」


「やめろぢゃん!」

木憂華は吝奈を制したが、時すでに遅し。

箱子も吝奈を真似してイッキ。


「く、苦しい。でも気持ちいい~。」


「それ、うまいのか?」

ふたりを見ていた木憂華はふたりの飲みっぷりに乗せられて、ゴグゴクと飲んでしまった。


「辛い~。五臓六腑に辛さが染み渡る~。生き返らずに、死に帰る~。」

そのまま、床に倒れてしまった三人。


 幼女教師の趣味はなんと、行動不能に陥った相手をひんむくことであった。征服欲の強い者は、敗者を蹂躙することが何よりの至福の時だという。古来、人間が領土を拡大すると、征服された側は無抵抗でなすがままの奴隷と化しているのは、万国共通である。人間の自我とは膝を屈する他者の上に存在する。吝奈と木憂華は剥かれてわずかに下着を残すのみとなっている。


 幼女教師は教卓から降りてきた。


「楽しみは取っておこうかの。ギヒヒ。」

猥雑な笑みが幼女教師を支配している。


「だらしがないのう。それじゃあ、このままひんむくか。」

服を脱がされて、下着だけになり、ついに下着に手がかかった時、デカい悲鳴を上げた。

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