第9話 エロエロお着替え 下
「お前達の想いは受け取った! 後はこの俺に任せろ!」
なにやらアニメの
あれ? その格好がエロエロコスプレじゃないのかな?
そして、モソモソとコスプレを脱ぐと、現れたのは!
「え……とぉ~、それってスクール水着?」
「そう、高校のヤツをちょっと改良した」
改良したと言っても、胸の所になにやらひらがなで
『ろさんぜるす』
って、大きく名札が
てか、アンダーだと思っていたのは、スクール水着そのものだったんだ。
それを見たワイルドがなにやら思い出した。
「あ~高校の頃、男子共がやってた、なんか戦艦のゲームのキャラか~?」
「そう、『連合妖精艦隊』。略して
「コスプレ……とおっしゃるには、この姿の女の子がゲームに出てくるんですか?」
めずらしくおしとやかが質問する。
ボディコンといい、もしかしたらコスプレに興味があるのかな?
「そう、潜水艦→潜る→スク水って連想すればいい。戦艦や巡洋艦は体の周りに砲塔を付けなければならないからメンドクサイ。よって、潜水艦キャラのコスプレが人気ある」
ここでいきなりコイツが叫びだした!
「ロサンゼルス級やんけ! ティモール海ではコイツや姉妹艦をぎょうさん見かけたわ。時々、ナヴァガ級と”ドンパチ”してたんやで!」
「おお! まさに『敵○水域』の生き証人! コイツ……できる!」
ヲイ! なにやらシュモクザメが、国家機密どころか世界機密を大声でべらべらしゃべっているが……。
だ、大丈夫? いきなり家にC○AやK○Bが怒鳴り込んで来るんじゃあないでしょうね?
と、ここでみんなが私に注目する。なんだろう?
あ~はいはい。まさかトリを取る羽目になるとは……。
「まぁ、幹事が何もしないのも、コイツに悪いしね」
「「「「おおおお!」」」」
「いや、待って、あんまり期待しないでね」
私は立ち上がると、ゆっくりと服を脱ぎはじめる。
こらえきれないのか、ワイルドがコイツに耳打ちする。
”なぁシュモク、何を着てるんだ?”
”わからんのや。ワシを風呂場に閉じ込めて、着替えしてたみたいやからなぁ~”
プールや体育の前に、散々他の女子の前で着替えたのに、なんだろう? この恥ずかしさは?
タマネギのように服がむかれて現れたのは……。
「ビ、ビキニだ! しかも、トロピカル……」
「
「むむ、ちゃんと”手入れ”がなされている。今さらながら、おろそかにした自分を恥じている……」
三者三様の感想を浴びせられた後は
「や、やったぜ! ネェチャン! サメとビキニはサメ映画の鉄板! 切っても切れない関係や! まさに
「な、なんかめちゃくちゃな褒め言葉だけど、熱意は伝わったからよしとするか……。てかおい! なんで映画ならビキニの”美女”って言わないんだよ!」
「ま、まぁ、それはそれ。これはこれで。ほ、ほら、他の皆さんの手前、ネェチャンだけ美女と言うのも気が引けるし……」
「「「ハハハハハハ!」」」
まぁいいか。とりあえずこの水着も無駄にならなくてすんだし。
「てか、その水着って結構攻めているな」
「そうですね、布の部分が少なめですし」
「うむ、浜辺の視線を独り占めする気だな!」
「あ~これね~。高校の時に買ったまま、一度も着てなかったんだよね~」
「「「はぁ~」」」
なぜかため息を吐き出す三人。あれ?
コイツが浮かびながら、肩に”ぽん!”と手、いや、胸びれを置くと
「ネェチャン。女にもいろいろあるんやでぇ~」
エロエロタイムの後は、
まずは、『フードファイター・タァ~イム!』
「フッフッフ! 私に勝てるかな?」
「ヘッヘッヘ! サメの早食いをナメたらあきまへんで~」
ワイルドとコイツの
『フライドチキン五ピース 早食い大会』
が開始された。
「それではいきますよ~。よぉ~い、スタァ~ト!」
おしとやかの号令一閃!
陸VS海の最強肉食系が、今、相対する!
”ガツガツガツガツガツガツ!”
ワイルドがフライドチキンにかぶりつく。
”ガツバリガツバリガツバリ!”
私はコイツの口の中に、わんこそばよろしく、フライドチキンを放り込む係なのだ。
「どっちもかんばってくださぁ~い」
「おぉ~。まさに骨肉の争い!」
そして……。
「勝ったぁ~!」
バンザイするワイルド!
「ま、まぁ、ガリボリ……今日は花を、ボリガリ……持たせてやるわ」
「へへ~ん! いつでも挑戦を受けてやるぜ!」
さすがに骨ごと食べる分、コイツのハンデが大きすぎたってのもあるけどね。
次は……『キャバクラ・タァ~イム!』
「はい、シュモクさん。あぁ~ん」
「ああぁ~ん」
正座したおしとやかの膝枕に、コイツは仰向けで寝転ぶと、
う、うらやましい。い、いや、
といいながら、私を含めて後の二人も結構ローストビーフ様を食べているんだけどね。
で、でも、膝枕も、ちょっと顔を
最後は『ホスト・タァ~イム!』
「いくぞカナヅチ! ほい! ほれ! それ!」
不思議が放り投げるビーフジャーキーやカルパスを
「あっ! (パクッ!)。それっ! (パクッ!)。ヨイトナ! (パクッ!)」
コイツは器用に浮かびながらかぶりついた。
「むむっ! アレは真似できねぇ!」
「(パチパチパチ!)お上手ですわ。シュモクさん」
「フフフッ! 芸を仕込んだ甲斐があったわ」
なぜか勝ち誇る私。
こうして、コイツの歓迎会って名の女子会は、盛況のまま終了するのであった。
チャンチャン!
女子会後の大学のキャンパスでは、いつも通りの挨拶が……あれ?
「お、おはよう。えっとぉ、本日はお日柄もよく……」
「あ、おはようございます。先日は、はしたない姿をお見せしてしまって……」
ワイルドとおしとやかが、どことなくテレ口調で挨拶する。
勝負下着にボディコンだからね。仕方ないか。
「おはよう。カナヅチは元気か? そういえば……家に帰ってから気がついた」
さすが不思議コスプレイヤー。あれぐらいの
「ん? なに? 忘れ物?」
「うん、あの歓迎会を動画に撮っておけばよかったと……」
『『『やぁ~めぇ~てぇ~~!!』』』
教室中に三重奏が鳴り響いた。
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