第11話 カラクリ人形
人形、といえば色んな種類がある。
何から出来てて、どんな姿をしているか、そして作られた目的も違う。
さて、この話では日本のカラクリ人形が登場する。
日本人形といったら、髪が伸びるとかの話もありがちだ。
まぁ、可愛らしい見た目で、そんな現象が起こってしまうと大抵は怖がってしまう。
可愛い、と思ってたクセに今度は
タネ明かしをすれば、その人形に使われている髪が、本物の人間の髪を利用されているのが理由だ。
木で出来ているから、木の栄養を吸いながら、髪が成長して伸びてしまっているだけなので、怖がる必要はない。
勿論、本物の髪でも伸びないモンだってある。
だから、怖がらずに髪を切り揃えて妹のように可愛いがってやってほしい。
あんまり大事にしずぎると、魂が宿って動いてしまってもそれは自己責任だ。
写真でならよく見るが。
それでも、これくらいのことは知っている。
さて、もう一つの怖いとされているものといえば動く人形だろう。
カラクリ人形であれば動いても可笑しくないし、
壊れているのか?とね。
何が怖いって、カラクリ人形でもない動く筈がない人形が動くってことじゃないか?
魂が宿ったか、それとも誰かのイタズラか。
だが、己がしたい話はそれではなく、カラクリ人形の方だ。
怖いかどうかは、己では決められない。
何故、元々動くように作られたカラクリ人形が動く話が怖いと言えるか。
己にとっては、もう出会いたくない人形になってしまった。
カラクリ人形というのは、何かしらの力で動いている。
ゼンマイでも巻いて動くものでもいいし、風や水でもいい。
だが、この人形館に長年いるカラクリ人形は、他の人形とは違うモノによって動いていた。
それは、人間の心臓だ。
一つあれば、十数年は動き続けるので、永遠に動き続けたいなら、定期的に人間から心臓を貰わなければならない。
勿論、このカラクリ人形を作り出した者は遠い昔に息を引き取った。
その頃からカラクリ人形は動き続けている。
人形館にカラクリ人形を見に来た来客の心臓を奪いながら。
管理人はその事を知っているのか知らないのか、人形館には通常居ない。
知っていたとすれば、正解でもあっただろう。
そうじゃないとすれば、運がいい。
このカラクリ人形の特徴は、自分で心臓を取り替える為に奪いに動くことだ。
心臓がすり減っていき、そろそろ尽きるだろう頃に、そういう暴走を起こす。
人間より遥かに高い身長で、手足も長い。
動きが鈍いとしても、きっと逃げきれないのだろう。
だから、カラクリ人形は未だに動いている。
必要なのは、心臓だけ。
それ以外には触れない。
可愛いとか、カッコイイとかいう顔は最初からしていない。
最初から不気味な顔をしているのだ。
人形がどちらの性別のつもりで作られたのかも、目的もわかっていない。
ずっと動いているのだから、そのカラクリ人形を処理するのは難しいだろう。
人間を殺せるのだから、下手に近付けない。
己はチラと見ただけで、近付くのを遠慮した。
物好きだけがカラクリ人形へ近付きまじまじと観察する。
それ以外の客は誰も近付かないのだ。
己は運が良かったのか、悪かったのかわからない。
ただ、己が外へ出てからが、カラクリ人形の暴走の始まりだったのだから。
悲鳴なんて聞こえないから、この建物は防音なのかもしれない。
ただ、誰も気付かない。
誰も助けることは出来ない。
逃げ切れるかっていえば、出口として通常使われている出入口は通ることが出来ないから、遠い非常用の出入口を目指すしかない。
燃やすことが出来るだろうが、燃やす為の道具なんてない。
己はただ、ガラスの向こうを眺めていただけだ。
女性が追いかけられていた。
もし、カラクリ人形が己に気付いたならば、こっちへ襲ってきていたのかもしれない。
陸上選手なら希望はあったんじゃないか、くらいの速さでカラクリ人形は最後の力を振り絞っている。
心臓が尽きるまで捕まらずに逃げ続けるくらいの、体力と足の速さに自信があるのなら、貴方も行ってみるといい。
きっと、まだ、動いているだろう。
一番奥の、右側の部屋で、音を立てながらこちらを見つめ返すカラクリ人形は、数えて今ならまだ暴走はしないとは思う。
まぁ、心臓次第ではなかろうか。
人形館に足を運ぶ際は、ちょっと探してみるといいかもしれない。
行くとしたら三時前に帰るくらいをオススメしよう。
それ以降の時間帯に丁度、カラクリ人形が自分の部屋を出る頃なのだから。
最後に、このカラクリ人形の心臓として最初に使われたのは、このカラクリ人形の製作者の妻のものらしい。
もしかしたら、製作者は妻に先立たれて寂しさのあまり作り出したのかもしれない。
それが、今、永遠を見せているのだから、製作者も驚くだろう。
まぁ、、、死んでいるが。
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