第4話 明日と言う未来へ・・・

僕は、星を見るのが好きだ・・・

満天に輝く星を見ていると、心が癒される・・・


でも最近は、都会はもちろん、かなりの田舎に行かないと星は見えない。

おまけに僕は、視力が悪い・・・


なので、余程の明るい星でないと、目で受け止める事が出来ない・・・


なので、プラネタリウムは最適の場所だ・・・


この天文所は、最近出来た・・・

天文所と言っても、宇宙科学館と言ったほうが適切なのだが、

それでも、プラネタリウムが出来たのは、嬉しかった・・・


「ねえ、池上くん・・・」

「どうしたの?山咲さん」

「上映中、手、握ってていい?」

「・・・うん・・・」

山咲さんは、手を握ってきた・・・


しばらくすると、暗くなった・・・

上映時間になる・・・


お決まりのアナウンスが流れる・・・

本物の星でないのは、わかっている・・・

でも、それでもいい・・・


僕にとって、星はかけがえのない存在だ・・・


星座が紹介される・・・

黄道12星座が紹介される・・・


さっきの会話を思い出した・・・


   「池上くんは、何座?」

   「僕?双子座だけど・・・」

   「私は、天秤座、相性いいね」

   「そうなの・・・」


星占いの相性は信じていない・・・

信じてはいないが、悪い気はしない・・・


上映時間が終わった・・・

あっと言う間だった・・・

しばらくは、動けなかった・・・


しばらくして山咲さんが、声を掛けてきた・・・

「池上くん・・・」

「・・・何・・・」

「待っててね。特別上映があるから・・・」

「特別上映」

「お兄ちゃん、お願い・・・」

するとまた、暗くなった・・・


そして特別上映が始まった・・・


それは、従来の物ではなく、神話の紹介だった・・・


ヘラ

ゼウスの妻

ラテン語ではユノという・・・


ヘラの話は知っている・・・

知っているが・・・何だか勝手が違った・・・


本来、ゼウスは浮気を繰り返していた・・・

でも、今聞いている話は、ゼウスがヘラに一途だった内容になっている・・・


特別上映とやらが終わった・・・

創作か、本当にある話かわからない・・・

でも・・・


「池上くん」

「えっ」

「今のが私の君への気持ちだよ」

わかった・・・いくら鈍くても・・・


「返事・・・聞かせて・・・」

冷やかしか、ドッキリかはわからない・・・本心か・・・

でも、どちらにせよ、返事はすべきだろう・・・


僕は迷った挙句ひとつの決断をした・・・

「君だけに・・・」

そういい、ユニコーンのぬいぐるみを渡した・・・


山咲さんが、どう受け取ってくれるのかは、彼女次第・・・

彼女が、ユニコーン座の神話を知っていてくれるかどうか・・・

それは明日に託そう・・・


これは僕の創作はない・・・素直な気持ちだ・・・

明日が光り輝く事を願って・・・

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Tomorrow 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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