第6話 伝統
「わかっていたよ」
双方とも、その一言ですんだ。
考えてみなくても、僕らの祖父母という事は、
僕の両親は、じいちゃんたちの子だ。
自分の子の考えそうなことくらいは、わかるよな?
この村・・・いや、皐月町は海と山に面していて、両方の幸が楽しめる。
・・・で、夜は(もう暑いが)鍋になった。
僕のじいちゃんの家でやることになり、程なくして米田さんがやってきた。
積もる話もあるだろうに・・・隣人との人間関係は、都会では無理だな・・・
で、鍋を囲む事になる。
米田さんの所は、野菜を持ってきた。
魚介類は、じいちゃんたちが用意した。
肉類がないのは寂しいので、自宅からウィンナーを(くすねて)持ってきた。
米田さんも・・・考える事は同じだった・・・
気が合うのか?別の意味で・・・
で、夕食の時間になったのだが、これは完全に宴会であった・・・
「にぎやかだね。佐田くん」
「そうだね」
「私たちの、おじいちゃんと、おばあちゃんは、若いよね」
「まあ、元気が一番だからね・・・」
僕たちの、祖父母は子供の頃に、戦争を体験しているので、
もう80歳を超えている・・・
戦時中、戦後の食糧難を経験しているので、贅沢は言わないのだろう・・・
でも、80代には見えない。
まだ60代で、通るだろう・・・
「ほら、しんちゃんも食べなさい」
「まほちゃんも、もっと食べなさい」
進めらて、口にする。
味付けは?受け継がれている味だろう・・・
この味付けは、この町の伝統かもしれないと思う。
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