第1話 登校したはいいものの……

翌日、いつもの様に登校する。

俺は夜より朝の方が得意な朝型人間なので、他の人より早めに登校して準備をする。

いつもは、準備をしてから、いつもの様に校舎内を歩く。最近ウォーキングにはまってるんですよね。

それが終わったらほうじ茶をのんで窓の外を見ながら一服する。


でも、今日は――


「おい涼太!付き合ってるってほんまか!?」

「お前だけ抜け駆けしよって!、許さん!」


二人で教室に入ってくるのは、中学校に入ってから初めてできた友人。



「何を君らは朝から騒いでるんや?落ち着けって」


「落ち着いてられるか!一大事や!」


後ろを振り向くと、俺より先に来ていた数名の女子と目が合う。

すると、こそこそ耳元で話し合う。


付き合ってるのは事実だから、変な噂と言って流すわけにもいかない。



そこに、彼女が登校する。

「涼太くんおはよー」


「あ、おはよー」


それからも、続々とクラスメイトが登校する。自分の席は一番前だから、物凄く視線を感じる。

その生徒たちは、鞄をロッカーに入れるや否や、机に群がってくる。普段全く関わらないのに。


はっきり言おう。

暑苦しい。

その様子を後ろから微笑んで見ている奴も。許さん。


「お前付き合ってるってほんまなん?」

「アニヲタのお前と付き合う人って誰なん?」

「退いてくれ」

「誰なんそれ」

「川口さんやってー」


しつこい。こうなったら――


「あんたら暑苦しいねんさっきからうるさいし!退けろ!」


久しぶりに怒鳴った。

すると、群がってた奴らは自分の机に戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る