#2



「おはよ、隆久くん」


「今日は何なの?」


「わんこ!」



にこにこ笑いかけてくる幼馴染の美少女に俺は少し呆れながら返事をした。…美少女というのは少し違うな。ここで俺たちの紹介をさせてくれ。


俺の名前は常磐隆久(ときわ たかひさ)。この春、高校に入学したばかりの高校1年生である。そして当然のように俺について回る、女のような格好のこいつは、 中城恵流(なかじょう めぐる)。正真正銘、男である。 どんなに可愛くても、男なのである。



「わんこ…?」


「うん!隆久くんの後ろついて回るね!」


「…いつも通りじゃね?」


「やだ?」



クゥーンとか言い出しそうな上目使いに心臓が跳ねるのを無視して、俺は早足で学校へ向かった。


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