6ページ目 倉庫でおたから探し~。

ばすてきはしんりんに入るね~、うん。

ここにはとしょかんがあるんだっけ~?

「フェネック!ここら辺にばすてきを停めるのだ!」

「はいよ~。」

停めたらとしょかんへ向かって歩くよ~。




「わ~、見えてきたのだーっ!」

としょかんだ~。

「おたからあるのか~?博士に訊いてみるのだー!ついでに人気者になる方法も訊いてみるのだ!」

まあとしょかんはいっぱいありそうだよね~。

あ~、アライさん行っちゃったな~。追いかけよ~。




「博士ー!助手ー!」

「何なのですか!うるさいのです!」

「としょかんと耳の良いフレンズの前では、シーッなのですよ!」

「うぇー!?ごめんなさいなのだ……。」


アライさん、またやってしまったね~。

そしてさりげなく聴力の自慢をする博士と助手ね~。


「……で?要件は何なのです?」

「おたからがとしょかんでなー!!?フハハハー!!!(突然の笑い)」

「落ち着くのです!アライグマはダメなのです!フェネックが説明して下さい!」

わたしの出番だね~。


「え~っとね~。アライさんは人気者になろうとしつつおたからを探していて~。わたしはそれを見まもってるのさ~。」


「……いつも通りですね」

そりゃそうだよ~。

わたしたちはマイペースで生きていくからね~。

「で!としょかんにはおたからがいっぱいあるみたいなのだ!」

「まあ、ヒトが遺した資料等は保管していますが。」

「それがおたからならば、やってもいい物はやるのです。」

「わーい!ありがとうなのだ!」

まあそれがおたからなんじゃないかな~?

わたしはそう思うな~。




………………




「ここです。この『倉庫』という場所に保管してあるのです。」

「さすが博士。大切な物は大切な物をしまう場所にしまうのです。」


大切な物……。

大切なもの……。


「さあフェネック、おたからを探すのだ!」

「あ、うん。」


おたから~。

大切なものが喜びそうな~。


「~♪」

「お?フェネック、ご機嫌なのだ!」

「『らいくあらいと』ですか……。」

「さすが博士。分かるのですね。」


気付いたら鼻歌歌ってたよ~。

えへへ~。


……ん~?


「これは~……」

「それは『手まり』です。ゆらすと音がするらしいです。」

「ホントだ~。シャンシャン鳴ってる~。」


アライさんは……


「うおぉ!?何なのだこれは!?」

「それはただの『ネズミのおもちゃ』です。叩くとゆらゆらゆれそうですが、あんまり強く叩かないで下さい。」

「ホントなのだ!ゆらゆらなのだ!」


いいねいいね~。


……でも~。


「おたから……。多くて多分ばすてきに入りきらないのだーーーっ!」


そんなトラブルがきたか~……。


「そんなに取らないで下さい!」

「一応貴重な資料なのですよ!」


そっか~。

じゃあ~……


「アライさ~ん、自分が1番欲しい物を1個だけ決めよ~?」


「……1個だけ……。」


しばらくしてアライさんは~。


「……これとこれで迷ってるのだ」

「それは……『タライ』と『洗面器』ですね。」

あれ~?もしかしてアライさんにぴったり~?

「……それならいいのです。2個ともやるのです。」

「やったあなのだ!」

アライさんのおたからは決まりだね~。


でも……

わたしもおたから欲しいんだよね~。


「……ん~?このいっぱいあるのは~?」

「それは『オルゴール』です。欲しければそれもやるのです。」

「ただし、音色がそれぞれ違うので、この中の1個だけならいいのです。」

「選ぶのです。」

へ~。

音色が違うのか~。

ちゃんと聴き分けて選ぼ~っと。


1個のオルゴールからは楽しげな音楽……。博士と助手曰く、博士と助手のうた『とっても賢いじゅるり"れしぴ"』のうたのもと、らしい。これは貰えないな~。

1個のオルゴールからは……あれ~?これってわたしたちが作ったうた『ハッピービスケット』?同じうたのもともあるんだね~。


……ってことは、もしかしたらあのうたも……




………………




あの後、わたしはとあるオルゴールを手に入れ、アライさんとばすてきで休憩中~。


「この後みずべ、ゆきやま、ろっじと行くのが何故かたびの基本ルートとなっているが……あえて違う方向に行くのもいいのだ!次に行くあてはこれから風まかせなのだ!」


いつもそうな気がするけど~。


あ、『行くあては風まかせ』っていうことも描いたうた……。

それが、わたしのオルゴールのうただよ。

ちょっとオルゴール使ってみよっか~。


「……お?オルゴールか?」

「そ~だよ~。アライさんにこの音色の良さが分かるかは分かんないけどね~?」

「何ぃ!ぐぬぬ、分かる!分かるのだー!」

「そっか~分かるか~。」


ちょっと背伸びしてるね~。


「でもついつい口ずさんでしまうのだ!これで足の疲れを忘れるのだ!私ー♪たちー♪マーイペースちぇーいさー♪」



……そだね~。

わたしたち……マイペースちぇいさーはこれからもおたからを追いかけたいから、足の疲れをしっかり取ろ~。

まあわたしが追いかけるものはちょっと違うんだけど~。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る