仮面ライダー生誕50周年
拝啓、猫先生
満開に咲き誇った桜が散っていくこの頃、いかがお過ごしでしょうか。この世に桜がなかったら、春における人の心は、猫先生のように長閑であったとおもいます。
祖母がなくなったそうです。
誰しもはじまりがあれば終わりは訪れるものです。長さで、生きる良し悪しが決まるわけでもありません。そもそも善悪を決めたがるのは、人が持つ罪悪感のせいです。自分の生き方は自分で肯定すればいいのです。
それぞれがそれぞれの命の時間を生きながら、たまたま同じ期間を生きていて、ほんの偶然が巡り合わせたのです。仲良くなれても、いつかは離れ離れになります。別れがいつ訪れるのかは、誰にもわかりません。猫先生との出会いもまた、同じです。
だからこそ、なのです。
生きている、出会える時間に自分のできることを精一杯する。
お礼がいいたいのなら、恩返しがしたいなら、いなくなってからでは遅いのです。
わたしは常々、できるときにできることをするのを心がけて生きています。お返しは一人に一度。それ以上は欲張りというものです。返し足りないと思うなら、自分の周りの人たちに返せばいいのです。
困ったときはお互い様、お陰様。
袖すり合うも多生の縁。
生きるというのは縁故の円環を広げていくということです。
どこかで誰かの助けのがつながりあい、無数の縁故が重なり合って巨大な球形の縁故――世界を形つくっています。
今日もどこかのひだまりで、猫先生は宇宙の神秘の法則を紐解いていらっしゃることでしょう。
つぎにお目にかかれるときまで、お体を大事になさってください。
敬具
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