最後の夜
「結婚してすぐに、あなたは、わたくしに二つの鍵を渡してくださいました。覚えていらっしゃいますか?」
「鍵?」
公爵が、記憶を辿るように宙を見つめる。
「あなたの部屋の鍵と、あなたの机の鍵です」
言われて思い出したのだろう。公爵が目を見開いた。
「あの時あなたは、こうおっしゃいました」
お前には、わしのすべてを知る権利がある
夫婦の部屋は別々だ。共に時間を過ごしたいと思えば、どちらかが相手の部屋を訪ねることになる。
いつ部屋に来てもよいという意思表示。自分を分かってほしいという願い。そして、強引に結婚を進めたことへの罪悪感。
そんな思いから、公爵はイザベラに鍵を渡していた。
「今だから申し上げますが、わたくしは、嬉しいというより戸惑ってしまいました。ですから、つい最近までその鍵を使うことはなかったのですけれど」
「そうか」
明け透けなイザベラの言葉に、公爵は苦笑い。
二人が共に時間を過ごすのは、決まってイザベラの部屋だった。イザベラが公爵の部屋を訪れたことは、ほとんどない。
「あなたが長年何かを悩んでいたのは、わたくしも気付いておりました。それに輪を掛けて、最近のあなたは落ち着きをなくしていた。だから、わたくしはあの鍵を使うことを決めたのです」
三人目の子供が産まれた頃から、公爵の顔は険しさを増していった。公爵がイザベラの部屋を訪ねることもなくなった。
夫の変化に戸惑いながら、それでもイザベラは、ずっと夫の様子を気に掛けていたのだった。
「あなたの机の引き出しにあった数冊のノート。その中の一番古いノートの日付は、終戦から一年ほど経った頃。その最初のページに、仮面の男のことが書いてありました」
公爵が、顔を強張らせたままイザベラの話を聞く。
「ノートの中身は、走り書きと断片的な単語だけ。読んですぐ分かるようなものではありませんでした。けれどもその中に、わたくしはいくつもの不穏な言葉を見付けたのです」
公爵が、床を見つめる。
「ロイ様のことは、二冊目のノートにありました。仮面の男、秘薬、誕生日パーティー、そして、”成功”の文字」
イザベラが、公爵の手を強く握った。
「秘薬というのは、毒のことですね?」
公爵は動かない。
「どうして、何の罪もないロイ様に毒を盛ったのですか?」
感情を押し殺すようにイザベラが聞いた。
イザベラを見ることなく、公爵が答えた。
「ロダンの気を逸らすためだよ」
イザベラの目が広がる。
「ロダンは、わしが悪党共とつながっていることに気付いていた。衛兵の署長や幹部の不正を見逃していることも知っていた。やつは、わしに大いなる不満を持っていたのだ」
小さくイザベラが頷く。
「ある時ロダンは、本署の署長が悪事を働いている決定的な証拠を掴んだ。ロダンはそれをわしに突きつけて、署長の処罰を迫ってきたのだ」
先代の本署署長の悪事。それを正そうとした男がいた。その男は殺されたが、男が掴んだ証拠は、別の男が受け継いだ。そして、それがロダン公爵の手に渡ったのだった。
「わしは、署長を処刑した。そして、ロダンに証拠を持ち込んだ署員を新たに署長に据えた。わしは、ロダンの圧力に屈したのだ。それは屈辱的なことだった」
声を荒らげることはない。
公爵の話は淡々と続く。
「以来、ロダンはわしの仕事に首を突っ込み始めた。影でわしの動きを監視するようになった。わしは、奴が邪魔だった。だからわしは、奴の注意を逸らす方策を考えたのだ」
「それで、ロイ様に毒を?」
「そうだ」
イザベラの顔が小さく歪む。
「仮面の男から手に入れた薬は、狙い通りの効果があった。原因不明、治療不能。寝たきりになったロイの体は、徐々に衰弱していった」
イザベラが悲しげに目を閉じる。
「ロダンはまじめな男だ。己の職務を放棄してまで息子のために動くことはない。だが、職務以外の時間のほとんどを、奴は息子のために使った。わしの仕事に首を突っ込む余裕がなくなった。おかげでわしは、計画の遂行に集中できたのだ」
話し続けていた公爵が、ふいに黙った。
公爵の奥歯がぎりりと音を立てる。
「それなのに」
突然公爵が大きな声を上げた。
「エム商会! 奴らがロイの病を治してしまった。奴らのせいで、わしの計画は何度も軌道修正を余儀なくされたのだ!」
公爵の感情が乱れ始めた。
「ロイの病気が治ったことで、ロダンは再びわしに干渉を始めた。わしとつながりのあったアウァールスの討伐を、密かに冒険者ギルトに依頼したりもした。それを、あろうことかエム商会の社員が手助けしおった」
公爵の目が吊り上がっていく。
「わしは、エム商会を潰すことにした。社長を逮捕し、社員全員を殺そうとした。だが反対に、有能な手駒だったファルサを処刑せざるを得ない事態に追い込まれてしまった」
悔しそうに拳を握る。
「武術大会で仕組んだ計略も失敗した。もう奴らを黙らせることはできないと思った。だからわしは、奴らを遠くに追いやることにしたのだ」
荒ぶる感情が、その勢いを落としていく。
「エルドア混乱の裏にキルグがいることを、ロダンの情報網に流した。仮面の男がイルカナに侵入していることを、エルドアの諜報員に伝えた。それはロダンに伝わり、そして狙い通り、ロダンはエム商会にエルドアへ行くことを依頼した」
ロダン公爵の国に対する忠義。それを逆手に取ったカミュ公爵の謀略。
それは、見事に成ったと言っていい。
「決起の日は、エム商会がこの国から遠く離れた頃を選んだ。そして、思惑通り奴らは決起の日に現れなかった。それなのに、わしの計画は失敗した」
公爵の首が、がっくりと落ちる。
「わしが屋敷を出るのを待っていたかのように、カイルとアランが現れた。わしが捕まると同時に、本署の衛兵たちが裏切った。それだけではない」
床を見つめて公爵は語る。
「仮面の男の率いる十万の魔物が、ロダンの軍を蹂躙するはずだったのだ。だが、想定外の援軍が、想定外の早さで現れた。カサールの騎兵とリスティ。森の兵士とターラ。王の要請があったとは言え、準備を整えて出陣するまでに、普通ならもっと時間が掛かるはずだったのだ」
力なく公爵が続ける。
「加えて、ウロルからサイラスまでが駆け付けおった。いくらあの愚王でも、ウロルに援軍を頼んでいたとは考えられない。仮に出していたとしても、それを受けてウロルからやって来たのでは、到底間に合うはずがないのだ」
公爵が顔を上げた。
「いったい何が起きたというのだ? なぜわしの計画は失敗したのだ?」
公爵がイザベラを見た。
教えてくれと言わんばかりにイザベラを見つめた。
それに、イザベラが答えた。
「あなたの計画は、事前に王とロダン公爵に伝わっていたのです」
「何だと!?」
公爵が驚きの声を上げる。
「まさかお前が……」
「そうです。わたくしがエレーヌに伝えました」
呆然と見つめる瞳を、イザベラが正面から見つめ返す。
「わたくしが鍵を使うことを決めたのは、武術大会が終わってしばらくした頃。あなたの様子が、それまでにも増しておかしいと思った時です。引き出しにあったノートを読んだわたくしは、あなたが反乱を起こすおつもりだと確信しました」
静かな瞳が語る。
「わたくしは迷いました。迷い、悩み、そしてわたくしは、エレーヌに話すことを決めたのです。ノートに書いてあった言葉と、そこから考えられる推察。それをあの子に伝えました」
イザベラの話を遮って、公爵が聞いた。
「お前は、どうやってそれをエレーヌに伝えたのだ? ロダンの屋敷はずっと見張らせていた。ロダンとエレーヌの動きも監視していた。お前やお前の侍女がエレーヌに会う機会はなかったはずだ」
聞かれたイザベラが、微笑む。
「わたくしとあの子は、親友ですから」
「親友?」
公爵が首を傾げる。
「親友……」
小さく繰り返し、そして公爵は、悲しそうにうつむいた。
その顔をじっと見つめ、再びイザベラが話し出した。
「わたくしの話は、すぐにロダン公爵や陛下に伝わったはずです。それなのに、どうして事が起きる前にあなたを拘束しなかったのか、わたくしには分かりません。確たる証拠が必要だと判断したのか、あるいは事態の進行が予想以上に早かったからなのかもしれません。ですが、わたくしは思うのです」
公爵の手に重ねたままのイザベラの手。
その手が、公爵の手を優しく握った。
「陛下もロダン公爵も、あなたの叛意を信じたくなかったのではないでしょうか?」
公爵が、ゆっくりと顔を上げる。
「十年前の戦争を影で支えたのは、あなたの一族です。それを、お二人はよく分かっていました。あなたが真に国を思っていることも、お二人は分かっていました」
穏やかにイザベラが語る。
「終戦以降、陛下はあなたにとても気を遣っていらっしゃいました。ロダン公爵も、あなたのことを気に掛けてくださっていました。あなたが今回の反乱を起こしてもなお、あのお二人は、あなたに配慮をしてくださっているのです」
「配慮だと?」
公爵がイザベラを見た。
「わたくしも、子供たちもその家族も、牢につながれてはおりません。ロダン公爵のお屋敷で、監視付きながらも部屋を与えられ、寝食に不自由することなく過ごしております」
公爵の目が広がった。
「わたくしがここに来られたのも、看守がこの場にいないのも、陛下のご配慮です。国家に牙を剥いた者にする対応としては、異例なことだと思います」
イザベラが公爵を見た。
「あの戦争で、陛下は判断を誤ったのかもしれません。ですが、それは陛下も分かっていらっしゃいました。だから、陛下は臣下の話をよく聞くようになられた。臣下の意見を尊重するようになられた。陛下は変わったのです」
自分を見つめる公爵の瞳を、正面から見る。
「そして、ロダン公爵も変わりました」
夫の瞳を強く見据える。
「武辺者だった公爵が、情報収集に重きを置くようになりました。様々な人の意見を採り入れるようになりました。陛下と同じように、ロダン公爵も変わっていったのです。それなのに」
イザベラの瞳が、悲しげに揺れた。
「あなただけは変わりませんでした」
公爵が、目を逸らした。
「あの戦争以来、あなたは陛下やロダン公爵を拒み続けた。共に歩むということをしてこなかった。一族が犠牲になったことを恨み、己だけが正しいと思いこんで、周りを見ることをしてこなかったのです」
公爵が、顔を逸らした。
「あなたは、国のためという大義名分のもと、陛下やロダン公爵に復讐しようとしていたのではないですか?」
その言葉に、公爵が激しく反応する。
「そんなことはない! 今の体制では、キルグやウロルの侵攻に耐えられぬのだ。だから……」
「陛下を討つ必要があると、冷静に判断したのですか? ロダン公爵を亡き者にする必要があると、そう判断したのですか?」
鋭く問われて、公爵の勢いが止まる。
「そ、そうだ。ウロルはともかく、キルグの侵攻は脅威だ。それを防ぐには、魔物の軍勢をもってキルグを黙らせるしかない。だが、そんな話を二人が受け入れるはずがない。あの二人は……」
「話してみなければ分からないではないですか」
厳しい声がした。
「あのお二人は、日々精進し成長されている。あなたの話も、あなたの思いも、お二人はきちんと受け止めてくださったはずです。そうすれば、このような反乱を起こさずとも国を守る方法が見付かったのではありませんか?」
強い視線が公爵を貫いた。
「大型種を含む十万の魔物。到底勝てないと思われたその軍勢に、イルカナは勝ちました。カサールやコメリアの森、そして、かつての敵ウロルの協力を得て、我が国は勝ったのです」
公爵が、落ち着きなく体を揺らし始めた。
「南のエルドアは、昔から我が国とは友好的でした。仮面の男の計略で混乱さえしなければ、良き友として共に困難に立ち向かえたはずです」
公爵の呼吸が浅くなっていく。
「さらに言えば、あなたの嫌いなエム商会は、この国のためにとてもよく働いてくれていました。彼らの知恵や力も加えれば、キルグの脅威を跳ね返すことも十分可能だったのではないですか?」
公爵の心が乱れていく。
「あなたの反乱は、この国に不要だったのです。あなたは、反乱のために使った時間を、もっと別のことに使うべきだったのです」
公爵の目が極限にまで広がった。
「わしは……」
何かを言い掛けて、しかし、それ以上言葉は続かない。
公爵は、明らかに動揺していた。
視線が彷徨う。呼吸が乱れる。顔を上げては目を伏せ、口を開いて閉じてを繰り返す。
そんな公爵を、イザベラは黙って見つめていた。
公爵の手に自分の手を重ねたまま、イザベラは、じっと公爵を待っていた。
やがて。
「わしは、間違っていたというのか?」
弱々しい声がした。
「わしだけが、変わっていなかったということなのか?」
震える声がした。
「わしは、国のためではなく、あの二人に復讐するために反乱を企てたというのか?」
床を睨んだまま公爵が聞いた。
イザベラが答える。
「そうだ、とは申しません。ですが、あなたの反乱が国のためにならなかったのは、間違いのない事実だとわたくしは思います」
「……そうか」
力なく、公爵が肩を落とした。
「この国にとって不要だったのは、わしの方だったのだな」
公爵が、己を蔑むようにつぶやいた。
その時。
「そのようなことをおっしゃるものではありません!」
突然大きな声がした。
公爵が、驚いてイザベラを見る。
「あなたのやり方は、最良ではなかったかもしれません。ですが、あなたがいたからこそ、この国は立ち直ることができたのです」
イザベラが強く公爵を見る。
「あなたは、この国にとって必要な存在でした。だからこそ、陛下もロダン公爵も、あなたを排除しようとはなさらなかった。不要だったのは、あなたの存在ではありません。不要だったのは、あなたが抱いていた不平や不満、自分だけでこの国を救おうとする傲慢な心、他人を受け入れようとしない狭量な心なのです」
胸を抉る強烈な言葉だった。
それでも公爵は、イザベラから視線を外すことができない。
「少なくとも」
奔流のように話していたイザベラが、勢いを落とした。
イザベラが目を伏せる。
イザベラが、公爵の手を強く握る。
イザベラが言った。
その瞳に涙を浮かべながら言った。
「わたくしや家族にとって、あなたはなくてはならない人なのです」
「!」
公爵の肩が、震えた。
「子供たちは、反乱を起こしたあなたを恨んでなどおりません。暗く冷たい牢にいるあなたの身を、今この瞬間も案じているのです」
か細い声が言う。
「わたくしにくださった愛情も、子供たちに向けてくださった暖かな眼差しも、すべて本物だったのでしょう? 風邪で寝込んだわたくしを心配そうに見るお顔も、巣立っていく子供たちに掛けたお言葉も、すべて本物だったのでしょう?」
胸を締め付けられるような声が問う。
「あなたは、わたくしの夫です。あなたは、子供たちの父親なのです。あなたは、わたくしたちにとって、なくてはならない人なのです」
涙を零しながらイザベラが言った。
「イザベラ……だがわしは、お前を、強引に……」
公爵の掠れた声がする。
「お前は、ロダンのことを……」
「いい加減にしてください! いったい何年前の話をされているのですか!」
泣いていたイザベラが、怒ったように言った。
「わたくしは貴族の娘です。婚姻が思い通りにならないことなど、幼い頃から分かっておりました」
悔しそうに、握ったままの夫の手を膝に押し付ける。
「たしかに、淡い憧れのような気持ちはありました。ですが、そもそもわたくしは、ロダン公爵に告白をしたことも、恋文を渡したこともございません。恋の炎に燃え上がる二人を引き裂いたというならともかく、実現することなどほとんどない、小さな小さな恋の芽を摘んだくらいのことを、いつまでもグズグズ言わないでいただきたいものです!」
イザベラがまくしたてる。
「あなたとの結婚は非常な幸運、まれに見る良縁だと、皆様が喜んでくださったのです。そして、わたくしも心からそう思っておりました」
公爵が目を丸くする。
そして、自信なさげな、小さな声で言った。
「だが、お前は結婚してから笑わなくなった。楽しそうに踊らなくなった。だからわしは……」
「それは、あなたが笑わなかったからです」
またもや思いも寄らない言葉。
「わたくしの前で、あなたは怖い顔ばかりしておりました。あなたは当時の三公爵の嫡男で、将来のイルカナを支える重要な人物。わたくしにとって、あなたは遠い存在だったのです。わたくしは、あなたにどう接するべきか悩みました。あなたが笑ってくださらないことを、わたくしはずいぶん悩んだのですよ?」
なじるようにイザベラが言う。
「あなたがそういう方なのだと理解するには時間が必要でした。表情は変わらないけれど今は楽しそうだとか、眉間の皺は誰かを心配しているせいだとか、そういうことが分かるようになるまでに、とても時間が掛かったのです」
イザベラが顔を伏せる。
その顔が、激しく公爵に向いた。
「それが何ですか! わたくしと強引に結婚したことに、あなたは引け目を感じていた。だからわたくしに笑顔を見せなかったと、そうおっしゃるのですか?」
大きな声で責める。
「”お前には、わしのすべてを知る権利がある”などと言って鍵を渡されても、その意味がわたくしに伝わるはずないではありませんか!」
大きな声で訴える。
「まったくあなたと言う人は、本当に……」
言い掛けて、またイザベラの目から涙が零れた。
その涙は、イザベラの悔しさ。
その涙は、イザベラの、安堵。
「すまなかった」
公爵が、イザベラの手を握り返した。
「わしが愚かだった。すまなかった」
公爵の目にも涙が溢れる。
「わしは、どうしていいのか分からなかったのだ。だが、これだけは間違いない」
力強く公爵が言った。
「わしは、お前を愛している。子供たちを愛している。それなのに」
視線が震える。
両手が震える。
「わしは、とんでもない過ちを犯してしまった。わしは、取り返しの付かないことを……」
言葉が途切れる。公爵の目からぼろぼろと涙が零れる。
その涙は、公爵の罪悪感。
その涙は、心からの後悔。
肩を震わせて公爵は泣く。
強く目を閉じたまま、公爵は泣いた。
ふと。
「本当にあなたは、仕方のない人ですね」
穏やかな声がした。
ゆっくりと、公爵が顔を上げる。
「あなたの罪は、許されるものではありません。ですが」
イザベラが言った。
「わたくしが、あなたを許して差し上げます。わたくしも共に逝って差し上げます。ですから」
微笑みながら、イザベラが言った。
「あの世では、わたくしに、ちゃんと笑ってみせてくださいませ」
あぁ……
闇が消えていく。
縛られた心が解放されていく。
公爵は泣いた。肩を震わせ、イザベラの手を押し戴きながら泣いた。
「夫婦で過ごせる最後の夜です。今夜は、懐かしい人たちの話でもしながら過ごしましょう」
公爵を優しく抱き締めながら、微笑みを浮かべて、イザベラが言った。
第十八章 了
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