第2話 闇の人

光が差さない世界は俺を変えるに十分過ぎた

闇の住人が俺の命を握っている

闇の勢力が俺の鏡だとしたら

警察署に黒塗りの電気剃刀みたいな車が突っ込む

俺は家で震えることしか出来ない

その頃から悪魔の声が聞こえる

俺の考えを繰り返し言う悪魔の声

この時から俺は闇の住人に監視されている

闇は深くて光を貪る

誰も信じない誰も知らない誰もわからない


無頼漢が血眼で俺の情報をかぎ分ける

あれは違うこれは違うそれはあり得ない

闇の深い深い世界


俺は愛する人に言った

ありがとうと

何気ない一言

俺の左手の甲の傷痕

貴女の笑顔

二人の過去

洗い流せない己れの五体

静かなこの街


ありがとう

俺を闇から救ってくれた貴女

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