第4話「病院送り」

 

 どうも谷村 亮太朗です。



 正直言って笑いが止まらないね。

 病院で精密検査を受けた後、病室で教師や親と面会。


 そして尾川とその母親がやって来て謝罪した。


「この度は本当にすみませんでした」


 その後は軽く全部の会話を聞き流した。

 俺は正義の味方でも、漫画の主人公でもないのだ。

 間違っても尾川 優也の味方はしないし出来ないしするつもりもない。


 多少挑発気味だったが、自分は何一つ間違った事は言ってない。

 それに引き替え尾川は脅しまでしてきた上に態度が気にくわないと言うだけで殴り飛ばしたのだ。

 それを全部教師と自分の親にぶちまけた。  


 後は大人に任せよう。

 警察沙汰にはならないろうがこれで十分だ。


 うちの母親と二人きりになった。

 

 前世では何処にでもいる平凡な母親。

 背も普通、体型も普通の主婦だ。


 だがどう見ても創作物とかに出て来そうな美人妻なんだよなこれが・・・・・・セミロングでメガネを掛けて胸も大きい。

 この世界マジでどないなっとんのや。


「ごめんない。迷惑かけて――」


「いや、謝る事はないのよ。相手が悪いのは明らかだから――」


「そう――」


「とにかくゆっくりしなさい」


「はーい」

  

「それとごめんね。学校でのこと、気付いてあげられなくて」


「それはお母さんは悪くない。だからと言って自分が悪いとは言わないけど、もうちょっと賢い生き方とかを模索してみるよ」


 と、当たり障りの無い言い方をした。

 親も完全ではないし、生活とかもあるのだ。

 間違っても全能の存在ではない。

 学校での息子の事までには手が回らないだろう。


 それに面倒見ているのは俺だけではない。

「前世にはいなかった」妹の事や、姉貴の事もあるのだから。(前世では自分は三男で上二人は男だった)


 何もかも、親任せにするのも酷と言う物である。


(とりあえず大学生かそれ以降は独り立ちするのを目標にするか)


 そう心に決めて俺は休んだ。

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