第18話 誕生日に・・・

両親の命を受け、ここに来たのだが、

いつまでも、厄介になるわけにはいかない。


じいちゃんとばあちゃんは、

「いつまでもいていい」と言ってくれるが、

さすがに、そうはいかないだろう。


米田さんも、同じらしい・・・


最初は、お互い恋人という事になっていたが、

最初の時点で、もう通じなくなっていた。


なので、友達になっているのだが、異性の友達となると、

肉親としては、気にならないわけがないわけで・・・


正直、元気とはいえ、もう歳なので、安心させておいたほうがいいだろう。

そこで、米田さんに連絡をして、ちろちゃんの神社で落ち合う事にした。


まずは、互いの事を確認しておこう。


「米田さん、誕生日は?」

「11月20日。佐田くんは?」

「6月10日。血液型はO型。」

「私は、B型。」

ちろちゃんに訊いてみた。

相性合うの?と・・・


ちろちゃんは、占いには興味がないようだ。

女の子にしては、珍しいと思う。


ちろちゃんの言うように、占いでごまかすのは止めておこう。

ちなみに、ちろちゃんは7月9日生まれの、AB型のようだ。


7月9日?

「ちろちゃん、もうじき誕生日じゃ」

「そうだよ。気が付いた?」

「何もないけど、おめでとう。」

「おめでとう。ちろちゃん」

「ふたりとも、ありがとう・・・じゃなくて!」

ちろちゃんは、怒る。


「せっかくの誕生日なんだから、お祝いしてよ」

「何も用意してないよ」

「私も」

ちろちゃんの会うのは想定外だったので、何も用意していない。


ここでは、何も手に入らないし、物ではごまかしたくない。


「じゃあ、リクエストしていい?」

「何を?」

「私、ふたりの住む町に遊びに行きたい」

意外な答えだった。


でも、ちろちゃんはこの町から、出た事が無いらしい。

なので、叶えてあげたかった。


じいちゃんの家に帰り、家の電話した。

両親もOKしてくれた。


米田さんも、Okだったらしい・・・


そして、ちろちゃんを案内することになった。

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