第2話 一夜明けて次の朝。
次の日。会社に着くなり廊下で掃除をしているイチジョウさんにばったり出くわした。
「あらアシヤさん、ひどい顔。さてはあの掃除機を使わなかったのね!?」
「どうしてわかるんです?」
「見ればわかるわよ!ひどい顔色、目の下のクマ。大方、一晩中悪夢を見たり金縛りにあったりしたってところね。」
「え、なんでわかるんです?」
「やっぱり…。じゃあ、今日家に帰ったらあの掃除機ですぐに掃除をしなさいね」
「イチジョウさん、実は、それが、その、…」
実は、僕はイチジョウさんのくれた掃除機を朝一番で引っ越し用の段ボール と一緒にゴミの回収に出してしまったのだった。
それを聞いたイチジョウさんは目を丸くした。
「なんですって!こうしちゃいられない、すぐにアレを取り戻しに行かなくちゃ!」
イチジョウさんは手に持っていたモップを放り出すと、僕の手を強引に掴んで、会社から飛び出した。会社の前の道路でタクシーを捕まえると僕を押し込み、一緒に粗大ゴミの処分場へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます