7ページ目 恐怖の夜のけもの達(アラフェネバージョン)

「むむむむむ……。」

「どうしたの、アライさ~ん?」


ここんところ最近、あんまりおたからが手に入らないが……


「むむむ、むなさわぎがするのだー。きっと近くにおたからがあるのだ!」


「近くにおたからか~。本当にあるのかな~?」

「きっとあるのだ!アライさんのカンは当たるのだ!」


アライさんはいつもやせいのカンで様々なことをだいかいけつ!

……と言いたいところだが……。

そんなことも最近ないのだ!


「アライさんは!おたからを探しつつみんなをげんきにしてやって人気者になるのだ!」

「お~。アライさんにはかなえたいことがあるんだね~。」


そうなのだ!

全部全部アライさんにおまかs……




「人気者になりたいか~?」




「うぇっ?」


オレンジで黄色で黄緑なフレンズがいるのだ。

あやしいのだ!わるいヤツか?

髪の毛に葉っぱがついてるのだ。

……あれ!?


「大丈夫か!?頭をカボチャに食われてるのだ!」

「ああ、これは帽子ってもんだよ!大丈夫大丈夫!」


あぁよかったのだ!


「そういえば今日はハロウィンだったような~。」

「はろ……?」

「お化けの仮装をして~、『トリックオアトリート』ってみんなに言えばお菓子が貰える日だよ~。」


おかし!?

欲しいのだー!


「お化けのかそう?とやらはどこなのだ!?」

「まーまー、落ち着こうよ~。まずは自己紹介だよ~。」


「そうか!アライさん!アライグマのアライさんなのだ!」

「わたしはフェネックギツネのフェネックなのさ~。」

「ひひっ、あたしはジャック・オー・ランタンさ!」


長い名前だけど明るくていいフレンズなのだー!


「でもジャック・オー・ランタンってカボチャだったような~。カボチャもフレンズ化するんだね~。」

「まあカボチャは生き物だしねぇ。フレンズ化できるできる!」


フェネックにも優しいフレンズなのだー!




「……あっ、話戻すが、人気者になりたいならちょっと頼みたいことがあってな!」

「どうしたのだ?」

「このパークに『ハロウィン』を取り戻してくれ!」

「取り戻すー?」


「このパークのフレンズ、ほとんどハロウィンを知らないみたいで困っているんだ!知ってるフレンズもいるようだが……。でも、知らないフレンズも多いし、頼む!仮装をしてハロウィンの概念を広めてくれ!既にあたしの仲間達も協力しているから、仮装をしながらパークを歩いているだけでいいからさ!」


……困っているフレンズなのか!


「喜んで協力するのだ!」

「ありがとう、助かった!あ、仮装はこれ。これを来て歩きながらお菓子でも貰うといいぞ!」

「ありがとうなのだぁ!」




………………




あれからジャック・オー・ランタンとは別れて、かそうをしながら歩くのだ!

ばすてきだといちいち降りるのが面倒くさいのだ!

でもジャック・オー・ランタンとその仲間達の影響か、ハロウィンを知っているフレンズもちょっと多いみたいなのだ!


「そういえばアライさんは何のお化けなのだ?」

「としょかんで見たんだけど~。吸血鬼じゃないかな~?わたしは魔女だよ~。」

「へ~!よく分かんないけど、カッコいいお化けなのだ!」

「あ~、そだね~。カッコいいお化けだね~。」


ふふん、カッコいいお化けになれて満足なのだ!



でも、そこに……



「カッコいいのは我々なのです」

「なのです」


仮面をつけて、帽子もつけて、マントもつけている謎のとりさんコンビがいたのだ!


「え~っと……博士と助手かなぁ?」


「ち、違うのです!」

「そんなことより、トリックオアトリートなのです!」


「あ~……。そだね~。」


博士と助手?

でも2人は違うと言っているのだ。

フェネックのカンは外れたのだ?


「でも……お菓子はみんなから貰ったのしかないのだ。アライさんのがないのだ。」

「ならそれをよこすのです!」

「ダメなのだ!みんなからせっかく貰ったのにぃ……。」

「よこすのです!じゅるり!」


やっぱり博士と助手なのか!?


「この際あげるしかないよ~。」

「うぅ~……。イタズラされたくないのだ……。じゃあ、ジャ……」




その時だったのだ。




「お前らぁ!お菓子が欲しいかぁ!」


ジャック・オー・ランタンなのだ!


「あ、ジャック・オー・ランタンなのです!」

「お菓子をくれるのですか!?」


「ああ、いっぱいあるから好きなだけ持っていけ!」

「カボチャのアメに、カボチャの……カボチャだらけだけど……」

「美味しそうですね!いただきますですよ!」


謎のコンビはお菓子を持って飛び去っていったのだ!


「ありがとうなのだ!」

「いいんだぞ、でもハロウィンはお菓子をあげるのも醍醐味。あたしのお菓子なんか気にしないであげちゃってよ!」

「何でジャック・オー・ランタンのお菓子なのだ?」

「へ?」



「アライさんはジャイアントのお菓子をあげようとしたのだ。」



沈黙が続くのだ。

もしかして『ジャ』で間違えたのだ?


「……ひひひっ!」


あ、ジャック・オー・ランタンが笑ったのだ!

「きみ達は本当に面白いなぁ!ねえ、周りを見てみて!」

「周り?」


周りを見ると……


たくさんのフレンズがかそうして出歩いているのだ!


「成功か!?」

「ああ、きっと成功だ!」

「やったぁなのだ!」

「良かったねぇアライさ~ん。」


きゅうけつき&まじょ作戦大成功!なのだ!


「あ、そういえばジャック・オー・ランタンからはおかしを貰ってないのだ!」

「あれぇ!?そうだったっけか!?」


確かきゅうけつきは血を吸うお化け。

フェネックが教えてくれたのだ!



「トリックオアトリート!おかしをくれないと血ぃ吸っちゃうのだ!」

「わたしもトリックオアトリート~。お菓子くれないと魔法使っちゃうよ~。」



「……ひひっ、もちろんやるさ。中身を吸われたりカボチャの馬車になったりしても困るからね。ほい、カボチャのおかしをたくさんやるぞ!」



おお!

ジャック・オー・ランタンからも無事貰えたのだ!


「ありがとうなのだ!」

「ああ、それと、仮装と、仮装と一緒にあげたカボチャの小さいかばん。プレゼントするぞ!」

「おおおおお!本当にありがとうなのだーーー!」



これが、おたからだったのか……!

それにジャック・オー・ランタンはげんきになって、アライさんはハロウィンを広めたフレンズとして人気者に……!


フハハハー!!!




………………




あの後、ジャック・オー・ランタンとは別れて、アライさんとフェネックは自由にハロウィンを楽しむのだ!


「トリックオアトリートなのだ!」

「はわ……?何ですかそれー?」

「まだハロウィンを知らないフレンズか!」

「今日は~、お化けの仮装をして『トリックオアトリート』って言えば~、お菓子が貰えるのさ~。」

「はわわ~!?お菓子欲しいですー!かそう、とやらをしないといけないですー!」


そう言って白いフレンズはとしょかんの方向へ走っていったのだ。


「……フハハハ、ハロウィン大成功なのだ!」

「ジャック・オー・ランタンも喜んでいたね~。さすがだよアライさ~ん。」

「……アライさんカッコいいのか?」

「うん、カッコいいよ~。吸血鬼の仮装もしているし~。」

「フェネックだってまじょの仮装可愛いのだ!」

「そっか~。ありがと~。」



今日はおたからもおかしも手に入って大満足なのだ!

ハッピーハロウィン、なのだ!

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