4ページ目 スナネコの家~。

ついにさばくちほー。

わたし得意なちほーだよ~。


「わっせ……はぁ、はぁ、暑いのだ、汗が止まらないのだぁ……。」

「うん、さばくに入ったらそうなると思ったよ~。はい、お水~。」

わたしは博士から貰った『すいとう』をアライさんに差し出す。

もちろん水が入ってるよ~。

「ありがとうなのだ!……んっ、んっ……ぷはぁ、生き返るのだ!」

「良かった~。」

「……でも、また喉が乾くのだぁ……。」

「はい、すいとう」

まあ、ばすてきは日陰だけどね~。気温がね~。

「でも……このままじゃなくなっちゃうのだ」

「一旦スナネコの家にお邪魔して休憩、それから水を分けてもらおっか~。」

「ナイスアイデアなのだ!早速行くのだ!」

うん、まっすぐでいいね~。アライさんは~。




………………




「……あ、あそこがスナネコの家かな~?」

「きっとそうなのだ!早速入るのだ!」

ばすてきを停めて、スナネコの家に入ると……

「……おっ?誰ですかぁ?」

スナネコがお出迎え。

「アライさんとフェネックなのだ!」

「ああ、『ぼくのフレンド』を一緒に歌った4人のうちの2人ですね。どうぞ、お入り下さい!」

ふぅ、スナネコの家はやっぱり涼しいや~。

「んしょんしょ……じゃぱりまんでも食べますかぁ?」

「食べるのだー!」「食べるよ~。」


……うん、じゃぱりまんは美味しい。

「お2人はどこまで行くのですか?」

「色んなちほーに行って人気者になりたいのだ!あわよくばおたからも!」

「人気者になりながらおたからも集めているのですねぇ。大変です。」

でも、わたしはアライさんに付き合ってるから疲れないかな~……。


「……けふっ、ごちそうさまなのだ!それで、スナネコにちょっとお願いがあって……ちょっとでいいから、水を分けてほしいのだ!」


「いいですよ。確かいっぱいあったと思いますし。持ってきますね~。」

「はいよ~。」

スナネコを待つことになったわたしとアライさん……。

「……ここは涼しいのだ」

「ここって、奥にトンネルがあって、そこを通れば涼しいらしいよ~。」

「そうなのか!?じゃあ水を貰ったらばすてきでそこを通るのだ!」

うん、やっぱりアライさんはナイスアイデアを繰り出すよ~。


……ん?

何か聞こえる……。


「ツチノコ、いたのですかぁ?」

「俺さっきからいたよなァ!?」

「そうでしたっけ?あ、そうだ。アライさんがおたからを欲しがっているので用意しといてあげて下さい。では。」

「……はァ!?」


……あ~。

「アライさん、もしかしたらおたからが手に入るかもよ~?」

「本当か!?嬉しいのだ!」

そんな会話の直後。

「ほら、お水です」

器に入ったお水。

すいとうに入れてみる。

「おぉー、満タンになるのだー!」

「これでたびが続けられるね、アライさ~ん。」

「うんなのだ!」

いや~、良かった良かった。


それからスナネコに手伝ってもらって、トンネルにばすてきを入れることに成功したよ~。

「満足……。あなた達といると飽きないから、また遊びましょ?」

「こちらこそ!なのだ!」

ハッピーエンドだね~。

「おい!」

「うぇ!?」

「あ、ツチノコじゃないですか」

「アライグマ、お前おたからを集めてるんだってな?ほら、これ!」

ツチノコが何かを弾く。

「わぁ!?」

「お~、ナイスキャッチ。……これは何だろーねぇ?」

「ジャパリコインだ!それは1番価値が低いかんな!それならやるよ!」

価値が低いのか~……。

「わーい、ありがとうなのだツチノコ!」

「だから価値が……ぐぬぬ、とっとと出ていけェ!」

「分かったのだー!じゃあなー!わっせ!わっせ!」

「アイツーーーーー!」

ツチノコには申し訳ないけどもう行っちゃお~。




………………




「外に出ると……暑いのだぁ……。」

「まーまー!次はこはんだよ~?」

「でも、こはんにはおたからがなさそうだから、スルーなのだ!」

ん~……。ま、たまにはスルーするのもいいかもね~?

「暑い……フェネックのお耳が欲しいのだ!」

「え~?でも、そんな引っ張っても取れないよ~?」

「フハハハ、きっといつかは取れるのだー!」

……でも引っ張る力は弱いし……あ、まさか?


「……わたしのお耳触りたいだけだったりして~。」


「……!」

「……?」

「……。」

「……無言でわたしの尻尾わしゃわしゃしないでよ~?」

「あぁ、わわわ、わっせー!わっせー!」

「誤魔化した~……。」

この反応、まさか本当にそうだったの~?



……やっぱりアライさんにはかなわないや~。

かなわないコだよ~。

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