超甘えたな彼女と俺
電子レンジ235
プロローグ
「わっ…私と、付き合って下さいっ!」
昼間にも関わらず少し暗めの、屋上に続く階段の踊り場で、俺
※※※
キーンコーンカーンコーン
――今日テストの社会と英語の係さんは提出物を出席番号に並べかえといてくださいねー。あと今日、日直清掃やからよろしくお願いしまーす。終わりまーす。
―礼ッ!
終学活が終わり、2学期中間テストが終った。
中間テストは午前中までだけど、俺は社会係だから、提出物を出席番号順に並べ替えないといけない。
―あいつ…速攻帰りやがった。
あいつと言うのは、同じ社会係の人。名前は知らん。
とにかく私は一人でやることになりまして。
することも無いのに早く帰りたいという一心で、終らせようとした。
「あのっ!」
誰かが声を掛けてきた。
透き通ったような、綺麗な声。
瞬時に誰かを把握した俺は後ろを振り向く。
「ん?川口さん?」
物凄く可愛くて、声も綺麗で、出来れば彼女にしたいなぁって思う。
「そのっ!お手伝いしよっか?」
この、《この》俺を手伝ってくれるような、とっても心の広い人。
※※
「終った~!ありがとうな。」
「うっ、うん。」
今日の彼女は、いつもよりたどたどしい。
普段関わりがない俺でも分かる。
「あのっ!」
「はいっ!?」
帰ろうと準備していた時、急に大声で呼ばれる。
「その……後でっ、屋上の階段に来てくだちゃい!」
噛んだ…
彼女は顔を真っ赤にしてる…。
「うん…」
気まずい。マジで。
そういって、彼女は教室を飛び出していった。
※※※
「へ?」
急な言葉で、一瞬耳を疑う。
「だから!付き合って欲しいの!」
物凄く緊張しているのが、この俺にも分かる。
「えっ…じゃあ俺で良かったら」
それが精一杯の言葉だった。
彼女は目に少しの涙を浮かべて、
「やったぁ!」
と言って抱きついた。
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