第14話 悪夢
悪夢と一言で言っても、様々な悪夢がある。
まぁ、夢の中では
貴方はどんな夢をみるのだろうか。
己は眠りが浅いから、嫌だと思えば自力で夢をそこで終わらせて目を覚ますくらいは出来る。
それ以上はみたくない、と思ったら無理矢理目を覚ますから、もう一度寝る。
あとは、まだ続きがみたいのに目が覚めてしまった場合なんかだと、一時間以内に再び寝れば続きをみることは可能だ。
親には驚かれたが。
さて、悪夢というのも、何をもって悪夢とするかは人それぞれ。
貴方にとってはこの話も、悪夢でないかもしれない。
あと、これは知っておいていいんじゃないかと思うことがある。
夢にはストレス発散効果があることと、夢をみない人はいない、、、つまり覚えていないだけである、ということだ。
落ちる夢は不安を表すとかも知っていると思う。
追いかけられる夢でも、知っている人間であればその人間へ罪悪感でも持っているってことだ。
夢の結果だって面白い。
逃げ切れたならば、良い変化の到来が、捕まったんだったら不安を解消するきっかけを取得するとか。
遅刻する夢だったら、時間に縛られているのではなかろうか?
責任感も同時に感じてしまっているってことだ。
寝相が悪いと悪夢もみやすいとも言いますから、、、。
おっと、申し訳ない。
どうでもいい話でしたね。
さて、この少女は長い悪夢から覚められないで苦しんでいた。
必ず自分が死ぬ夢で、辛いことこの上ない。
死んだ瞬間、目が覚めて起き上がると何処かでまた死ぬ。
そして、再び目が覚める。
を繰り返し繰り返し。
夢の中で夢を見て、またそれも夢であり、、、少女にとっては悪夢だった。
そんな時、少女の夢には少年が現れるようになった。
死んでいくのが、少女ではなくなり、少年へと変わった。
しかし、夢は覚めないで、夢の中で覚めては少年が死んでいくのを見送った。
それもそれで自分が死ぬよりも辛い悪夢であった。
少年は死ぬ瞬間に必ず笑顔を見せた。
少女はどうしても少年を死なせたくなかった。
車に
そこにある電柱に押し潰された。
電柱がダメなら室内でどうだ。
その建物が
それを続けていた。
ある時、少女はふと同じように車の近くを少年と歩いた。
少年が渡ろうとする前に一歩前へ出ればこの体が吹っ飛んだ。
少年が叫ぶのに笑って、良かった、死ななかった、と呟いて、少女の夢は終わった。
その頃少女のベッドの横では、悪夢をみる少年が横たわっていた。
繰り返す、少女の死を少年の死へと変えたはずだったのに、再び少女は車に弾かれ吹っ飛んで笑顔を浮かべて死んでいった。
次も、その次も、あらゆる場所で少女は死ぬ。
少年は再び自分が代わりに死のうと車の前へ出ていく少女の手を掴んで自分を前へと入れ替えた。
吹っ飛んだのは少年であった。
笑顔を浮かべれば少女の目を見開く顔が見れた。
ここで少年の悪夢は再び終わった。
しかし、少女の悪夢は再び幕を開ける。
少年が少女の手を掴んで引っ張り自らを前へ入れ替えた。
そして轢かれて笑う。
あぁ、まただと少女は目を見開いた。
そう、、、二人の悪夢は終わらない。
片方が生き残り、片方が死ぬという結果であれば、覚めることはない。
二人は同室のベッドで未だに目を覚まさない。
悪夢を繰り返す理由が隣にいることを知るのは、いつになることやら。
さて、悪夢をみてしまう理由がストレスであることはそうなのだが、少女と少年は何かしら深い関係であり、共通のストレスを抱えていたのかもしれない。
もしそうなら、、、215号室の病室は空くのはまだ先になるだろう。
悪夢から覚まさせる方法さえ外野にでもあるなら、己のように自力で解かれることが出来るのなら、二人は悪夢を繰り返さなくてもいいんだろう。
明日は、満月になりそうだ。
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