第3話
「もう、吝奈ちゃんもキューリー夫人博士も、いつもニオイ・血液セクハラひどいよ。油断もスキもないよ。」
「べ、別にセクハラがしたいわけではありまちぇんわ。目的はセクハラの向こうにあるんちゅから。欲しいのはニオイだけでちゅわ。ニオイは嗅ぎたいわけではありまちぇんわ。でもどうしてもって言うなら、鼻を傾けてあげまちゅわ。」
「そうぢゃん。パコがQの言うことを聞いてくれたら、こんなことしなくていいぢゃん。それより、酔いが回って少々熱いぢゃん。ひっく。」
木憂華は横座りになり、白衣の上のボタンを外して、前をはだけた。軽い盛り上がりが露呈してきた。
「キューリー夫人博士。朝っぱらからそれはダメだよ!」
「ちょっとだけぢゃん。あんたも好きぢゃん。朝っぱらがダメというなら、夜ならオールオッケーぢゃん。」
「小学千年生なんだからまだ夜もダメだよ。それにそういうことはカンタンにできることじゃないし。女の子としてはずっと心に潜めていたっていうか。ぽっ。」
顔を赤くした箱子。
「そこは照れるところじゃないでちゅわ。」
「そうだ、そうぢゃん。ひっく。」
こうして三人が土の路上に立った。三人いずれも身長は1メートルに満たない。
「あたしたちはもう高校生なんだよ。こんなことして遊んでる場合じゃないよ。」
「高校生でちゅって?それは正確な表現ではありまちぇんわ。」
「そうぢゃん。Qたちは、小学千年生ぢゃん。ひっく。」
「その言い方やめてよ!それだと、いつまでも小学生で、二千年、五千年、一万年経ってもず~っと小学生のままだよ。」
「でもそのままではありまちぇんか。ワタクシたちはこうして、背中に小学校を背負っているんですから。どっこいしょっとでちゅわ。」
「そうぢゃん。どっこいしょっとぢゃん。ひっく。」
「それはそうだけど、どっこいしょっと。」
三人は赤いランドセルを背負った。見た感じはそのまま小学生である。
箱子を真ん中にして、歩き出す三人。木憂華は足元がふらついている。
「いつも変わり映えのしない風景だねえ。ホント、刺激のない世界だよ。」
「仕方ありまちぇんわ。ここはそういう田舎なのでちゅから。」
「そうぢゃん。このまったりした生活こそが平和の象徴ぢゃん。これを満喫しないで、何を楽しみにするぢゃん。ひっく。」
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