第3話

石レンガ造りの大きいギルドへ来た。入口付近には大きい旗が立っており、

<MAQULRISS>

と、書いている。

(まきゅりすって読んでいいのか?)

木で出来た扉を押して入ると、

「いらっしゃーい!見学者?お客さん?」

と、少女が明るい声で迎えてくれた。

「えっと、見学者?です。」

「ほー!見学者さんか!マキュリスへようこそ!ここは男女問わず募集のギルドだよ!」

ここはいいギルドなのだろうか……?

「君の初期職業は何?」

ん?初期職業?あの糞天使、教えてくれたっていいだろそこらへん!

「えっと、初期職業ってなんですか?」

「あ!ここに来て初めてか!そのブレスレットで見れるよ!」

さっき通り見たら、初期職業を選択できる所があった。

「あ、まだ選択してないのか。君、武器は何を持ってるの?」

「銀の裁ち鋏と双剣です。」

明るい少女は目を逸らし、申し訳なさそうに言う。

「ごめんね!うちのギルドは魔道士だけなんだ!あ、そうだ、君双剣なら剣士だよね。私が初期職業やっておこうか?」

「あ、お願いします。」

なんて優しい少女なのだろうか……。まるで天使だ……。アリアとは全く違う……。

「はい!私の連絡先も入れて置いたから困ったらなんでも言ってね!あ、申し遅れた!私の名前はアイリスって言うんだ!君は?」

「ようへi……リヒトです。」

「そっか!リヒトくんこれからよろしくね!」

魔道士でありたかった……。このギルドに入りたかった……。アイリスさん……優しすぎる…。

「あ、剣士なら、少し遠いんだけど、ファルコット通りの先にあるギルドがオススメだよ。」

ふぁるこっとどおり?

「あ、ごめんね!えっと……、はい!」

アイリスさんはなにかの魔法を使い、地図を作った。

「自動的に教えてくれるよ!じゃあこれから頑張ってね!」

アイリスさんの優しさが身に染みる……。まるでお母さん見たいだ……。家に帰りたい……。うぅ……。


俺はアイリスさんに言われた通りのギルドに来た。

1目見た時、このギルドはどっかの金持ちの屋敷なのかと思ったが、地図はここしか示していなかった。

「あ、見学者さん?」

「そうでs「こちらへどうぞ。」」

なんだこのチビは。

手を引っ張られ、どこかよく分からない部屋へ連れていかれ、チビはこう言った。

「ここのギルドは老若男女職業問わず受け付けるギルドです。寮もあります。ただしここに入りたければ…………友達を作りなさい。との事です。」

えぇ……。それはどうすればいいんだ…。

「それでは、僕はもう行きます。どうぞあの集いの場で友達作りでもしてください。」

なんだこの糞ガキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!



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