ごまの日

拝啓、猫先生。

 昨日の雨の寒さが嘘のように、暖かな日でしたがいかがお過ごしでしょうか。

 たまに見かけるたびに、毛並みが変わったり、数が増えたり、餌付けされていたりする先生を拝見しましたが、一匹ではなかったのですね。

 はやいもので、もう11月です。

 来月は12月。

 そのつぎは1月です。

 13月じゃないんですよ。

 はやいものです。

 今年は嵐や天災が多かったですね。

 多すぎて、なにがあったのか覚えきれない、そんな一年でした。

 先生と出会って数カ月、わたしの中ではいろんなことが起きました。

 一つひとつが必然で、起こるべくして起こったのでしょう。

 たとえるなら、わたしの中で、嵐や天災が巻き起こっていたのです。

「感情的になってはいけない、あるがままを受け止めて、今日を楽しく生きよ」

という先生の教えを、すっかり忘れてしまっていました。

「寒いときはじっとまるまり、無駄に動かず、耐える」

 心が寒いときもまた同じ、と先生は身をもって体現されていたにもかかわらず、怠ってしまい、挙げ句、あちこちにご迷惑をかけてしまいました。

 不出来な愚弟で申し訳ありません。

 また何かありましたら、お手紙書きます。

 これから寒くなりますので、先生もお体にはお気をつけくださいますように。

                                  敬具


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